〝建築と社会の関係を視覚化する〟メディア。

最新記事

矢板建築設計研究所による、長野・北佐久郡の「大きな屋根の家」。南東向きの明るい斜面地での計画。設計者が重視する“場所感”の思考に基づき、大屋根の下に大開口を備えたリビングをバルコニーで囲う構成を考案。愛を伴う“場所感”は自我のなす作為が消え去った時にのみ現れる
矢板建築設計研究所による、長野・北佐久郡の「大きな屋根の家」。南東向きの明るい斜面地での計画。設計者が重視する“場所感”の思考に基づき、大屋根の下に大開口を備えたリビングをバルコニーで囲う構成を考案。愛を伴う“場所感”は自我のなす作為が消え去った時にのみ現れる外観、南側の道路より見る。(建築家による解説:屋根は斜面に沿って架けられる) photo©小川重雄
矢板建築設計研究所による、長野・北佐久郡の「大きな屋根の家」。南東向きの明るい斜面地での計画。設計者が重視する“場所感”の思考に基づき、大屋根の下に大開口を備えたリビングをバルコニーで囲う構成を考案。愛を伴う“場所感”は自我のなす作為が消え去った時にのみ現れる外観、東側の道路より見る。(建築家による解説:南北に長い大きな屋根が架けられる) photo©小川重雄
矢板建築設計研究所による、長野・北佐久郡の「大きな屋根の家」。南東向きの明るい斜面地での計画。設計者が重視する“場所感”の思考に基づき、大屋根の下に大開口を備えたリビングをバルコニーで囲う構成を考案。愛を伴う“場所感”は自我のなす作為が消え去った時にのみ現れる2階、階段側からダイニングとリビングを見る。(建築家による解説:階段を上りきると外部環境の一部となった空間が広がる) photo©小川重雄
矢板建築設計研究所による、長野・北佐久郡の「大きな屋根の家」。南東向きの明るい斜面地での計画。設計者が重視する“場所感”の思考に基づき、大屋根の下に大開口を備えたリビングをバルコニーで囲う構成を考案。愛を伴う“場所感”は自我のなす作為が消え去った時にのみ現れる2階、リビングからバルコニー越しに外部を見る。(建築家による解説:ダイニングからリビングをL型にバルコニーが囲む) photo©小川重雄

矢板久明+矢板直子 / 矢板建築設計研究所が設計した、長野・北佐久郡の「大きな屋根の家」です。
南東向きの明るい斜面地での計画です。建築家は、自身が重視する“場所感”の思考に基づき、大屋根の下に大開口を備えたリビングをバルコニーで囲う構成を考案しました。また、愛を伴う“場所感”は自我のなす作為が消え去った時にのみ現れます。

軽井沢へ移住する小さなお子さんのいる家族のための住宅である。土地探しの末、南東向きの明るい30度ほどの斜面地を敷地とした。

その斜面に沿って大きな屋根を架け、アプローチとなる南側には、人を迎えるように屋根と3m張り出したバルコニーを設け、これを谷側にも折り返し、リビングを囲う様にL字に巡らせた。
そして内部と外部をつなげるよう、南に2m、谷側に7mの大開口を設け、窓をすべて引き込むと、リビングと一体となった主空間が立ち現れる様にした。

建築家によるテキストより

バルコニーには囲われ感のある手摺壁を設えたので、適度な「場所感」を得た。この手摺壁により、9m下の道路レベルに建つ家々は視界から隠れ、視線は森から空へと抜けていく。そして30cm幅の手摺笠木は机にもなり、低く抑えた手摺壁ではあるが十分な安心感を得たように思う。
このバルコニーまで連続した主空間は、平面は2倍正方形、高さは3対4の矩形からなる立方体の領域として、全体の比例秩序の中に挿入され、特別な場所として山の斜面に浮かび上がった。

この南へ張り出したバルコニーは、山側では屋根を支える壁梁で吊り、谷側では黒く塗られた鉄の方杖で支えている。南北に架けられた壁梁は、構造体であると同時に、山側では玄関や本棚、キッチンといった暮らしを支える場を囲い、リビングと緩やかに仕切っている。階段を登りこの壁梁を潜ると、一気に視界はひらけ、バルコニーと一体となった主空間が立ち現れる。

