フォスター+パートナーズが設計した、中国・深センの高層ビル「DJI Sky City」をドローンで撮影した動画です。
ドローン等を手掛ける企業の社屋です。建築家は、“国境のない革新”という理念の成型を目指し、メガトラスで支えられた無柱の“途切れのない”執務空間を考案しました。また、地上レベルは開放され公共施設も設置されています。
以下に、竣工写真も掲載します。
フォスター+パートナーズが設計した、中国・深センの高層ビル「DJI Sky City」をドローンで撮影した動画です。
ドローン等を手掛ける企業の社屋です。建築家は、“国境のない革新”という理念の成型を目指し、メガトラスで支えられた無柱の“途切れのない”執務空間を考案しました。また、地上レベルは開放され公共施設も設置されています。
以下に、竣工写真も掲載します。
フォスター+パートナーズが設計した、中国・深センの高層ビル「DJI Sky City」です。
ドローン等を手掛ける企業の社屋です。建築家は、“国境のない革新”という理念の成型を目指し、メガトラスで支えられた無柱の“途切れのない”執務空間を考案しました。また、地上レベルは開放され公共施設も設置されています。施主企業の公式サイトはこちら。
このタワーは会社の急成長に伴い、深センのいくつかのビルに分散していたDJIの従業員を統合し、「国境のない革新」を物理的に形にするという目的の建造物を目指しています。高さ200mのDJI Sky Cityは、DJIが飛行技術のスタートアップからグローバルなイノベーションリーダーへと成長したことを象徴しています。
DJIのオフィス、研究、開発エリアは、タワー全体で中央から大型のメガトラスで片持ち式に配置されており、遠目には建物が宙に浮いているかのような印象を与えます。この規模の高層ビルで初めて採用された非対称の吊り下げ式鉄骨構造は、柱を必要としない革新的な構造で、建築的に「国境なきイノベーション」を表現する、途切れのないワーキングスペースを実現しています。
105メートルの高さを持つこのタワーは長さ90メートルの吊り橋で結ばれており、この軽量な鉄骨吊り橋が2つのタワーをエレガントに結びつけています。この橋は、DJIのすべての部門が共通の目標に到達するためにどのようにつながっているかを示すシンボルとして機能しています。
地上階は建物の底部と周囲の土地緑地の調和を施し、高低差のあるポディウムガーデンは一般にも開放しています。また、1階には地域医療センターなどの公共施設も設置され、開放的で心地良く、都市のコンテクストを尊重し、地域社会に貢献するDJIの意思表示ともなっています。
髙橋真未建築都市設計事務所と奥山浩文が設計した、東京・世田谷区の二世帯住宅「光庭の長屋」です。
閑静な住宅街に計画されました。建築家は、北向き敷地でも“自然が感じられる”建築を求め、外部との距離感をつくり光と風を取り込む“スリット状の庭”を考案しました。また、“防火上必要な技術基準”に適合させ“木質空間”も作る事も意図されました。
東京都世田谷の閑静な住宅街に光庭を持つ、母と娘家族のための木造3階建の二世帯住宅である。
娘家族には二人のこどもがおり、普段から母の家に行き来し、近所に住む姉家族と共に母の家にみんなで集まる仲睦まじい家族だった。母は一人で暮らしていたが、娘家族が一緒に暮らしたいと伝えたことがきっかけに母が住む家を建て替えて三世代が暮らす家をつくることになった。
敷地は、世田谷区の大通りに沿って建ち並ぶ商業系用途地域の中高層ビル群の内側にあり、第1種低層住居専用地域となっている。
街区の北側に位置し、周辺の住宅が密接している環境である。都心では高密度に住宅が建っているため南向きではない居住環境は多い。北を向きながらも光や風などの自然が感じられる建築ボリュームのあり方を検討した。
そこで接道する北側に光と風を導くように奥に深い奥行5mあるスリット状の庭を設けた。
環境シミュレーションを行いながら光庭の幅と奥行きの検討を重ねた。許容建蔽率60%の余剰をそこに集約させ、建物を分節することで南側から光が降り注ぐ明るい家をつくる。その庭を巡るようにそれぞれの住居を配置し、2階へのアクセスは必ずその庭を通るようにする。
庭に面して大きな窓をつくり、庭にはモミジを植えて木々越しにお互いの気配が感じられる住まいとした。その庭を「光庭」と呼んだ。光庭は道路からも適度な距離感をもたらし、南北に風が通り抜ける快適な住環境を両立した。
地域の文化と素材、数寄屋をテーマに活動する「Fumihiko Sano Studio」の、業務拡大に伴う、設計デザイン・経理・マネジメントのスタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
Fumihiko Sano Studioでは、追加で、設計デザイン、経理、マネジメントを募集します。
