野中あつみ+三谷裕樹 / ナノメートルアーキテクチャーによる、愛知の別荘の改修「海辺の別荘 野間の改構」です。
海辺の別荘改修計画である。敷地は条例で建築不可地域となり、確認申請が不要な計画を進めた。強い海風で砂が舞い、窓から室内に砂が吹き込む厳しい条件である。
海に面する物置小屋が庭への防砂壁となり、隙間を埋める補修が繰り返されていたが、それが海への眺望を遮っていった。海への眺望の再獲得、居間であった元土間を庭と一体的に利用できる場所への改修が望まれた。砂問題解決として、外壁・窓・倉庫を一体に囲む防砂壁で覆った風除室ならぬ砂除室を作り、砂による傷も目立ちにくいフロストタイプのポリカーボネート波板により眺望と機能性を獲得した。そして居間は砂除室と残りの室内に挟まれた土間室へと改め、ピロティに砂除室が差し込まれたように見える、外が通り抜ける部屋とした。
雑多な2階リビングは一本線を引いて整えた。建築も使い勝手も構えを改める「改構」という手法によりこれらの案に辿り着いた。