〝建築と社会の関係を視覚化する〟メディア。

最新記事

矢野青山建築設計事務所による、愛媛・松山市の「だんだんPARK」。カーディーラーの建替計画。自動車を取巻く“環境の変化”に向き合い、用途の提案まで行って多目的ホール等を内包する“公共的な場”を志向。様々な用途の入る“5つのBOX”がズレながら重なる構成の建築とする
矢野青山建築設計事務所による、愛媛・松山市の「だんだんPARK」。カーディーラーの建替計画。自動車を取巻く“環境の変化”に向き合い、用途の提案まで行って多目的ホール等を内包する“公共的な場”を志向。様々な用途の入る“5つのBOX”がズレながら重なる構成の建築とする俯瞰、北東側より見下ろす。 photo©西川公朗
矢野青山建築設計事務所による、愛媛・松山市の「だんだんPARK」。カーディーラーの建替計画。自動車を取巻く“環境の変化”に向き合い、用途の提案まで行って多目的ホール等を内包する“公共的な場”を志向。様々な用途の入る“5つのBOX”がズレながら重なる構成の建築とする外観、敷地内の北東側より見る。 photo©西川公朗
矢野青山建築設計事務所による、愛媛・松山市の「だんだんPARK」。カーディーラーの建替計画。自動車を取巻く“環境の変化”に向き合い、用途の提案まで行って多目的ホール等を内包する“公共的な場”を志向。様々な用途の入る“5つのBOX”がズレながら重なる構成の建築とする1階、「だんだんホール」から2階側を見る。 photo©西川公朗
矢野青山建築設計事務所による、愛媛・松山市の「だんだんPARK」。カーディーラーの建替計画。自動車を取巻く“環境の変化”に向き合い、用途の提案まで行って多目的ホール等を内包する“公共的な場”を志向。様々な用途の入る“5つのBOX”がズレながら重なる構成の建築とする2階、客席越しに「だんだんホール」を見下ろす。 photo©西川公朗

矢野寿洋+青山えり子 / 矢野青山建築設計事務所が設計した、愛媛・松山市の「だんだんPARK」です。
カーディーラーの建替計画です。建築家は、自動車を取巻く“環境の変化”に向き合い、用途の提案まで行って多目的ホール等を内包する“公共的な場”を志向しました。そして、様々な用途の入る“5つのBOX”がズレながら重なる構成の建築としました。店舗の場所はこちら(Google Map)。

愛媛県内でカーディーラーを運営するネッツトヨタ愛媛の本店を建て替えるプロジェクト。

今治店(2017)や新居浜店(2020)の計画時から、いずれ本店を建替えるときいていたので約7年かけて実現したプロジェクトである。敷地は空港と松山市内を結ぶ空港通りに面し、業務施設を中心に多様な用途が立地する準工業地域で、交通量が多い上に緑やオープンエリアが少なく、立ち寄りにくいエリアであった。

クライアントの要望は自動車を取り巻く環境変化を見据え、単なるショールームではなく、これまでにない魅力化・複合化を図り、今治と新居浜の知見を活かして集客と地域活性化に繋げてほしいということであった。

建築家によるテキストより

そのため、私たち設計者が建築計画と並行して複合用途の検討・提案を行い、ハードとソフトの両面において、複合化による相乗効果を生み出し、それによって民間ならではの公共的な場をつくりだすことを意図した。

用途の検討にあたって、多様な顧客に対する魅力維持、継続的な情報発信、新規来客獲得、相乗効果という観点から、飲食・ホール・キッズスペース・コワーキングスペースを特徴づけて複合化することとし、コンセプト・空間・運営方法まで検討・提案した。

複合する用途が固まってきた段階で、ハードとソフトの両方に繋がるコンセプトとして、「このエリアに不足する公園のような自由な場所」が「多様に積み重なって複合施設として地域に貢献する」がふさわしいと考え、「だんだんPARK」というコンセプトを考案した。

建築家によるテキストより

「だんだん」は地域の方言で「ありがとう」という意味があり、地域に貢献する場を屋内外につくりだすことを現している。
愛媛県に象徴的なみかん畑を意識しただんだん形状にボリュームを徐々にセットバックさせ緑化することで、良好な景観をつくりだし回遊性を高めている。「PARK」は駐車場と公園の両方の意図を込め、各階テラスを公園のようにつくるだけでなく、車がテラスに横付けできるように斜路を計画し場の賑わいと利用の幅を広げている。