弊社ではプロジェクトごとに作るコンセプトを中心に地域や自然の素材、一点ものの材料と向き合いながらものづくりをしていきます。
入社後は最初から作図作業だけでなくコンセプトやデザインプロセスにも関わっていただきながら、ものづくりとの距離の近い仕事をしていただきます。
ものづくりやアート、グラフィックデザインなど、建築だけでない仕事への興味や趣味を持った方からの応募をお待ちしています。
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Fumihiko Sano Studioは佐野文彦が代表を務める建築設計、インテリア、プロダクト、インスタレーション、アートワークを手掛ける事務所です。
佐野の持つ数寄屋大工というバックグラウンドを活かし、日本文化や茶の湯、木材や金属、石、左官、紙、布、ガラスなどの様々な素材や技術を使い、伝統的なだけではなく新しく現代の姿へアップデートすることを目指し活動しています。国内外でEDIDA 2014 ELLE DECOR Young Japanese Design Talent、2016年度文化庁文化交流使、FRAME AWARD Emerging Designer of the Year2022、IF DESIGN AWARD、GOOD DESIGN AWARD等の賞を受賞しています。
建築設計のみならす、プロダクトやイベント、インスタレーション、作品の製作など、様々なジャンルのものを扱います。一緒にアイデアやコンセプトから考えプロジェクトを形にしていくことができます。
また、事務所の将来の右腕、左腕として、与えられるだけではなくこれからの事務所を一緒に作り上げていけるマインドの方を募集します。
現在、国内外で宿泊施設や飲食店、商業施設、蒸溜所、ギャラリー、展覧会、住宅、プロダクト、現代美術作品、インスタレーションなど、建築や空間デザインから美術作品の製作まで様々なプロジェクトが進行しています。
建築だけではない様々なプロジェクトを横断的に関わっていただきながら一緒に物作りをして行けたらと考えています。
皆さんのご応募をお待ちしています。
榊原節子建築研究所が設計した、大阪・堺市の、店舗併用住宅「北野田のサロン住居」です。
通行量の多い交差点に計画されました。建築家は、異なる用途の“求められる性質”の違いに応える為、店舗部分は敷地全体を活用して住居部分は街から距離を取る構成を考案しました。そして、“開く”と“守る”が共存する建築を作る事が意図されました。
大阪・堺市北部の鉄道駅から徒歩5分、駅前の商業エリアから住宅街へと移り変わる場所に建つ、店舗併用住宅である。
人や自転車の往来、車の交通量ともに多い交差点に面し、通りからよく見える立地である。
この視認性の良さを生かし、1階の美容室は人目を引くように敷地全体に建物を配置する一方で、2,3階の住居部分は街から一定の距離を保つようにセットバックする構成とした。店舗と住居では求められる性質が異なることから、1階は開放的なつくりが実現できる壁式鉄筋コンクリート造、上階の住居部分は適切に部屋を仕切り、温かみが感じられる木造による混構造としている。
美容室は、店内の空気感が街ゆく人々に伝わり、立ち寄りやすい雰囲気となるよう、二つの道路に面した角部を切り取り開口部を設けている。また、セットバックにより生まれた2階のスラブ部分に天窓を設けて光や空の色を取り込み、屋外にいるような感覚を生み出している。一方、道路と反対にある東側は開口部をなくし、落ち着いた場とすることで、店内の気配にバリエーションを与えることを意図した。加えて内外ともコンクリート打放しのままとし、鏡などの什器もできるだけ存在感を抑えた華奢な仕様とすることで、刻々と変化する光や陰影が鮮明に映し出される空間をめざした。
施主の信頼を受け、“チーム”で幅広い仕事に取り組むKENZO設計 株式会社の、設計スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒・2024年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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「クライアント様の想い」+「KENZO設計の創造力」
これまで様々なクライアント様の信頼を受けて、別荘、店舗、ホテル、商業施設、店舗、注文住宅等、幅広い分野のプロジェクトを執り行っています。
入社後すぐにプロジェクトのメンバーとして、構想から設計・監理、内装デザイン、サインに至るまでさまざまな業務に携わって頂けます(※現在別荘案件急増中につき計画の初期段階からプロジェクトに携われます)。
プロジェクト毎に「チーム」で仕事をしていきますので、得意分野や能力に応じて協力して進めていきます。
建築とインテリアをよりボーダレスにデザインできる環境です。
デザインが好き!という方のご応募をお待ちしております!
