



今西伴仁 / Atelier tomatoが設計した、高知・四万十市の「WANLIFE DOG VILLAGE」です。
田園の中のペットの複合施設の計画です。建築家は、風景を増幅して見せる“介入”を目指し、地域の海や山並みを地盤の起伏等で再現したドッグランを構築しました。また、建築を諸機能ごとに分散させて場所と動物のスケールに馴染ませる事も意図されました。施設の公式サイトはこちら。
高知県四万十市郊外に建つペットの複合施設である。
住宅は点在するものの、周辺には美しい田園風景が広がり、南に抜ける田園からは遠く山並みも臨むことができる。ドッグラン、ドッグカフェ、ドッグプール、ペットホテル、トリミング室、ペットフード製造所、オーナー住居、オーナーのペット犬舎、多様なプログラムが求められた。ここで考えたのは施設とドッグランの繋がり、ドッグランと周辺環境との繋がり、大きくはこの地に施設が介入することで見えてくるこの地の増幅された風景、そして地域との繋がりの創出である。
まず、求められた多岐にわたる各機能を独立、バラバラにし、この地のスケール感や動物の持つスケール感に近づけていくことを軸に検討を重ねた。2階に住居スペースをまとめ、1階は施設の公的機能を分散させ南に開けた遠景の山並みを取り込むように配置し、ドッグウォークで繋げている。
オーナーが高知で魅了された遠浅の海や豊かな山並みの風景をドッグプールや地盤の起伏に再現しドッグランに散りばめ、ドッグフェンスは盛土敷地の法尻にそのまま設置することでその存在が消え、ドッグランの起伏と遠景の山並みが重なった。
建設残土で作った最も高い起伏はGL+2,600まで隆起させドッグウォークを掛け渡し2階住居に直接繋げ、2階からのペット動線を確保し、職住の関係を自由に行き来するオーナーの生活スタイルも同時に許容させた。各棟はボックス形態で独立性を高めながら壁面傾斜を与えることで、内部では外へと視線を誘い、外部ではドッグラン起伏による地盤の動きと呼応しあう環境要素として機能している。
