場の多様性と相乗効果を生み出す最適なだんだん形状のあり方を検討し、内部の用途を現した5つのBOXがずれながら積み上がり、各階に車が上れるスロープとの間に多様なシーンをつくりだす全体構成とした。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2026/1/5-1/11]
最も注目を集めたトピックス[期間:2026/1/5-1/11]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2026/1/5-1/11)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 2025年にアーキテクチャーフォトで注目された作品トップ10(第12回 ap賞 発表)
  2. 山田修爾による、神奈川の「鎌倉・板倉・隅切の家」。変形敷地に建つ設計者の自邸。四隅にある三角の土地を創作の起点とし、壁を張り出し“奴凧”の様な平面形状として光と風を内部に効果的に導く建築を考案。更新や移築などの持続可能性を意図し“板倉構法”で作る
  3. nendoによる、長野・御代田町の「土管のゲストハウス」。宿泊機能を備えた芸術作品等を収蔵する保管庫。インフラに用いられる“ボックス・カルバート”の考え方を応用し、土管を井桁状に積み重ねた様な建築を考案。保管物の増加に伴い“土管”の追加も想定
  4. 榊原節子建築研究所による、大阪市の「光廊の家」。三方を囲まれた細長い敷地に建つ二世帯住宅。多様な体験が可能な住まいを求め、白い抽象的な“光廊”と素材感のある具体的な“生活の場”を行き来する構成を考案。光廊は世帯間や家族の距離感を調整する役割も担う
  5. 山口誠デザインによる、東京・台東区の、オフィスビル「MONOSPINAL」(竣工前)。ゲーム制作会社の本社。従業員の“集中力”と“リラックス”のバランス確保を目指し、環境要素も向上をさせる“斜壁”を持つ建築を考案。小スケールの素材を集積をさせる仕上げで“あらたな風景”を作る
  6. 沼田祐子 / YNASによる、東京・渋谷区の住戸改修「神宮のスタジオ / 自邸」。共用部の光庭や動線が特徴的な集合住宅での計画。外の空間性の内への導入を求め、光を拡散して全体を緩やかに繋げる“曲面壁”を中心に据える構成を考案。歴史も読み込んだ創造で“住み継ぐ”選択肢の提示も意図
  7. 高野洋平+森田祥子 / MARU。architectureによる「トンネルをくぐって」。美術館でのグループ展の為に制作。土地を読み解き“相互関係を新たに整える”設計思想を基に、場の“全てを包みこむ背景”を志向。過程を伝える“思考のトンネル”であり“中身を増幅する鈍い鏡”となる作品を考案
  8. Atelier Tsuyoshi Tane Architectsによる、東京の住宅「Todoroki House in Valley」
  9. 今津康夫 / ninkipen!による、京都市の住宅「北大路Δ」。“街の入口”とも言える“三角形の狭小地”での計画。敷地をなぞった三角形の二隅を切り落とし“五角柱”として立ち上げた、角度によって“異なる表情”を見せる建築を考案。残地に施した植栽でも街に彩りを与える
  10. 桔川卓也 / NASCAによる、さいたま市の「西浦和幼稚園」。住宅に囲まれた敷地に建つ園の建替計画。感性と思い出に長く刻まれる存在を目指し、子どもの絵を参照して“大胆で抽象的なデザイン”を志向。雲をイメージした屋根と周囲の戸建と調和するリズムを備えた建築を考案
  11. ゲンスラーと竹中工務店による、愛知の「MARUWA 瀬戸工場」。郊外に建つセラミック素材メーカーの新工場。目指すべき企業像の表現も目指し、企業と世界・敷地と地域・伝統と未来を繋ぐ“架け橋”となる存在を志向。水平方向に伸びるテラスと屋根を特徴とする建築を考案
  12. 【ap編集長の建築探索】vol.002 富永大毅+藤間弥恵 / TATTA「WOODSTOCK House すぎんち」
  13. リナ・ゴットメによる、大阪・関西万博の「バーレーンパビリオン」。“海をつなぐ”をテーマに計画。同国と海の繋がりを伝える施設として、“伝統的な船の製造技術”の参照に加えて“日本の木組の技術”も融合させる建築を考案。持続可能性を考慮して殆どの材料を再利用可能とする
  14. 黒川智之建築設計事務所による、東京・渋谷区の住戸改修「北参道の住宅」。L字型のルーフテラスのある区画。開放性や快適さの享受を求め、既存個室の壁を取り払って“外へ視線が抜ける大らかな空間”を創出。スケールの大きな二つの造作家具を用いて暮らしの場の“緩やかな分節”も行う
  15. GROUPによる、山梨・北杜市の住宅「道具と広い庭」。自然豊かな環境の“広い庭”のある敷地。居場所作りの為に“手入れ”が必要な状況に着目し、人ではなく“道具”を中心とする建築を志向。同形の5部屋が並ぶ構成として其々に用途の異なる道具の収納場所を用意する
  16. 2025年にアーキテクチャーフォトで注目された記事トップ100
  17. 安藤忠雄とアントニー・ゴームリーによる、韓国の「グラウンド」。美術館の庭園地下に埋設されたアートスペース。美術館体験の拡張を求め、7体の彫刻を内包した“パンテオンも想起させる”ドーム状の空間を考案。彫刻・建築・自然と鑑賞者をひとつの瞬間の中で結びつける
  18. 宇野友明の講演会が、愛知・江南市で開催。愛知建築士会尾北支部の主催で実施
  19. 青木真研究室による、東京・練馬区の「緑の家」。地域の散歩道となっている緑道沿いの敷地。体験への“特徴的なシーンの挿入”を意図し、曲面と平面が混交する“樹木に呼応したような形態”の建築を考案。内部はニッチ空間が立体的に連続した垂直的一室空間とする
  20. 石上純也建築設計事務所による、中国・山東省の「水の美術館」。湖の上の約“1km”の建築。中国の“茫漠とした風景”という前提に対して、環境と建築を近付け“対等な存在”となる設計を志向。湖の端から端まで延びる“新しい陸地”を“水面にそっと触れる”様にしてつくる

【ap job更新】 子ども施設を中心に高い評価を得て、様々なアワードでの受賞歴もある「相坂研介設計アトリエ」が、設計スタッフ(2026年新卒・既卒・経験者)を募集中
【ap job更新】 子ども施設を中心に高い評価を得て、様々なアワードでの受賞歴もある「相坂研介設計アトリエ」が、設計スタッフ(2026年新卒・既卒・経験者)を募集中
【ap job更新】 子ども施設を中心に高い評価を得て、様々なアワードでの受賞歴もある「相坂研介設計アトリエ」が、設計スタッフ(2026年新卒・既卒・経験者)を募集中あまねの杜保育園(立体的な回遊園舎)

子ども施設を中心に高い評価を得て、様々なアワードでの受賞歴もある「相坂研介設計アトリエ」の、設計スタッフ(2026年新卒・既卒・経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

