長坂常 / スキーマ建築計画による、香川・豊島の「Teshima Factory」。かつての鉄工所を食堂兼食糧工場として再生。既存の“シンメトリー”の大きなエントランスに着目し、計画の軸に据えて全体の構成を整理する設計を志向。内部では元の鉄骨の色味を基調として家具や造作を展開
長坂常 / スキーマ建築計画による、香川・豊島の「Teshima Factory」。かつての鉄工所を食堂兼食糧工場として再生。既存の“シンメトリー”の大きなエントランスに着目し、計画の軸に据えて全体の構成を整理する設計を志向。内部では元の鉄骨の色味を基調として家具や造作を展開外観、南東側より見る。 photo©長谷川健太
長坂常 / スキーマ建築計画による、香川・豊島の「Teshima Factory」。かつての鉄工所を食堂兼食糧工場として再生。既存の“シンメトリー”の大きなエントランスに着目し、計画の軸に据えて全体の構成を整理する設計を志向。内部では元の鉄骨の色味を基調として家具や造作を展開外観、南側より見る。 photo©長谷川健太
長坂常 / スキーマ建築計画による、香川・豊島の「Teshima Factory」。かつての鉄工所を食堂兼食糧工場として再生。既存の“シンメトリー”の大きなエントランスに着目し、計画の軸に据えて全体の構成を整理する設計を志向。内部では元の鉄骨の色味を基調として家具や造作を展開食堂、客席から厨房側を見る。 photo©長谷川健太
長坂常 / スキーマ建築計画による、香川・豊島の「Teshima Factory」。かつての鉄工所を食堂兼食糧工場として再生。既存の“シンメトリー”の大きなエントランスに着目し、計画の軸に据えて全体の構成を整理する設計を志向。内部では元の鉄骨の色味を基調として家具や造作を展開食堂、客席 photo©長谷川健太

長坂常 / スキーマ建築計画が設計した、香川・豊島の「Teshima Factory」です。
かつての鉄工所を食堂兼食糧工場として再生するプロジェクトです。建築家は、既存の“シンメトリー”の大きなエントランスに着目し、計画の軸に据えて全体の構成を整理する設計を志向しました。また、内部では元の鉄骨の色味を基調として家具や造作を展開しています。施設の場所はこちら(Google Map)。

Teshima Factoryは、豊島・家浦港前に建つ旧鉄工所を、食堂兼食糧工場として再生したプロジェクトである。

豊島はかつて不法投棄による産業廃棄物問題により、「ゴミの島」として知られていたが、その原因でもあった本土からの距離が近年ではよい結果を生みつつある。汚名を払拭するかのように自然環境との調和を図った豊島美術館。そして外部資材の入手が困難な離島ゆえの、島内にあるもので成り立たせてきた農業や暮らし。

建築家によるテキストより

豊かな水源と起伏に富んだ地形を活かし、島では無農薬による棚田農業が古くから営まれており、その水がそのまま海へと流れ出すことで、海藻が育ち、それを求める魚が集まり、漁業もまた豊かなものとなっていた。

このように農と漁が連動し、自然の循環の中にあった豊島の暮らしは、今では“周回遅れの最先端”とも言える持続可能な営みである。しかし、近年は高齢化によりその営みも次第に失われつつある。

そうした状況に着目したのが、本プロジェクトの事業主であるアミューズである。彼らは、かつての農業を再生し、そこで生まれる産品を島の新たな名物として広く伝えることで、新たなアグリカルチャーツーリズムを創出しようとしている。その第一弾として誕生したのが、このTeshima Factoryである。

建築家によるテキストより

建築計画においては、延床面積360㎡の元工場の建物をおおよそ半分に分け、一方は工場としての機能を残し醸造所に、残り半分は200㎡未満の用途変更として新たに食堂とする計画とした。

既存建物は中央に大きなシンメトリーのエントランスをもっていたため、それを軸に構成を整理し、工場側には既存のスレート屋根を残して遮光性を確保し、食堂側には波板ポリカーボネートを用いて自然光を取り込む構成とした。結果、双子のような対をなす空間=Twinsが、豊島の玄関口に現れることとなった。

インテリアにおいては、既存鉄骨の色味を基調に家具や造作を展開。天井から吊るされた球体照明には、同系色の海洋プラスチックごみを収集・再構成したマテリアルを用いている。その下には、オランダのアーティスト、Sander Wassinkと島民によって共同製作された椅子が並ぶ。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2026/4/13-4/19]
最も注目を集めたトピックス[期間:2026/4/13-4/19]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2026/4/13-4/19)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。(弊サイトでは、作品記事についてSNS広告を活用した再発信を行う場合がありますが、その流入はランキングに影響しないよう設定しています)