彦根アンドレア / 彦根建築設計事務所が設計した、神奈川の住宅「365°」です。
海と山を望む高台の敷地に設計されました。建築家は、周囲の景色を取り込みつつ強風に対策する為、中庭を囲む様に諸室を配置した“円形”の平面構成を考案しました。また、詳細な設備計画や自然エネルギーの活用等で“自立した生活”環境の構築も意図されました。
「365°」という建物の名前とコンセプトは、コロナ禍前とまったく違う意味を持ち始めた生活様式からインスピレーションを受けている。
多くの人が自宅で仕事をしながら、家族と一緒に過ごし、必要に応じて距離を保つことを望まれるようになった。同時に、「小さな丘の頂上にあり、360度美しい自然に囲まれたこの素晴らしい土地で、365日、この家族が毎日幸せで充実した日々を楽しむことが出来るように」という願いを込めて、円形のデザインと、コンセプトを掛け合わせたこの名前を名付けた。
敷地は高台にあり、西南方向に海と富士山を望むことができるため、西側に大きな開口部を設けることから計画をたてた。
一方で、海から吹き上げる強い風が吹く場所でもあるため、日を遮るための庇をつけることができなかった。そこで、強い風や日差しから守られる場所として中庭を計画し、その中庭を囲むように部屋を配置する構成とした。
この構成によって、風向きに合わせて外周と中庭に面する窓を開けることができ、また、屋外/屋内/中庭のどこで過ごすかを考え、選択することができる。自然環境は美しい一方で厳しくもあることを認識し、この土地でいかに生活するかということを考えた住宅である。
この住宅は屋外にいるような気分になるデザインがポイントだ。屋外に身を置くことで、心が落ち着き、安らぎを感じ、日常のストレスや精神的疲労を和らげることができ、そしてゆっくり過ごすことへのきっかけを与えてくれる。
風景を取り込むための形態=円形であるとともに、生活という終わりのない活動に寄り添う形でもある。中庭は空を切り取り、部屋から他の部屋へ、空間から空間へ、別の活動へと循環するシーンを映し出す。
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONが設計した、東京・板橋区の住宅「DANCE FLOOR」です。
袋小路奥の旗竿地に計画されました。建築家は、建築要素の在り方を前提に立ち返って考慮し、躯体や付属物に規模や役割を越えて装飾性を見出す設計を志向しました。そして、小さな動作が次々に展開する“心地よい状況”を作り出しました。
敷地は袋小路の一番奥にある旗竿地。
大きな土地が10戸に分割されたうちのひとつで、その中では最も市場価値が低い土地。それと関係なくこの場所に魅力を感じたのは、隣接する屋敷の庭の木々に囲われていたこと。つまり、街と敷地をつなぐ長い袋小路を通り、旗竿地を抜けた先に、緑が広がっている。都市のからくりの中で偶然できた構成の中に、この場所の可能性を見た。
既成の形式でもかたちの先に潜むパラメータの深度を深めていくことができれば、まだまだ新たな解釈や表現の幅は広がっているはずだ。部分の集積は必ずしも全体と結び付く必要はない。
スキップフロアのひとつながりの形式は俯瞰してみえるようで気分がよいが、当然住宅はそれだけでは成立せず、不完全な全体を、階段や踊り場、家具、建具といった付属物が補完していく。そのひとつひとつの、在り方を疑ってみる。
例えば階段は、マッスな木階段と、華奢な鉄骨階段とに分かれている。木階段は腰掛ける家具にまで発展し、鉄骨階段は派手に空間を彩る。
付属物は、鉄や木など素材の違いによる塗装の種類に加えて、例えば鉄の錆止め塗装を赤と灰で塗分けるなどパラメータを増やしていく。
さらに既製品の塩ビタイルやガラスサッシが持つ透過や反射といった現象と関係を取るように、塗装の艶を選び、室内の表層を調停していく。構造現しの壁は、塗装によって施主私物のダイニングテーブルと色を揃えた。
一面のみが身体スケールの材に分解されたことで、躯体の一部である壁がオブジェクトの一つとして振る舞っている。
富永大毅+藤間弥恵 / TATTAが設計した、東京の「路地テラスの家」です。
路地奥の旗竿地に建つ再建築不可の木造の修繕です。建築家は、“竿”部分を歩く際の“唯一無二”の体験を取り込む為、母屋の一部を減築した“路地テラス”を考案しました。そして、素材等も連続させて南側の“縁側テラス”へと導く事も意図されました。
東京の細長い路地の奥、再建築不可の旗竿敷地に建つ、小さな木造平屋の過半未満の修繕である。