建築家によるテキストより

ここで私は敢えて「場所感」という言葉を使った。場所の定義は、プラトンのコーラやアリストテレスのトポスとして、古代より数多く語られてきたが、難解な哲学的議論でもあった。しかし、私にとっての場所とは、どこに想いが宿っているかという極めて個人的な感覚によって捉えている。
そこには 「豊かに暮らしてほしい」という願いが込められ、作り手の心が滲み出ていることが大切であり、そのような場所を「場所感」のあるところと述べた。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2026/6/1-6/7]
最も注目を集めたトピックス[期間:2026/6/1-6/7]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2026/6/1-6/7)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。(弊サイトでは、作品記事についてSNS広告を活用した再発信を行う場合がありますが、その流入はランキングに影響しないよう設定しています)


  1. 石上純也の「徳島文化芸術ホール」をテーマとした展覧会が、開催中止に。主催者のJIA 四国支部 徳島地域会と石上純也建築設計事務所がコメントを公開
  2. kurosawa kawara-tenによる、千葉・大多喜町の「SさんAさんのための家」。プライベートを大切にする家族の為の二世帯住宅。道のある南側に水廻りを配して視線を遮り、北側に“木の塊”の様な居住空間を配置する構成を考案。カーテンウォールは採光に加えて世帯間の緩衝地帯としても機能
  3. 石上純也の「徳島文化芸術ホール」をテーマとした展覧会が、2026年6月1日に開幕。開催場所は、徳島市万代町の“第一倉庫”。約2,000枚の実施設計が完了している建築の模型やドローイングを展示
  4. 佐久間徹設計事務所による、東京の「吉祥寺の書庫」。数万冊の書籍を収納する為の住宅。効率の良い収蔵と共に“過ごす時間が楽しくなる”場を求め、中庭を囲むように書棚と廊下を配置する構成を考案。幅に変化のある回廊は歩くたびに“本と緑との距離感”が変わる
  5. トラフによる、京都市の「GODIVA Bakery ゴディパン 京都四条店」。錦市場に隣接する場所のベーカリーショップ。“街の延長としての店舗”を求め、歴史ある街並みと呼応しつつ“開かれた構え”のファサードを考案。丸みのある庇・木製建具・イラストで“人を引き寄せる表情”も意図
  6. 篠原一男による「上原曲り道の住宅」(1978年) をレポート。“第三の様式”の作品のひとつとして知られる。篠原が重要視した“ずれ”を強調する、鉄筋コンクリートの柱が広間にそびえる建築。詩人の鈴木志郎康とその家族の住まい
  7. 大野力 / sinatoによる、東京・千代田区の「12 KANDA」。パブリックな用途も含むシェアオフィス。個室群の“街への対峙”も意図し、屋外避難階段を表側でバルコニーと繋げて“日常動線”にする構成を考案。基準階の反復ではなく異なる“形と機能”が積層する建築を造る