  1. 齊藤啓輔 / 1st atelierによる、富山の「南砺の行燈」。縮小する地方の住宅の在り方も模索。空洞化が進んで空き地が増える状況において、地域の祭りの“行燈”を参照した“カーテンウォール”を追加する計画を考案。増築部は中間領域となり“温熱環境装置”としても機能
  2. OMA / 重松象平が空間デザインを手掛けた、東京・墨田区の、江戸東京博物館のリニューアル。菊竹清訓設計の博物館の改修。公共体験の向上を目指し、“アイデンティティの明確化”や“再訪動機の創出”を実現する計画を志向。伝統的な文様や版画に加えて都市の情景などの映像を投影するピロティ空間を考案
  3. 【ap編集長の建築探索】vol.014 ウルトラスタジオ「上原坂道のマンション」
  4. 五十嵐理人 / IGArchitectsによる、沖縄の住宅「重なりの間」。本島の“穏やかな集落”での計画。“気候と生活の間のフレーム”としての在り方も追及し、視覚的な開放とは異なる“開放性”を備えた空間を志向。重なりを生む“壁柱”と暮らしを守る“大屋根”からなる建築を考案
  5. 山田紗子による、TOTOギャラリー・間での建築展「parallel tunes」。大阪・関西万博の休憩所も手がけた建築家の展示。複雑さを増す世界を“多声的”と捉え肯定し、“躍動感のある豊かな環境”の創出を志向。会場の空間を環境と捉えて“複雑な旋律を奏でながら共鳴する”世界を表現
  6. 五十嵐理人 / IGArchitectsと五十嵐友子による、東京の住宅「家の躯体」。生活と仕事の境界が曖昧な夫婦の為に計画。大らかで“何処でも仕事ができる”住居を求め、7枚の床がズレながら重なり多様な役割を担う立体的な一室空間の建築を考案。都心に住む現実と小敷地での可能性を形にする
  7. スミルハン・ラディックによる、チリ・パプドの住宅「Pite House」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2005年に完成。海岸の岩の多い地形に埋め込まれた家。住まいと風景の関係を探求し、建築を“擁壁とテラスの連なり”として構成して周辺環境の“岩”と結びつける
  8. 隈研吾建築都市設計事務所・BDP・MICAによる、ロンドンの、ナショナル・ギャラリー新館設計コンペの勝利案。200年以上の歴史ある美術館を拡張する計画。都市の重要な二つの広場の間にある敷地において、両者を結びつける新たな屋外空間を備えた建築を提案
  9. 鎌松亮 / note architectsによる、東京・江東区の「梁下の改修」。巨大な“十字梁”のある住戸での計画。“ひとつ梁の下”で家族が共に暮らす風景を求め、間仕切りと仕上げを梁下に止めて“梁の全体性”を保つ空間を考案。其々の部屋は壁仕上げに変化をつけて“場の性格”を分ける
  10. 佐野文彦 / Fumihiko Sano Studioによる、東京・港区の飲食店「Tremolare」。既存が“採石場”の様だった空間に計画。躯体の量塊の関係性や重量感を活かしつつ、自然素材のカウンターや什器で“素材感や軽さ”を導入して全体を構築。個室では弧状の天井と丸い壁面で中心性と一体感を生む
  11. 内野吉貴 / YDS建築研究所による、「熊本の住宅」
  12. 藤本壮介建築設計事務所による、仙台市の「音楽ホール・中心部震災メモリアル拠点複合施設」の基本設計概要書が公開
  13. 2026年日本建築学会賞(作品)を、周防貴之の「屋島山上プロジェクト」、髙橋一平の「霞ケ浦どうぶつとみんなのいえ」、日野雅司・川口有子・仲俊治の「金沢美術工芸大学」が受賞
  14. スミルハン・ラディックによる、チリ・サンティアゴの飲食店「Restaurant Mestizo」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2006年に完成。都市公園の中にある“ランドスケープの延長”として造られた建築。地平線・シェルター・公共的な所作として同時に現れる屋根が内外の境界を溶融する
  15. 槇総合計画事務所による建築展「Vernacular Humanism / 人と社会と建築と」。槇文彦が創設し60周年を迎えた設計事務所の展覧会。同事務所設計の建築を会場に、未発表作品や進行中計画も含む145作品を紹介
  16. パナソニックが運営する、東京・新橋の“BRIDGEHEAD Shimbashi”を会場に「『現し』を考える。展ver.4.0」が開催。スキーマ建築計画出身の西原将が企画と会場設計を手掛ける“現し”をテーマとした展示。配線の基本から電材の一覧まで収録し、設計の際に便利な“現し配線の手引き”も制作して公開
  17. 藤田時彦 / atelier umiによる、滋賀・高島市の「安曇川の家」。豊かな自然に囲まれた大きな敷地。施主の“森の中に住みたい”という要望を起点とし、“森のような要素”を空間に導入する計画を志向。天井高の変化と“柔らかなアール”の連続で木々の下を歩く様な感覚を生み出す
  18. 干田正浩 / MHAAによる、東京・目黒区の集合住宅「盤桓」。樹木が茂り“心地よい風”が流れる旧家の敷地での計画。木々を残し“風を取込む”建築を求め、内部から考えて“多様な住戸タイプ”を立体的に組合せる構成を考案。緑との補色関係を考慮して朱色のファサードとする
  19. ファラによる、ポルトガル・ポルトの「stand for circo de ideias」。ブックフェアの為の9㎡のスタンド。24の金属部材を三次元のグリッドとして組み立て、周縁部に配した鏡で“複製され拡張される”空間を考案。部材の色彩は公園のクジャクとも予期せぬ対応関係を結ぶ
  20. 長坂常 / スキーマ建築計画による、京都左京区南禅寺草川町の「ブルーボトルコーヒー京都カフェ」

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