相坂研介設計アトリエは、通いやすい皇居脇の半蔵門/麹町にある設計事務所です。
業務拡大のため、今年度もスタッフ(新卒・既卒・経験者含む)を募集します。

【代表者・事務所概要】
相坂研介は安藤忠雄に師事後独立、大学講師やJIA幹事を務めつつ建築士の職能普及にも尽力しています。
事務所は近年、子ども施設の建築設計を特に高く評価され、「東立石保育園(『GA JAPAN 171』)」は国土交通大臣賞や東京都知事賞、「てぞーろ保育園(『domus 1050』)」はJIA東北建築大賞や福島県建築文化賞、「あまねの杜保育園(新建築2016年5月号)」は「こども環境学会賞」「Architecture Asia Award」などを受賞し、NHKみんなのうた「パプリカ」のMVにも使われました。(詳しくは弊社サイトか『KJ 2024.4』などご覧下さい。)

【業務内容・職場環境】
現在は、幼稚園・保育園、小学校などの子ども施設や、オフィス・商業ビルなどの中規模施設を中心に、住宅や家具までを設計対象とし、所長含む所員全員が身の回りのものや空間を考え、デザインし、実現させる喜びや経験を、幅広く毎年少しずつ増やしてけるよう工夫しています。
昨年末に事務所を拡張。設備類も新調した上、BIMや3Dプリンタ、ITツールでの作業効率化で、快適に働き続けられる環境を常に更新しています。

マリーナ・タバサムが、TOTOギャラリー・間での自身の展覧会「People Place Poiesis」を解説している動画。2026年1月に公開されたもの(日本語字幕付き)

マリーナ・タバサムが、TOTOギャラリー・間での自身の展覧会「People Place Poiesis」を解説している動画です。2026年1月に公開されたもの。日本語字幕付きです。アーキテクチャーフォトでは、この展覧会を特集記事として掲載しています。会期は、2026年2月15日まで。

【ap編集長の建築探索】vol.002 富永大毅+藤間弥恵 / TATTA「WOODSTOCK House すぎんち」
【ap編集長の建築探索】vol.002 富永大毅+藤間弥恵 / TATTA「WOODSTOCK House すぎんち」ワークスペース部分を見る。富永さんと藤間さんの共通の趣味であるロードバイクが壁に掛けられている。 photo©rem goto

「ap編集長の建築探索」は、23年の歴史ある建築ウェブメディア「アーキテクチャーフォト」の編集長である後藤連平が、訪問した建築を紹介する連載シリーズです。論考のようなかっちりとした形式ではなく、現地で感じた雰囲気や空気感が伝わるような“ライブ感”のある文体で綴ります。読者の皆様も自身が建築を体験するように読んでいただければ幸いです。


富永大毅+藤間弥恵 / TATTA「WOODSTOCK House すぎんち」

TEXT:後藤連平

 
 
同世代の建築家である、富永さんと藤間さんが主宰するTATTAの改修設計による御自邸「ウッドストックハウス」を拝見した。

2年ほど前に完成しているのだけれど、八王子芸術祭2025年の開催に合わせてオープンハウスが行われたので伺った。(※芸術祭の会期は終了しています)

元々お祖母さまが、住まわれていた住宅を賃貸向けに改修を進める中で、自分たちで住んだら面白いのではないか、と思い都心部から移住されたのだという。

この建築は、アーキテクチャーフォトでも作品として紹介させてもらっていたので、概略は知っていたのだけど、実際に住まわれている様子や、八王子という地域の話も含めて色々と伺えて勉強になったし、楽しかった。

黒川智之建築設計事務所による、東京・渋谷区の住戸改修「北参道の住宅」。L字型のルーフテラスのある区画。開放性や快適さの享受を求め、既存個室の壁を取り払って“外へ視線が抜ける大らかな空間”を創出。スケールの大きな二つの造作家具を用いて暮らしの場の“緩やかな分節”も行う
黒川智之建築設計事務所による、東京・渋谷区の住戸改修「北参道の住宅」。L字型のルーフテラスのある区画。開放性や快適さの享受を求め、既存個室の壁を取り払って“外へ視線が抜ける大らかな空間”を創出。スケールの大きな二つの造作家具を用いて暮らしの場の“緩やかな分節”も行うエントランス側から空間全体を見る。 photo©中山保寛
黒川智之建築設計事務所による、東京・渋谷区の住戸改修「北参道の住宅」。L字型のルーフテラスのある区画。開放性や快適さの享受を求め、既存個室の壁を取り払って“外へ視線が抜ける大らかな空間”を創出。スケールの大きな二つの造作家具を用いて暮らしの場の“緩やかな分節”も行うキッチン側からダイニング越しにリビングを見る。 photo©中山保寛
黒川智之建築設計事務所による、東京・渋谷区の住戸改修「北参道の住宅」。L字型のルーフテラスのある区画。開放性や快適さの享受を求め、既存個室の壁を取り払って“外へ視線が抜ける大らかな空間”を創出。スケールの大きな二つの造作家具を用いて暮らしの場の“緩やかな分節”も行うリビングからスクリーン側を見る。 photo©中山保寛

黒川智之建築設計事務所が設計した、東京・渋谷区の住戸改修「北参道の住宅」です。
L字型のルーフテラスのある区画でのプロジェクトです。建築家は、開放性や快適さの享受を求め、既存個室の壁を取り払って“外へ視線が抜ける大らかな空間”を創出しました。また、スケールの大きな二つの造作家具を用いて暮らしの場の“緩やかな分節”も行っています。

都内のマンション一室を対象としたリノベーションである。


映画鑑賞を趣味とするクライアントは、生活の一部としてシアタールームを設けるのではなく、シアタールームそのものの中で暮らすような日常を望んでいた。

建築家によるテキストより

住戸は角部屋でL字型のルーフテラスを持ち、外部に大きく開かれている点が特徴である。しかし既存のプランは壁で細かく仕切られており、その開放性や快適さを十分に享受できない状態であった。