  8. 服部信康+古賀将太による、愛知・豊橋市の住宅「馬小屋と橙の納屋」。様々な規模や機能の建物が混在する地域に計画。“家族が同じ気配を共有する暮らし”を求め、大屋根の下に“馬小屋の様に潔い一室空間”を配する構成を考案。“納屋状”の離れで主屋との間に“中間的な環境”も創出
  9. 石上純也の「徳島文化芸術ホール」をテーマとした展覧会が開催予定。約2,000枚の実施設計が完了している建築の模型やドローイングを展示。ホール計画が混迷を極める中で様々な可能性を考える機会を提供。関連シンポジウムの企画も進行中
  10. ランサ・アトリエによる、サーペンタイン・パヴィリオン2026「a serpentine」。毎年一組が選ばれ造られる期間限定の建築。“身近な素材や形態を再解釈”する設計姿勢に基づき、周辺の建物や伝統的な蛇行する壁から着想した煉瓦壁を用いた建築を考案。壁の意味も再考して“透過性”を付与する
  11. 熊谷・石上純也・IAO竹田・アクト環境・ピーエス三菱・野村建設JVによる「徳島文化芸術ホール(仮称)」の基本設計概要が公開。花弁を想起させるテラスの連なりが特徴的な建築。テラスからの新しい鑑賞体験や壁面を活用した映像発信も計画。“ホールの新たなあり方”や街に開き人を引き込む事も追求
  12. OMA / クリス・ヴァン・ドゥインによる、中国の「杭州プリズム」。集合住宅や事務所などを内包する複合ビル。私的用途と都市空間が分離する状況に挑戦し、基部に誰もがアクセス可能な“屋外アトリウム”を配する構成を考案。イベントやコミュニティ活動での交流を最大化する
  13. 青木淳と品川雅俊の建築設計事務所「AS」のウェブサイトがリニューアル。建築作品の写真に加えて、詳細図やドローイングなども多数掲載
  14. 妹島和世による、岡山・玉野市の「Power Base モジュール工場」。自然エネルギーに関わる企業“Power X”の為に計画。約6300㎡の蓄電池モジュールの生産拠点施設。快適な労働環境の構築も意図
  15. 藤田時彦 / atelier umiによる、兵庫・尼崎市の美容室「OUD」。公園に面するビルの地上階での計画。木々の借景化とイベント時の使用を考慮し、細フレームの“ガラス引戸”として内外を繋げられるファサードを考案。内部では時間を経て“味わい”を得た躯体を活かす設計を意識
  16. OHMURA NAKAMURA ATELIERによる、埼玉・日高市の「横手の家」。南から北に地盤レベルが段々と下がる造成地での計画。南の隣家から影が落ちる環境に対し、片寄棟屋根の2つの量塊をずらして重ね合わせる建築を考案。ズレから生まれる“スリット窓”から光を導くと共に眺望も確保
  17. フォスター+パートナーズによる、中国・上海のギャラリー「Jia Art」。同事務所が手掛ける都市計画の中心に位置する施設。開発を象徴する存在として、地域の花に着想を得て“四枚の花びら”を模した形態の建築を考案。光を反射するガラスリブで“動きと表情のある外観”も生み出す
  18. 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
  19. 鎌倉市の新庁舎等基本設計プロポーザルで、日建設計が最優秀者に選定。コンセプトは「ひとつながりの未来の庁舎『鎌倉ONE』」。提案のイメージも公開
  20. 【ap Masterpiece】OMAによる、フランスの「ボルドーの家」(1998年)

