



山田貴宏 / ビオフォルム環境デザイン室が設計した、東京・世田谷区の「三年鳴かず飛ばずプロジェクト 長屋棟『巡る』」です。
場所が持つ“人々が集う記憶”を未来につなぐプロジェクトの一環として建てられました。子育て世代が暮らす為の建築として、コモン的な空間を備えた“長屋形式の賃貸シェアハウス”が計画されました。また、交流の場から外への“賑わい”の表出も意図しています。
東京都世田谷区大蔵地区。仙川と野川に挟まれ国分寺崖線の緑地帯が広がる場所に、新しい暮らしのヒントになるような場所づくりが進んでいます。
かつてこの場所は、大家さんのご実家、及び賃貸アパートと畑があり、野菜販売をしたり正月祝いをしたりとまちの人が集う場所でした。都市計画道路施設により土地が二つに分断され実家を解体することになったことをきっかけに、この場所が持っている“人が集う記憶”を未来につなぐ場として、「三年鳴かず飛ばず」プロジェクトがスタートしました。
2023年夏に、住宅とコミュニティスペースからなる「マザーハウス」と、小屋型賃貸住宅が竣工、2025年夏には、二分された対面の敷地に長屋棟「巡る」が竣工しました。
長屋棟「巡る」は、子育て世代が暮らしの一部をシェアしながら、ほどよいつながりを育める場として構想された長屋形式の賃貸シェアハウスです。対面の敷地にあるマザーハウスと連携し、子どもたちが心豊かに成⾧できる場所づくりを大事なテーマとしています。
1層目(地下1階)は、大家さんのセカンドハウス兼、賃貸の住人も使えるコモン的な空間。道路に面して大きく開き、まちに賑わいが溢れ出すことを意図しました。大家さんの実家として、また住民同士の交流を深める場として機能します。
2・3層目(1・2階)は、メゾネット形式の3世帯用の賃貸住宅。各住戸は玄関が分かれているものの各戸が大きなバルコニーでつながり、距離感を保ちつつも互いの気配を感じられるように工夫しています。大きく開けた窓は、南北の景色をつなぎ意識を外へ誘います。