建築家によるテキストより

そこで個室の壁を取り払い、外へ視線が抜ける大らかな空間の素地をつくった。
その上で、ダイニングテーブル・仕事用デスク・ソファ、さらにスクリーンと収納を一体化させたスケールの大きな二つの家具によって、暮らしの場を緩やかに分節している。

天井はフラッターエコーへの対策を講じながら、気積を最大限確保するために持ち上げ、曲面天井とした。
また窓のある外周壁には、映画館のような吸音効果を意図し、壁面全体を布で覆うことができるカーテンボックスを設置している。

建築家によるテキストより
沼田祐子 / YNASによる、東京・渋谷区の住戸改修「神宮のスタジオ / 自邸」。共用部の光庭や動線が特徴的な集合住宅での計画。外の空間性の内への導入を求め、光を拡散して全体を緩やかに繋げる“曲面壁”を中心に据える構成を考案。歴史も読み込んだ創造で“住み継ぐ”選択肢の提示も意図
沼田祐子 / YNASによる、東京・渋谷区の住戸改修「神宮のスタジオ / 自邸」。共用部の光庭や動線が特徴的な集合住宅での計画。外の空間性の内への導入を求め、光を拡散して全体を緩やかに繋げる“曲面壁”を中心に据える構成を考案。歴史も読み込んだ創造で“住み継ぐ”選択肢の提示も意図玄関からダイニングエリア側を見る。 photo©西川公朗
沼田祐子 / YNASによる、東京・渋谷区の住戸改修「神宮のスタジオ / 自邸」。共用部の光庭や動線が特徴的な集合住宅での計画。外の空間性の内への導入を求め、光を拡散して全体を緩やかに繋げる“曲面壁”を中心に据える構成を考案。歴史も読み込んだ創造で“住み継ぐ”選択肢の提示も意図ダイニングエリアからリビングエリア側を見る。 photo©新建築社写真部
沼田祐子 / YNASによる、東京・渋谷区の住戸改修「神宮のスタジオ / 自邸」。共用部の光庭や動線が特徴的な集合住宅での計画。外の空間性の内への導入を求め、光を拡散して全体を緩やかに繋げる“曲面壁”を中心に据える構成を考案。歴史も読み込んだ創造で“住み継ぐ”選択肢の提示も意図スタディエリア photo©八坂麻里子

沼田祐子 / YNASが設計した、東京・渋谷区の住戸改修「神宮のスタジオ / 自邸」です。
共用部の光庭や動線が特徴的な集合住宅での計画です。建築家は、外の空間性の内への導入を求め、光を拡散して全体を緩やかに繋げる“曲面壁”を中心に据える構成を考案しました。また、歴史も読み込んだ創造で“住み継ぐ”選択肢の提示も意図されました。

ビラ・セレーナは平面的に十字スリットが入り、4つのヴォリュームに分節することで隣り合った住戸がほとんどないこと、住民共用の光庭を内包しており、建物の裏側と捉えられる内側が黄色に塗られていることが特徴である。光庭は角度のついた外壁と円筒形のEVシャフトによって、各戸の玄関の視線が制御されており、外部の曲がった小道がそのまま続いている感覚になる。

黄色の塗装が見えるスリットの階段を数段上がってたどり着く一室を、建築家とキャスティングディレクター夫婦の自邸兼仕事場として設計した。二人とも仕事とプライベートの境界が曖昧で、その曖昧さを楽しみ、集中したいときには自分の世界に没頭できる場所が必要であった。共用部まで続く動線と空間構成を住戸内にまで引き込むことで緩やかに連なる空間を作った。

建築家によるテキストより

曲面壁はコンクリートのグリッドで固くなりすぎる空間に柔らかさを加え、外光を反射し部屋全体を明るく照らす役割も果たす。開口部に面していない水回りや、近づいて初めて見えるスタディエリアの床に色を使い、裏方に色を持たせる共用部の特徴を踏襲した。

曲面壁に誘導された視線の先の開口は向かいの集合住宅のビワの木やテラスに施された植栽が借景になる。早朝には朝日を受けた外装の黄色壁の反射により部屋全体が黄金の光に包まれる。キッチンは無彩色に近いグリーンを使ったシンプルなヴォリュームで室内からも見えてくる共用部の特徴的な黄色を背景として際立たせた。

建築家によるテキストより

住戸全体が緩やかに繋がり、外への意識が加わることで、独立しプライベートヴィラのようでありつつも周囲の環境に溶け込むものとなった。周辺環境の特徴と既存建築の歴史を読み込みながら、新たな生活の場を創造することで、一室改修の可能性を最大限に示し、経年した建物を大切に住み継ぐ選択肢を浸透させていきたい。

建築家によるテキストより
宇野友明の講演会が、愛知・江南市で開催。愛知建築士会尾北支部の主催で実施
宇野友明の講演会が、愛知・江南市で開催。愛知建築士会尾北支部の主催で実施城西の事務所(2025年) photo©Nathanael Bennett
宇野友明の講演会が、愛知・江南市で開催。愛知建築士会尾北支部の主催で実施城西の事務所(2025年) photo©Nathanael Bennett

宇野友明の講演会が、愛知・江南市で開催されます。
愛知建築士会尾北支部の主催で実施されるものです。開催日は、2026年1月31日(要事前申込、先着順)。こちらのフォームから申込可能です。