フランク・ゲーリーの展覧会の会場の様子を収録した動画。逝去後はじめての展覧会としてビバリーヒルズのガゴシアンで開催。2026年6月に公開されたもの

フランク・ゲーリーの展覧会の会場の様子を収録した動画です。逝去後はじめての展覧会としてビバリーヒルズのガゴシアンで開催されています。2026年6月に公開されたもの。会期は2026年6月27日まで。会場構成はゲーリー・スタジオが手掛けました。

アトリエ・ワンの塚本由晴と貝島桃代へのインタビュー動画。建築における昼光をテーマとしたアワードの受賞記念に収録。2026年5月に公開されたもの

アトリエ・ワンの塚本由晴と貝島桃代へのインタビュー動画です。建築における昼光をテーマとしたアワードの受賞記念に収録。2026年5月に公開されたもの。

篠原一男による「上原曲り道の住宅」(1978年) をレポート。“第三の様式”の作品のひとつとして知られる。篠原が重要視した“ずれ”を強調する、鉄筋コンクリートの柱が広間にそびえる建築。詩人の鈴木志郎康とその家族の住まい
篠原一男による「上原曲り道の住宅」(1978年) をレポート。“第三の様式”の作品のひとつとして知られる。篠原が重要視した“ずれ”を強調する、鉄筋コンクリートの柱が広間にそびえる建築。詩人の鈴木志郎康とその家族の住まい外観、北側の交差点より見る。 photo©architecturephoto
篠原一男による「上原曲り道の住宅」(1978年) をレポート。“第三の様式”の作品のひとつとして知られる。篠原が重要視した“ずれ”を強調する、鉄筋コンクリートの柱が広間にそびえる建築。詩人の鈴木志郎康とその家族の住まい1階、「広間」 photo©architecturephoto
篠原一男による「上原曲り道の住宅」(1978年) をレポート。“第三の様式”の作品のひとつとして知られる。篠原が重要視した“ずれ”を強調する、鉄筋コンクリートの柱が広間にそびえる建築。詩人の鈴木志郎康とその家族の住まい1階、「広間」、鉄筋コンクリートの柱と梁を見上げる。 photo©architecturephoto
篠原一男による「上原曲り道の住宅」(1978年) をレポート。“第三の様式”の作品のひとつとして知られる。篠原が重要視した“ずれ”を強調する、鉄筋コンクリートの柱が広間にそびえる建築。詩人の鈴木志郎康とその家族の住まい2階、北東側の「寝室」 photo©architecturephoto

篠原一男が設計した「上原曲り道の住宅」(1978年) をレポートします。
篠原が掲げた四つの様式のうち、“第三の様式”の作品のひとつとして知られています。篠原が重要視した“ずれ”を強調する、鉄筋コンクリートの柱が広間にそびえる建築です。また、詩人の鈴木志郎康とその家族の住まいでもありました。

※キャプション内の室名は「」で囲んだものは篠原の図面上の表記を参考にしています


篠原一男が設計した「上原曲り道の住宅」が公開されているという情報を得て、関係者に連絡を取り取材での訪問が叶った。
本記事では、当日撮影した写真を中心として、本建築をレポートしていく。

この建築は、篠原の設計で1978年に東京都内で竣工した鉄筋コンクリート造の住宅である。建築の規模は、地下1階・地上3階、延床面積215.06㎡*1。地下1階に書斎と映写室など、1階にリビングダイニングとキッチンなど、2階に子ども部屋と水廻りなど、3階に夫婦の寝室という構成となっている。(※図面上の表記ではなく一般的な室名として記載。また、実際には家族の成長と共に各部屋の使われ方が変わったようだ)

*1、JA『93, KAZUO SHINOHARA』(新建築社)、p.142

また、篠原建築としての位置付けとしては「第三の様式」に属する作品である。ご存知の通り、篠原は自身の作品を第一の様式から第四の様式に分類し、それぞれ異なる主題を定めて設計に取り組んでいた建築家だ。この第三の様式に属する最初の作品には、詩人の谷川俊太郎の別荘「谷川さんの住宅」(1974年)がある。この建築は、土のままの「広間」に木の架構が直立する姿が印象的で、その写真は建築を学ぶなかで、誰もが一度は見たことがあるのではないだろうか。