隣には母屋があり、路地に他にも住宅が接しているため旗竿部分は専有地でありながら見捨てられている。しかしこの路地を歩いて家に帰ってくる体験も唯一無二のもの。
そこで母屋との間に平屋を一部減築するような形で、この路地を貫通させた半外部の“路地テラス”をつくり、左官の外壁も中へと連続させることで、路地の体験と南北に抜ける卓越風を家の中に取り込むようにした。
切妻屋根は南半分の天井を撤去して丸太梁を表しにしつつ、野地板を30mm厚の八溝杉の厚板に変えることで準防火地域の延焼ラインでも表しにして建蔽率内の軒を伸ばした。これにより北側のアプローチが“路地テラス”を介して南東角のキッチンを中心にU字状に南の“縁側テラス”に抜ける。
また構造補強に垂木材を束ねた壁を使用しており、土間から雁行して配置することで、構造的なバランスを確保しながら、奥に導くような構成をつくった。
レム・コールハース / OMAの会場構成による、イタリアのプラダ財団での展覧会「リサイクリング・ビューティー」です。
中世からバロック時代での古代遺産の再利用に注目した企画です。建築家は、アクリル製台座やオフィスチェアを用いた実験的な展示形式で、作品の詳細な観察を促進する事を意図しました。そして、断片化・再利用・解釈の重要性を伝えます。アクリル素材等は、展示テーマに合わせ2015年に行われた「Serial Classic」展の材料を再利用しているとの事。展示の公式ページはこちら。
こちらは展覧会概要の翻訳です
「リサイクリング・ビューティー」は、中世からバロック時代にかけてのポスト・アンティークの文脈におけるギリシャ・ローマの古美術品の再利用に特化した、前例のない研究です。展覧会のキュレーションはサルバトーレ・セッティスとアンナ・アンギッソラ、デニス・ラ・モニカ、デザインはレム・コールハース / OMAが担当しています。
この研究の大前提は、古典を単に過去の遺産としてではなく、私たちの現在と未来に影響を与える力を持つ重要な要素として考える必要があることです。
革新的な解釈のアプローチと実験的な展示形式により、古代遺産、特にグレコローマン遺産は、セティスの言葉によれば「現代世界の多様な文化にアクセスするための鍵となっているのです」
文化的な関連性が高く、広く普及しているにもかかわらず、古代の材料の再利用について深く研究されるようになったのは、ごく最近のことです。ここ数年、この現象の本質的な側面に注目が集まっています。それは、再利用された古代の要素と、その起源から遠く離れたポスト・アンティークの文脈との間の視覚的・概念的相互作用です。「リサイクル・ビューティー 」は、古美術品が廃墟の中で放置された状態から、再利用されることによってその価値が再活性化される境界に注目することを目的としているのです。
レム・コールハース / OMAが、ジュリオ・マルゲリとともに構想した展示デザインは、財団の2つの建物(ポディウムとチステルナ)に、歴史の分析、発見、そして想像のプロセスとして開催されます。ポディウムでは、アクリル製の低めの台座が展示作品のアンサンブルを感じさせ、キュービクル状の構造では、オフィスチェアが置かれ、より詳細な観察を促します。チステルナでは、来館者は徐々に展示品に出会います。バルコニーの高さから、既存の部屋の中に作られた部屋の限られた視野まで、異なる視点での観察を可能にする空間が連続しています。チステルナの2つの部屋は、古代ローマ後期彫刻の最も重要な作品の一つであるコンスタンティヌスの巨像(紀元4世紀)に捧げられる予定です。普段はローマのコンセルバトーリ宮殿の中庭に展示されている二つの大理石の破片、右手と右足が、巨像の実物大の復元品と一緒に展示されます。これは、この像が、おそらくジュピター像であろう、初期の教団の像に手を加えたものであることを示す、これまでにない試みです。このプロジェクトは、カピトリーニ美術館、プラダ財団、ファクタム財団の協力のもと、カピトリーニ文化遺産管理官であるクラウディオ・パリジ・プレシッチェの指揮のもと、科学的な監修を受けて行われたものです。
日本の現代建築家を特集した、スイス建築博物館(S AM)での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」です。
博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加しました。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目して企画されました。また、会場構成は関祐介が担当しました。展覧会の公式ページはこちら。