愛知県を拠点に活動し、その哲学的な建築スタイルで世界的に注目を集める
建築家・宇野友明氏をお迎えし、特別講演会を開催いたします。

宇野 友明(うの ともあき)
1960年 愛知県生まれ 
    神奈川大学工学部建築学科卒
1990年 宇野友明建築事務所設立
2003年 建設業許可を取得
以降、自らのデザインを純粋に職人へ伝えるべく、設計・施工を一貫して行う

洗練された美意識、構造、素材──
それらを分断せずに統合する設計思想。

国内外で高く評価されるその建築は、いまや世界を舞台に展開され、建築の本質を問い続ける哲学的な実践として注目を集めています。

【引用元サイト名】

以下に、より詳しい情報と宇野による近作を掲載します

【ap job更新】 大阪を拠点とし、“楽しい建築を、本気でつくる”を掲げる「アリアナ建築設計事務所」が、設計スタッフ(経験者・既卒)を募集中
【ap job更新】 大阪を拠点とし、“楽しい建築を、本気でつくる”を掲げる「アリアナ建築設計事務所」が、設計スタッフ(経験者・既卒)を募集中
【ap job更新】 大阪を拠点とし、“楽しい建築を、本気でつくる”を掲げる「アリアナ建築設計事務所」が、設計スタッフ(経験者・既卒)を募集中つづき屋根の集合住宅

大阪を拠点とし、“楽しい建築を、本気でつくる”を掲げる「アリアナ建築設計事務所」の、設計スタッフ(経験者・既卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

アリアナ建築設計事務所は、おかげさまで設立から今年で10年を迎えます。

私たちは、クライアント・場所・歴史が求める本質的な形をシンプルに追い求め、それを一つひとつデザインとして街へ還元してきました。
また、常に挑戦する姿勢を忘れず、自分たち自身が「つくること」を楽しみながら、建築を通して子どもたちがワクワクできる未来社会をつくることを目的とした建築設計事務所です。

大阪を拠点に、これまで住居、事業施設、教育、医療、宿泊、店舗、公共建築など、さまざまな用途の建築を、多様なクライアントと共につくってきました。これまでに民間で築いてきた関係性を背景に、案件比率は民間9割、公共1割となっており、個人・法人クライアントからのご依頼が中心です。

現在は、開発規模の企業の新社屋、高級分譲マンション、東京での店舗案件などの継続プロジェクトに加え、新たな案件も複数進行しています。

【アリアナ建築設計事務所について】
大阪市中心部、ガラス張りの路面オフィスを拠点に活動しています。
現在は代表と女性スタッフの2名、そして、信頼できる複数の外部パートナーと協働し、各プロジェクトを進めています。

春は花見、年末は忘年会や食事会を行うなど、所内のみならず外部パートナーや同業他社の仲間や日頃お世話になっている方々と定期的に意見交換をしながら、遊ぶ時はしっかり遊びます。

私たちは物件規模や用途に関わらず、設計者としてどう向き合うかを重視し、「楽しい建築を、本気でつくる」ことを大切にしています。

【ap job更新】 既存ストック活用とエリア再生に特化した「再生建築研究所」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2026年新卒)、バックオフィス職、アルバイト、業務委託を募集中
【ap job更新】 既存ストック活用とエリア再生に特化した「再生建築研究所」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2026年新卒)、バックオフィス職、アルバイト、業務委託を募集中
【ap job更新】 既存ストック活用とエリア再生に特化した「再生建築研究所」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2026年新卒)、バックオフィス職、アルバイト、業務委託を募集中神田錦町オフィスビル再生計画 ©楠瀬友将

既存ストック活用とエリア再生に特化した「再生建築研究所」の、設計スタッフ(経験者・既卒・2026年新卒)、バックオフィス職、アルバイト、業務委託 募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

【急募】中途採用、新卒採用を行います。
現在、複数の大規模プロジェクトが進行しており、経験豊富な人材を募集しています。

───

再生建築研究所は「建築の不可能を可能に」をコンセプトに掲げ、2012年に創業しました。
私たちは、取り壊すしかないと言われた違法建築を多く再生し、新築には生み出すことができない価値を生み出してきました。現在では、行政や企業と連携し、周辺地域を活性化させる「エリア再生」や、既存建物の評価するしくみづくりの構築にも力を入れています。再生建築を文化として根付かせることを目指し、「サイセイ」という新しい価値を一緒に創造できるメンバーを広く募集します。

【「壊して新築する文化」から、残して活かす「再生する文化」を目指して】
欧米の約100年と比べて日本の建築の平均寿命は30年と言われています。これまでの日本では建て替えや開発により、限られた土地に建物が密集し、短いサイクルでの都市更新が主流となってきました。都市の既存ストックは飽和状態にあり、新築型の都市づくりは限界を迎えています。こうした社会に対して、私たちが目指すのは、全てを改修により保存、延命させようとすることではありません。
新築、既存改修問わず、その場所の記憶や文化を読み解き、佇まいやまとう空気を引き継ぎながら、次の100年に繋ぐことを「サイセイ」と定義しています。そしてそれが文化として根付く社会のしくみづくりまで携わりたいと考えています。

【体制】
意匠・品質・再生といった設計実績20年以上の各専門領域スタッフの統括の下、現在は4つのチームがそれぞれ複数のプロジェクトを推進しています。加えて、構造・設備・不動産・金融など様々な領域の顧問も在籍し、建築及びその周辺の領域を横断しながら「サイセイ」を軸にしたもの・ことづくりを追求できる体制づくりを行っています。