ランサ・アトリエによる、サーペンタイン・パヴィリオン2026「a serpentine」。毎年一組が選ばれ造られる期間限定の建築。“身近な素材や形態を再解釈”する設計姿勢に基づき、周辺の建物や伝統的な蛇行する壁から着想した煉瓦壁を用いた建築を考案。壁の意味も再考して“透過性”を付与する
ランサ・アトリエによる、サーペンタイン・パヴィリオン2026「a serpentine」。毎年一組が選ばれ造られる期間限定の建築。“身近な素材や形態を再解釈”する設計姿勢に基づき、周辺の建物や伝統的な蛇行する壁から着想した煉瓦壁を用いた建築を考案。壁の意味も再考して“透過性”を付与するSerpentine Pavilion 2026 a serpentine, designed by Isabel Abascal and Alessandro Arienzo, LANZA atelier. Exterior view © LANZA atelier, Photo Iwan Baan, Courtesy Serpentine.
ランサ・アトリエによる、サーペンタイン・パヴィリオン2026「a serpentine」。毎年一組が選ばれ造られる期間限定の建築。“身近な素材や形態を再解釈”する設計姿勢に基づき、周辺の建物や伝統的な蛇行する壁から着想した煉瓦壁を用いた建築を考案。壁の意味も再考して“透過性”を付与するSerpentine Pavilion 2026 a serpentine, designed by Isabel Abascal and Alessandro Arienzo, LANZA atelier. Exterior view © LANZA atelier, Photo Iwan Baan, Courtesy Serpentine.
ランサ・アトリエによる、サーペンタイン・パヴィリオン2026「a serpentine」。毎年一組が選ばれ造られる期間限定の建築。“身近な素材や形態を再解釈”する設計姿勢に基づき、周辺の建物や伝統的な蛇行する壁から着想した煉瓦壁を用いた建築を考案。壁の意味も再考して“透過性”を付与するSerpentine Pavilion 2026 a serpentine, designed by Isabel Abascal and Alessandro Arienzo, LANZA atelier. Interior view © LANZA atelier, Photo Iwan Baan, Courtesy Serpentine.
ランサ・アトリエによる、サーペンタイン・パヴィリオン2026「a serpentine」。毎年一組が選ばれ造られる期間限定の建築。“身近な素材や形態を再解釈”する設計姿勢に基づき、周辺の建物や伝統的な蛇行する壁から着想した煉瓦壁を用いた建築を考案。壁の意味も再考して“透過性”を付与するSerpentine Pavilion 2026 a serpentine, designed by Isabel Abascal and Alessandro Arienzo, LANZA atelier. Exterior view © LANZA atelier, Photo Iwan Baan, Courtesy Serpentine.

ランサ・アトリエ(LANZA atelier)による、イギリス・ロンドンの、サーペンタイン・パヴィリオン2026「a serpentine」です。
毎年一組が選ばれ造られる期間限定の建築です。建築家は、“身近な素材や形態を再解釈”する設計姿勢に基づき、周辺の建物や伝統的な蛇行する壁から着想した煉瓦壁を用いた建築を考案しました。また、壁の意味も再考して“透過性”を付与しています。
会期は、2026年6月6日~10月25日まで。施設の公式ページはこちら


こちらはリリーステキストです(翻訳:アーキテクチャーフォト / 原文は末尾に掲載)

イサベル・アバスカル(Isabel Abascal)とアレッサンドロ・アリエンゾ(Alessandro Arienzo)によって設立されたメキシコの建築スタジオ、ランサ・アトリエ(LANZA atelier)が設計した2026年のサーペンタイン・パヴィリオンは、2026年6月6日にオープンします。ゴールドマン・サックスは、この年次プロジェクトを12年連続で支援します。

2026年のパヴィリオンは、ゴールドマン・サックスによる12年連続の支援を受けます。また、今年より、ロレックスがサーペンタイン・パヴィリオンのオフィシャル・タイムピースに就任することをお知らせできることを嬉しく思います。

パヴィリオンが第25回を迎えるにあたり、サーペンタインは、ザハ・ハディド財団およびアーキテクチュラル・アソシエーションとの特別な協働を通じて、この記念すべき節目と初代パヴィリオン建築家であるザハ・ハディドの遺産を称えます。

サーペンタイン・パヴィリオンは、その歴史を通じて、新進の才能のための大きな期待を集めるショーケースへと成長してきました。パヴィリオンは長年にわたり、サーペンタインによる実験的かつ学際的なコミュニティ・プログラムおよび教育プログラムのための、参加型の公共的・芸術的プラットフォームとして発展してきました。

ランサ・アトリエは、イサベル・アバスカルとアレッサンドロ・アリエンゾによって2015年に設立された、メキシコシティを拠点とする建築スタジオです。彼らの協働的な実践は、職人技、技術、そして空間デザインの伝統に細心の注意を払うことで、身近な素材や形態を再解釈しています。彼らの作品は、対話と共同体験を前面に据える建物のつくり方を提案しています。

二人は、ドローイングや模型制作といった実際に手を動かす設計手法を特に重視しており、それらを素材、形態、構造について思考を深めるための能動的なツールとして捉えています。グローバルに活動する同スタジオは、建築的実践を、批評的かつ積極的に関与する視点を通じて、文化的領域、住宅プロジェクト、公共インフラ、家具デザインの間を柔軟に横断するものとして捉えています。