出展建築家は、403architecture [dajiba]、CHAr、ドットアーキテクツ、GROUP、岩元真明 / ICADA、Ishimura + Neichi / 石村大輔+根市拓、佐藤研吾、ランチ!アーキテクツ、村山徹+加藤亜矢子 / ムトカ建築事務所、吉村真基建築計画事務所、川島範久建築設計事務所、能作文徳建築設計事務所、ノウサクジュンペイアーキテクツ、高木俊 / ルートエー、板坂留五 / RUI Architects、SSK、スタジオグロス、河合啓吾 / TAB、金野千恵 / t e c o、トミトアーキテクチャ、ツバメアーキテクツ、常山未央、魚谷繁礼建築研究所、VUILD、山田紗子建築設計事務所です。
「Make Do With Now」展では、現在日本で活躍する新世代の建築家・都市計画家の思考やプロジェクトを紹介します。
1970年代半ばから1990年代半ばに生まれた建築家たちの多くは、2011年の東日本大震災・福島第一原子発電所事故以降に独立して活動し始めました。
この世代は、人口減少、高齢化、地方の過疎化、全国的な空き家の増加、営利目的の建築家不在の都市開発、経済不況、そして言うまでもなく地球温暖化の問題など、この国が現在直面している様々な喫緊の課題に取り組まなければならない立場にあります。しかし、この世代の建築家の多くは、諦観に陥ることなく、これらの課題に真正面から取り組むことを選択しています。彼・彼女らは、自らが置かれた厳しい立場を強みに変え、限られた資源、身近な材料、既存の空間を利用して創造的に「やりくり」する、クリティカルで環境や社会に配慮した様々な実践を展開しています。
建物の改変、素材の再利用、参加型デザイン、ソーシャルデザインなど、日本で特に積極的に行われてきた取り組みは、スイスやヨーロッパの建築でも徐々に主流になりつつあります。その意味で、このような日本での展開は、グローバルな議論に大いに貢献するものです。彼・彼女らは、「やりくりする」ことは決して不足を意味するのではないということを実証しています。彼・彼女らはむしろ、今あるものがすでに十分過ぎるほど豊かであると認識した時、その先に創造的な繁栄がもたらされるのだということを、私たちに気づかせてくれるのです。
ザハ・ハディド・アーキテクツが設計している、シンガポールの新科学センターです。
全ての国民がアクセス可能な教育と体験の施設です。建築家は、5つのヴォリュームが公園の上に浮遊する外観を特徴とする、科学への好奇心と革新性を与える為の建築を考案しました。そして、内外に様々な学習の為の空間が備えられています。2027年の開館を目指すとの事です。
こちらはリリーステキストの翻訳
シンガポールの新科学センターのデザインが発表
シンガポールの科学センター委員会は、全てのシンガポール国民がアクセスできる、科学、技術、工学、数学(STEM)の教育や体験ができるユニークな施設やプログラムを提供する新しい科学センターの設計を発表しました。新科学センターは、1977年の設立以来、若い世代の子どもたちに好奇心と革新性を与えるという機関の使命を引き継ぎ、新しい場所と施設を活用して、シンガポールのあらゆる世代の人々が生活における科学技術の重要性に触れ、それを理解できるよう、アウトリーチを拡大する計画です。
シンガポールのジュロン湖庭園の自然景観からヒントを得て、新しい科学センターは、将来を見据え、訪問者が周囲の庭園や湖と触れ合う機会を最大化するものです。ザハ・ハディド・アーキテクツ(ZHA)がアーキテクツ61とコラボレーションして設計したこのセンターは、5つの直方体が連なった構造になっており、展示ギャラリー、インタラクティブラボ、イベントスペースに加えて、来場者のための付帯施設、管理事務所、アーカイブ、サービスエリアが設置されています。
湖を戦略的に見渡す「単眼鏡」の役割を果たす大きな窓が組み込まれた新科学センターの5つのボリュームは、それぞれセンターの屋内と屋外スペースの関係を強化するようユニークに方向づけられます。周囲の公園から浮いているように見えるこのデザインは、隣接するMRT駅から中国庭園内のパゴダへと続く一連の中庭と庭園を定義しています。学習スペースの為の多様な屋内、屋外、屋上とともに、新科学センターは、科学と自然に出会うエキサイティングな訪問地となり、地域社会のイベントにも多くの機会を提供することでしょう。