榊原節子建築研究所による、大阪市の「光廊の家」。三方を囲まれた細長い敷地に建つ二世帯住宅。多様な体験が可能な住まいを求め、白い抽象的な“光廊”と素材感のある具体的な“生活の場”を行き来する構成を考案。光廊は世帯間や家族の距離感を調整する役割も担う
榊原節子建築研究所による、大阪市の「光廊の家」。三方を囲まれた細長い敷地に建つ二世帯住宅。多様な体験が可能な住まいを求め、白い抽象的な“光廊”と素材感のある具体的な“生活の場”を行き来する構成を考案。光廊は世帯間や家族の距離感を調整する役割も担う外観、南東側の交差点より見る。 photo©小川重雄
榊原節子建築研究所による、大阪市の「光廊の家」。三方を囲まれた細長い敷地に建つ二世帯住宅。多様な体験が可能な住まいを求め、白い抽象的な“光廊”と素材感のある具体的な“生活の場”を行き来する構成を考案。光廊は世帯間や家族の距離感を調整する役割も担う1階、玄関土間から2階への階段側を見る。 photo©小川重雄
榊原節子建築研究所による、大阪市の「光廊の家」。三方を囲まれた細長い敷地に建つ二世帯住宅。多様な体験が可能な住まいを求め、白い抽象的な“光廊”と素材感のある具体的な“生活の場”を行き来する構成を考案。光廊は世帯間や家族の距離感を調整する役割も担う2階、キッチンから「食堂」越しに居間側を見る。 photo©小川重雄

榊原節子建築研究所が設計した、大阪市の「光廊の家」です。
三方を囲まれた細長い敷地に建つ二世帯住宅の計画です。建築家は、多様な体験が可能な住まいを求め、白い抽象的な“光廊”と素材感のある具体的な“生活の場”を行き来する構成を考案しました。また、光廊は世帯間や家族の距離感を調整する役割も担っています。

敷地は、大阪市内の長屋を解体した細長い形状で、三方を建物に囲まれている。住まい手は7人。小さな子供3人がいる若い家族と両親の二世帯住宅である。

建築家によるテキストより

多人数の住まいとしては決して広くなく機能的なスペースも必要ななか、あえて余白となる13の天窓が連続する「光廊」を設けた。降り注ぐ光は、十分すぎるほどの明るさと広がりをもたらすが、それらをより強調するため、白い抽象的な空間に仕上げている。

建築家によるテキストより

一方、「光廊」と壁一枚を隔てた生活の場は、梁や柱、耐力壁といった木構造や石膏ボードの素地仕様など構法や素材をそのまま現し、雑味がある具体的な空間としている。住まい手は、自分の部屋から出たとき、階を移動するとき、抽象的な空間と必然的に出会い、新鮮さを覚え、気持ちの切り替えをする。

ひとつの住戸内で内と外、具体と抽象、日常と非日常といったふたつの空間を行き来することで、多様な体験をすることを試みた。加えて「光廊」は各階を断面的につなぎ、世帯間や家族同士の距離感を調整する役割も担っている。

建築家によるテキストより
高野洋平+森田祥子 / MARU。architectureによる「トンネルをくぐって」。美術館でのグループ展の為に制作。土地を読み解き“相互関係を新たに整える”設計思想を基に、場の“全てを包みこむ背景”を志向。過程を伝える“思考のトンネル”であり“中身を増幅する鈍い鏡”となる作品を考案
高野洋平+森田祥子 / MARU。architectureによる「トンネルをくぐって」。美術館でのグループ展の為に制作。土地を読み解き“相互関係を新たに整える”設計思想を基に、場の“全てを包みこむ背景”を志向。過程を伝える“思考のトンネル”であり“中身を増幅する鈍い鏡”となる作品を考案展示室への出入口から見る。 photo©関拓弥
高野洋平+森田祥子 / MARU。architectureによる「トンネルをくぐって」。美術館でのグループ展の為に制作。土地を読み解き“相互関係を新たに整える”設計思想を基に、場の“全てを包みこむ背景”を志向。過程を伝える“思考のトンネル”であり“中身を増幅する鈍い鏡”となる作品を考案展示室から見る。 photo©関拓弥
高野洋平+森田祥子 / MARU。architectureによる「トンネルをくぐって」。美術館でのグループ展の為に制作。土地を読み解き“相互関係を新たに整える”設計思想を基に、場の“全てを包みこむ背景”を志向。過程を伝える“思考のトンネル”であり“中身を増幅する鈍い鏡”となる作品を考案展示室から見る。 photo©関拓弥
高野洋平+森田祥子 / MARU。architectureによる「トンネルをくぐって」。美術館でのグループ展の為に制作。土地を読み解き“相互関係を新たに整える”設計思想を基に、場の“全てを包みこむ背景”を志向。過程を伝える“思考のトンネル”であり“中身を増幅する鈍い鏡”となる作品を考案展示室から見る。 photo©関拓弥

高野洋平+森田祥子 / MARU。architectureが設計した「トンネルをくぐって」です。
富山県美術館でのグループ展の為に制作されました。建築家は、土地を読み解き“相互関係を新たに整える”設計思想を基に、場の“全てを包みこむ背景”を志向しました。そして、過程を伝える“思考のトンネル”であり“中身を増幅する鈍い鏡”となる作品を考案しました。展覧会の公式ページはこちら。会期は、2026年1月25日まで。

暗い中で手探りをするようにスケッチや模型制作を繰り返しながら、徐々にアイディアが収斂していき、遂にトンネルを抜けた先に実存としての風景と出会う。

富山へ向かうとき、いくつもの長いトンネルを抜けると、ふと日本海が眼前に広がります。背景には美しい立山連峰が延びて、街のどこにいても大きな風景に包まれていることが感じられます。

「DESIGN with FOCUS デザイナーの冒険展」は11組のデザイナーの思考を、作品を通じて発見する試みです。
経歴や思考のプロセスや作品は各々異なるものの、同じ時代に生きている中で、何か関連するテーマを持っていたり、近しい素材を扱っていたり、そこには見えない関係があるようです。