今年のサーペンタイン・パヴィリオンにおいて、ランサ・アトリエは、パヴィリオンの片側を形成する、サーペンタイン・ウォール(serpentine wall)またはクリンクル・クランクル・ウォール(crinkle-crankle wall)として知られる建築的要素から着想を得ました。この種のレンガ壁は、交互に連なる曲線によって構成されており、イングランドのサフォーク州で一般的に見られますが、その起源は古代エジプトにあり、その後オランダ人技師によってイングランドにもたらされました。その曲線的な形状は側方支持によって安定性をもたらすため、レンガ1枚分の厚さしかないサーペンタイン・ウォールは、直線の壁よりも少ないレンガで構築することができます。この同名の特徴はまた、蛇を思わせる緩やかな曲線にちなんで名付けられた近くのサーペンタイン湖にも、さりげなく言及しています。

周囲の景観との対話のなかで、第2の壁は樹冠を損なうことなくそれと調和し、一方で主要な構造体は敷地の北側に配置されています。半透明の屋根は、木立を想起させるレンガの柱の上に軽やかに載せられています。パヴィリオンの構成は、光と風が空間に行き渡ることを可能にし、囲われた状態と開放性との境界をやわらげています。

ランサ・アトリエは、イングランドの庭園文化の伝統を称えるとともに、かつてティー・パヴィリオンであったサーペンタイン・サウス・ギャラリーの既存のレンガ造りのファサードとの対話を生み出すため、レンガを主要な素材として選びました。壁を不透明なものから透過性のあるものへと変化させるレンガ柱のリズミカルな反復によって構成されたこのパヴィリオンは、壁を隔てるための要素とみなす考え方を問い直し、来場者がその向こうを見通せることで、つながりを促します。

ランサ・アトリエは、パヴィリオンのための椅子やスツールもデザインしており、家具と建築を異なるスケールにおける同一のデザインプロセスの一部として捉える彼らの実践を継続しています。サペリ材の広葉樹から製作されたこれらの椅子とスツールは、現地で製作されています。

ランサ・アトリエは次のように述べています。「このコミッションにとって記念すべき節目の年となる第25回サーペンタイン・パヴィリオンの建築家に選ばれたことを光栄に思います。私たちは、自らの仕事をより幅広い人々に紹介する機会を得られたこと、そして空間的な実験と人々の出会いの場として続いてきたパヴィリオンの遺産に貢献できることに、深く感謝しています。自然界を想起させる庭園の中に設けられたこのプロジェクトは、サーペンタイン・ウォールの形態をとっています。この壁は、見せると同時に隠す装置として構想されており、動きを形づくり、リズムを調整し、近接、方向性、そして立ち止まることの境界を枠づけます。

私たちは、創造と保護の力としての蛇の姿に着想を得て、気候を和らげ、避難場所を生み出し、成長を可能にする構造物であるイングランドの蛇行する果樹壁になぞらえています。この発想から生まれたのが、素朴な粘土レンガで建てられたパヴィリオンです。それは、地域に根ざした職人技と、人々を結びつける建築の根源的な力を前面に据えています。2026年のパヴィリオンは、透過性を備え、穏やかな幾何学によって形づくられ支えられ、そしてその中を行き交う人々に絶えず応答する建築形態を提案しています」

【ap job更新】 公共プロポから地域のプロジェクトまで、大小様々な建築を手掛ける「STA土屋辰之助アトリエ」が、設計スタッフ(経験者・既卒)を募集中
【ap job更新】 公共プロポから地域のプロジェクトまで、大小様々な建築を手掛ける「STA土屋辰之助アトリエ」が、設計スタッフ(経験者・既卒)を募集中
【ap job更新】 公共プロポから地域のプロジェクトまで、大小様々な建築を手掛ける「STA土屋辰之助アトリエ」が、設計スタッフ(経験者・既卒)を募集中公衆浴場から児童館へのコンバージョン