新科学センターには、既存のギャラリーの2倍以上の広さのチルドレンズ・ギャラリーがあり、特有のインタラクティブな屋外水遊びエリア、二次林での発見コース、屋上庭園でのセンサリー・トレイルが含まれる予定です。高学年の生徒、科学概念の実践学習ができる専門のラボやワークショップへの参加を期待する事ができます。例えば、新しいエコラボは、生徒の科学的な調査をサポートします。エコガーデンから直接採取したサンプルを分析し、学校や自宅で学習用デバイスを使って、IoT(Internet of Things)機器によりサンプルを収集したデータをモニターし続けることができ、学習体験を見学の域を超えたものにすることができます。このセンターでは、プログラムや展示を通じて、垂直農法など持続可能な社会の実現に向けた教育を行っています。
新科学センターには、天文学者の卵たちが宇宙について学ぶための天文台、起業家精神を育むインキュベータープログラムのあるデジタルファブリケーションラボ、若い発明家たちが想像力を発揮するためのメイカースペースなどが設置される予定です。新しい屋外アクティビティ・プラザはセンターの焦点となり、STEMプログラムやコミュニティ活動を提供する予定です。
塚越智之+宮下淳平 / 塚越宮下設計が設計した、東京の「アパートメントS」です。
都内の小規模な集合住宅の計画です。建築家は、各階住戸の環境を向上させる為に、其々のスラブを折曲げて採光と通風の偏りを調整しました。切実さが生んだ個性的な空間が“集まって暮らすことの豊かさ”を表します。
都内に建つ小さな集合住宅の計画。
コロナ以降、人が集まり空間を共有することに不安や後ろめたさが付き纏う様になった。そうしたなか、見ず知らずの者が同じ建物に住うことにどの様な価値を見いだせるだろうか。
約80m2の敷地に3つのフラットと駐車場が納まるボリュームを検討すると地下1階、地上2階の建物となり下階ほど採光と通風が悪くなる。そこで下の階の天井を折曲げ偏りを和らげることにした。
集合住宅・オフィス・駅ビル等を得意とする「UG都市建築」の、設計スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
UG都市建築が、建築設計のスタッフ・幹部候補生募集中。新卒・既卒・経験者優遇・デザイナー歓迎
・UGは「新しい風をふきこむ」ことにチャレンジして来ました。常にまちや環境を構成する新しい概念の建築を創出していきます。
・UGはひたすらまちや環境と調和する美しい建築を実現してきました。大規模から小規模まで様々なスケールのプロジェクトにおいて持前のデザイン力を発揮していきます。
・UGはハードからソフトまで様々なアイデアを駆使して新しい建築をつくり上げてきました。社内の都市計画家・再開発プランナーなどの多彩な専門家たちとのコラボによって、新しいタイプの建築をつくり出していきます。
多田正治アトリエが設計した、和歌山・新宮市の、コミュニティ空間「おいしいパーク」です。
コロナ禍を契機に畑を公共的に開く計画。建築家は、集まり交流する為の空間を求め、“やってみたい事”や“路地からの見え方”等を重ね合わせ“立体的なベンチ”を考案。既存の場を“小さな装置”でアップデートする事も意図されました。
熊野・新宮の小さな畑を私設のパブリックスペース(公園、図書室のような空間)として開いていくプロジェクト。
人が訪れ、集まり、滞在し、本を読んだり、交流したりする場所とするにはどうしたらよいか、スタディが重ねられた。
敷地のなかの夏場の日差しと日陰の位置の変化を調べ、「おいしいパーク」でやってみたいことをマッピングし、小学校や路地からの見え方を検討した。それらを重ね合わせた結果、敷地の西端に流れるような造形(それは熊野の川や滝や山を想起させる)の長ーい立体的なベンチをつくることとした。
「おいしいパーク」が、おいしい食べ物が収穫できるのはもちろん、実り多い体験、出会い、コミュニティをこの地域に提供できることを期待している。
このプロジェクトは、いわゆる建造物でもなく、単なる家具でもない。既存の場所を小さな装置によってアップデートすることを目指している。場所の意味や機能をすべて書き換えてしまうのではなく、少しだけ良くすることを目指す建築のあり方を考えている。
アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2022/11/28-12/4)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。
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