建築家によるテキストより

会場は、さまざまな思考と作品が一堂に会するこの場所で、まだ知らない相互の関係を鈍く映し取りながら、全てを包みこむ背景になろうと考えました。

建築は土地に根ざすものです。そこには歴史があり、風土があり、環境があり、生態系が住まい、コミュニケーションが行われています。土地を深く読み解き、そこに手を重ねることで、相互の関係を新たに整えていくことが、私たちの目指す建築設計の在り方です。

建築家によるテキストより

まだ見ぬ私たちにはどこか共通した時代意識があり、同じ社会の中で課題を共有していること、また富山のまちや風景についても調べ、この場所で展示をする価値に目を凝らしました。そして私たち自身の作品として、この会場を設計するプロセスを軸にした「思考のトンネル」を入口につくったのです。

「思考のトンネル」をくぐると、5組のデザイナーの作品を内包する大きな空間に出逢います。空間は中身を増幅する鈍い鏡に包まれて、作品に囲まれ、またそこに立つあなたも映し取った風景をつくります。そして次には再び5組のデザイナーの暗い思考の中へと潜っていきます。

建築家によるテキストより
山田修爾による、神奈川の「鎌倉・板倉・隅切の家」。変形敷地に建つ設計者の自邸。四隅にある三角の土地を創作の起点とし、壁を張り出し“奴凧”の様な平面形状として光と風を内部に効果的に導く建築を考案。更新や移築などの持続可能性を意図し“板倉構法”で作る
山田修爾による、神奈川の「鎌倉・板倉・隅切の家」。変形敷地に建つ設計者の自邸。四隅にある三角の土地を創作の起点とし、壁を張り出し“奴凧”の様な平面形状として光と風を内部に効果的に導く建築を考案。更新や移築などの持続可能性を意図し“板倉構法”で作る外観、南東側の道路より見る。 photo©長谷川健太 OFP
山田修爾による、神奈川の「鎌倉・板倉・隅切の家」。変形敷地に建つ設計者の自邸。四隅にある三角の土地を創作の起点とし、壁を張り出し“奴凧”の様な平面形状として光と風を内部に効果的に導く建築を考案。更新や移築などの持続可能性を意図し“板倉構法”で作る外観、南東側の道路より見る。 photo©長谷川健太 OFP
山田修爾による、神奈川の「鎌倉・板倉・隅切の家」。変形敷地に建つ設計者の自邸。四隅にある三角の土地を創作の起点とし、壁を張り出し“奴凧”の様な平面形状として光と風を内部に効果的に導く建築を考案。更新や移築などの持続可能性を意図し“板倉構法”で作る1階、玄関から土間1と土間2を見る。 photo©長谷川健太 OFP
山田修爾による、神奈川の「鎌倉・板倉・隅切の家」。変形敷地に建つ設計者の自邸。四隅にある三角の土地を創作の起点とし、壁を張り出し“奴凧”の様な平面形状として光と風を内部に効果的に導く建築を考案。更新や移築などの持続可能性を意図し“板倉構法”で作る2階、主室、キッチン側を見る。(三角障子を開けている状態) photo©長谷川健太 OFP

山田修爾が設計した、神奈川・鎌倉市の「鎌倉・板倉・隅切の家」です。
変形敷地に建つ設計者の自邸の計画です。建築家は、四隅にある三角の土地を創作の起点とし、壁を張り出し“奴凧”の様な平面形状として光と風を内部に効果的に導く建築を考案しました。また、更新や移築などの持続可能性を意図し“板倉構法”で作っています。

鎌倉の緑豊かな小路に面した自邸の計画である。
敷地は変わった形をしていた。将来道路として残された土地で、四隅に三角形の隅切りがあるのだ。一般的にはネガティブなこの条件を創作の起点として設計をスタートさせた。

建築家によるテキストより

小路側の隅切りには大きな壁を設けることで、プライバシーを確保すると同時に小路沿いにリズミカルな景観を創出。
一方、隣地側の隅切りは、東西隣地に隅切り部分を開放するように壁を張り出させることで、両腕を広げた「奴凧」のような形状が現れた。この奴凧の手足と胴体の隙間に開口部を設け、光と風を効果的に室内へ導き入れる。
1階に水廻りと個室空間を集約。2階はワンルーム空間。回遊性のある動線。 以上を平面計画の骨子としている。

