



畠山鉄生+吉野太基+アーキペラゴアーキテクツスタジオが設計した、熊本・八代市の店舗兼住宅「閉合の家」です。
田園と住宅地の境界にあり高架線を望む敷地に計画されました。建築家は、風景に“向き合う”在り方を追求し、高架の軸線と呼応して知覚心理にも働きかけるテラス空間を持つ建築を考案しました。そして、身体から土木までが一つに繋がる場を作る事が意図されました。
干拓されてできた平野に建つ、夫婦と子供のための店舗併用住宅である。
周辺は山の裾野に沿って格子状に区画整備され、敷地は農業振興地域に属した田園と住宅地の境界に位置している。その一方で、周囲の区画とは異なる斜めの軸線をつくっている高さ9mの新幹線の高架が周囲から浮いた存在として遥か彼方まで伸びていた。
人の手によって作り出されたこの広大な平野はその大半が二毛作が行われており、初夏は水田による水面が空や夕焼けを辺り一面に映し出し、苗が植えられてからは青々とした柔らかな面が持ちあがり、秋にかけて徐々に黄金色に染まっていく。
冬から春にかけては野菜を育てるため、刈り取られた稲に覆われた銀色の地面が、濃い土の色に耕され、やがて深緑色の大地として生まれ変わる。かつて盛んであったイグサの耕作によってつくられていた風景が今では見られなくなったように、この平野は時代や産業の移り変わり、新幹線の高架によってもまたその表情を変えていく。
そういった風景に、建築はどう向き合うことができるだろうか。
田園側に天井高1.9mに抑えられた長辺14.5mの水平に広がるリビングを計画した。
その床と、そこから見えるテラスの目地を、高架の斜めの軸線に向きを合わせている。干拓平野の風景に異物として存在する高架を受け入れる態度は、高架の形状を活かし、巨大な塀として見立てることによって、辺り一帯の田園地帯を囲い込むような広がりを生むと考えた。















