


小山光+KEY OPERATIONの設計監修による、東京・世田谷区の「No.R下北沢」です。
“商業地域の重要な焦点”となる場に建つ複合ビルのプロジェクトです。建築家は、街の特徴である“細い通り”に着目し、通りが建築内部に立体的に伸びるように通路やテラスを設ける構成を考案しました。また、軒天の木材仕上げで“温かな雰囲気”も生み出しています。施設の場所はこちら(Google Map)。
下北沢の神岡寺川(現在の茶沢通り)とだいだらぼっち川の合流点近くの五叉路に位置する商業とオフィスの複合ビル。
「シモキタ」は、ヴィンテージ衣料品店、セレクトブックストア、音楽ショップ、ライブハウス、小劇場で有名で、個性的なカフェやバーも多い。のんびりとしたボヘミアンな雰囲気は、第二次世界大戦中に爆撃を受けなかったため、そのままの形を保っている迷路のような細い通りに由来しており、この五叉路は商業地域の重要な焦点となっている。
地上4階、地下1階のこのビルは、メインストリートに面する側は高いファサードを持つが1階は世田谷区の住環境整備条例により2mのセットバックが求められ、狭い通り側は世田谷区の地区計画および日影規制の影響によりファサードが雛壇上にセットバックしている。
地下1階はスポーツジム、1階と2階は店舗で、3階と4階はオフィス用途に設定されているが、ヘアサロンやクリニック等に変更することもできる。五叉路の交差点は地下1階、1階、2階にアクセスできる施設内の交差点にもなっており、正面は1階のメインテナント区画へのエントランス、地下1階のドライエリアに降りる階段、2階の共用通路に上る階段がある。
2階は2区画に分割することが可能で、1階から上がれるテラス状の共用通路が建物の奥に向かっており、建物のコーナーの交差点から各階に伸びる通路はさながら下北沢の細い通りが立体的に建物内に伸びているように計画されている。この通路の軒天井は温かみのある雰囲気を醸し出すために木材で仕上げた。
オフィススペースとして計画されている3階と4階は側道側にあるコモンエントランスからエレベーターでアプローチするように計画されており、地下には駐輪場もあるため、学習塾の営業も可能となっている。側面通りのファサードがセットバックすることでできたテラスはオフィスを使用する人々の憩いの場となる。
この建物の中に張り巡らされたテラスや通路は、細い通りによって作られている下北沢の街中の小さな居場所をこの建物の中にも取り込んで拡張させている。