建築家によるテキストより

日頃大規模木造や持続可能性等の社会課題と対峙しているが、自邸では根源的でプリミティブであることと、次世代へまるまる、或いは部材レベルでバトンを渡せることを考えていた。
板倉構法は柱に設けた溝に杉板を落とし込むシンプルな構法で、シンプルさ故に更新や移築にも対応できる持続可能性を備えている。加えて手運びサイズの杉板の集積によるこの構法は、車両の進入できない小路沿いの敷地条件にも合致し、採用には時間がかからなかった。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2025/12/29-1/4]
最も注目を集めたトピックス[期間:2025/12/29-1/4]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2025/12/29-1/4)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 2025年にアーキテクチャーフォトで注目された作品トップ10(第12回 ap賞 発表)
  2. 山口誠デザインによる、東京・台東区の、オフィスビル「MONOSPINAL」(竣工前)。ゲーム制作会社の本社。従業員の“集中力”と“リラックス”のバランス確保を目指し、環境要素も向上をさせる“斜壁”を持つ建築を考案。小スケールの素材を集積をさせる仕上げで“あらたな風景”を作る
  3. 今津康夫 / ninkipen!による、京都市の住宅「北大路Δ」。“街の入口”とも言える“三角形の狭小地”での計画。敷地をなぞった三角形の二隅を切り落とし“五角柱”として立ち上げた、角度によって“異なる表情”を見せる建築を考案。残地に施した植栽でも街に彩りを与える
  4. ザハ・ハディド・アーキテクツによる、沖縄の宿泊施設。NOT A HOTELのホテルとして計画。砂浜と森林の間の急斜面の敷地において、日射量を分析して島の伝統的建築も参照した“キャノピー”を特徴とする建築を考案。ローカルアーキテクトとして久米設計が参画
  5. Atelier Tsuyoshi Tane Architectsによる、東京の住宅「Todoroki House in Valley」
  6. 桔川卓也 / NASCAによる、さいたま市の「西浦和幼稚園」。住宅に囲まれた敷地に建つ園の建替計画。感性と思い出に長く刻まれる存在を目指し、子どもの絵を参照して“大胆で抽象的なデザイン”を志向。雲をイメージした屋根と周囲の戸建と調和するリズムを備えた建築を考案
  7. ゲンスラーと竹中工務店による、愛知の「MARUWA 瀬戸工場」。郊外に建つセラミック素材メーカーの新工場。目指すべき企業像の表現も目指し、企業と世界・敷地と地域・伝統と未来を繋ぐ“架け橋”となる存在を志向。水平方向に伸びるテラスと屋根を特徴とする建築を考案
  8. GROUPによる、山梨・北杜市の住宅「道具と広い庭」。自然豊かな環境の“広い庭”のある敷地。居場所作りの為に“手入れ”が必要な状況に着目し、人ではなく“道具”を中心とする建築を志向。同形の5部屋が並ぶ構成として其々に用途の異なる道具の収納場所を用意する
  9. 妹島和世+西沢立衛 / SANAAによる、台湾・台中の「Taichung Green Museumbrary」。広大な公園内の美術館と図書館の複合施設。気軽に関われる“開かれた建築”として、メタルメッシュで覆われた量塊を持上げて地上レベルを開放した建築を考案。二つの用途を組合せて多面的な学びの空間の創出も意図
  10. 2025年にアーキテクチャーフォトで注目された記事トップ100
  11. リナ・ゴットメによる、大阪・関西万博の「バーレーンパビリオン」。“海をつなぐ”をテーマに計画。同国と海の繋がりを伝える施設として、“伝統的な船の製造技術”の参照に加えて“日本の木組の技術”も融合させる建築を考案。持続可能性を考慮して殆どの材料を再利用可能とする
  12. 青木真研究室による、東京・練馬区の「緑の家」。地域の散歩道となっている緑道沿いの敷地。体験への“特徴的なシーンの挿入”を意図し、曲面と平面が混交する“樹木に呼応したような形態”の建築を考案。内部はニッチ空間が立体的に連続した垂直的一室空間とする
  13. 安藤忠雄とアントニー・ゴームリーによる、韓国の「グラウンド」。美術館の庭園地下に埋設されたアートスペース。美術館体験の拡張を求め、7体の彫刻を内包した“パンテオンも想起させる”ドーム状の空間を考案。彫刻・建築・自然と鑑賞者をひとつの瞬間の中で結びつける
  14. ザハ・ハディド・アーキテクツがリードアーキテクトを務める、イタリアの「マルペンサ病院」。自然遺産に恵まれた地域での計画。地域社会の新たな交流の場としても考慮し、人間中心の設計思想を基にリハビリや休息のための様々な緑あふれる空間を備えた建築を考案
  15. 石上純也建築設計事務所による、中国・山東省の「水の美術館」。湖の上の約“1km”の建築。中国の“茫漠とした風景”という前提に対して、環境と建築を近付け“対等な存在”となる設計を志向。湖の端から端まで延びる“新しい陸地”を“水面にそっと触れる”様にしてつくる
  16. MVRDVによる、台湾・嘉義の「ウッデン・ワンダーズ」。かつて木材産業で知られた市の創設記念行事の為に計画。地域の自然林の賞賛と現代木造の可能性の提示を目指し、残存する木造建築の調査から開始。著名な木造遺産を参照した“屋根ライン”を特徴とする建築を考案
  17. 妹島和世と西沢立衛へのインタビュー動画。台湾に完成した美術館と図書館の複合施設について語る内容。現地メディアの制作で2025年12月に公開されたもの(日本語で視聴可能)
  18. 鈴木雅也建築設計事務所による、東京・文京区の住戸改修「小石川の家」。100㎡以上の広さで施工費や採光を課題とした計画。予算と空間の質の均衡を意図し、全体を“簡易・部分・フル”の3区分に分けてリノベーションする計画を考案。平面中央に鏡を“ハの字に”配置して光も届ける
  19. 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
  20. 妹島和世と西沢立衛へのインタビュー動画。自身が手掛けた「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」展の会場構成について語る内容。2025年11月に公開されたもの

建築史家の松隈洋と社会経済学者の松原隆一郎が講師を務めた「前川國男生誕120年記念講演会」の動画。2025年12月に公開されたもの 妹島和世と西沢立衛へのインタビュー動画。自身が手掛けた「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」展の会場構成について語る内容。2025年11月に公開されたもの

妹島和世と西沢立衛へのインタビュー動画です。自身が手掛けた「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」展の会場構成について語る内容。2025年11月に公開されたもの。アーキテクチャーフォトでは、この会場構成を特集記事として掲載しています。また、編集長によるレポート記事も掲載しています。

Subscribe and Follow

公式アカウントをフォローして、
見逃せない建築情報を受け取ろう。

「建築と社会の関係を視覚化する」メディア、アーキテクチャーフォトの公式アカウントです。
様々な切り口による複眼的視点で建築に関する情報を最速でお届けします。

  • 情報募集建築・デザイン・アートの情報を随時募集しています。
  • メールマガジン メールマガジンで最新の情報を配信しています。