公共プロポから地域のプロジェクトまで、大小様々な建築を手掛ける「STA土屋辰之助アトリエ」の、設計スタッフ(経験者・既卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

設計スタッフ(主任/契約)募集

【主宰者について】
主宰者である土屋辰之助は 大学研究室から香山壽夫に師事し、香山壽夫建築研究所にて「国立科学博物館上野本館保存再生」「世界遺産 熊野本宮館」や多くの学校建築など、主に公共建築の実績を積んできました。
2011年の伊勢神宮内宮参集殿改修プロジェクトを機に株式会社土屋辰之助アトリエを設立、その後日本建築学会作品選集新人賞を受賞しました。
また各大学にて設計課題を指導、自らも社会人博士課程に在籍し、実務と研究の活動を並行しています。

【組織とアトリエの中間】
事務所の大きな特徴として2000㎡前後の公共施設をプロポーザルから設計監理まで行いつつ、組織設計とのJVによる1万㎡程度の学校等の実績もあります。
一方で地域とのつながりによるプロジェクト、規模の大きい別荘や住宅建築等も手掛けており、組織設計・アトリエ事務所の双方での活動を経験できます。
東北での小学校復興プロジェクトでは、地域にしっかりと入り込み、公共建築賞地域特別賞、東北建築賞、JIA東北建築大賞なども受賞。建築をつくるという職能により、さまざまな地域への貢献を果たすことを実行しています。

【キャリア形成とOB】
このような多彩なプロジェクトの経験から、在籍中に資格を取得し、大手ゼネコン、組織設計や大学助手と両立しながらの設計活動に向かう、もしくは地域や住宅設計に目を向けてコミュニケーション能力を発揮し活動する等、様々なケースが見られます。
設計事務所として成長を続けており、主任に配置されたスタッフは雑誌、学会等の発表でも氏名を連ね、事務所として個人としてのキャリアを着実に重ねていくことを目指していきます。
主軸として事務所運営に積極的に関わることができる人材は特に評価優遇し、パートナーとして運営に関わって頂くことも視野に入れています。

OMA / クリス・ヴァン・ドゥインによる、中国の「杭州プリズム」。集合住宅や事務所などを内包する複合ビル。私的用途と都市空間が分離する状況に挑戦し、基部に誰もがアクセス可能な“屋外アトリウム”を配する構成を考案。イベントやコミュニティ活動での交流を最大化する
OMA / クリス・ヴァン・ドゥインによる、中国の「杭州プリズム」。集合住宅や事務所などを内包する複合ビル。私的用途と都市空間が分離する状況に挑戦し、基部に誰もがアクセス可能な“屋外アトリウム”を配する構成を考案。イベントやコミュニティ活動での交流を最大化する photo by Tu Xi Meng, courtesy of OMA
OMA / クリス・ヴァン・ドゥインによる、中国の「杭州プリズム」。集合住宅や事務所などを内包する複合ビル。私的用途と都市空間が分離する状況に挑戦し、基部に誰もがアクセス可能な“屋外アトリウム”を配する構成を考案。イベントやコミュニティ活動での交流を最大化する photo by Zhu Wen Qiao, courtesy of OMA
OMA / クリス・ヴァン・ドゥインによる、中国の「杭州プリズム」。集合住宅や事務所などを内包する複合ビル。私的用途と都市空間が分離する状況に挑戦し、基部に誰もがアクセス可能な“屋外アトリウム”を配する構成を考案。イベントやコミュニティ活動での交流を最大化する photo by Tu Xi Meng, courtesy of OMA
OMA / クリス・ヴァン・ドゥインによる、中国の「杭州プリズム」。集合住宅や事務所などを内包する複合ビル。私的用途と都市空間が分離する状況に挑戦し、基部に誰もがアクセス可能な“屋外アトリウム”を配する構成を考案。イベントやコミュニティ活動での交流を最大化する photo by Zhu Wen Qiao, courtesy of OMA

OMA / クリス・ヴァン・ドゥインによる、中国の「杭州プリズム」です。
集合住宅や事務所などを内包する複合ビルの計画です。建築家は、私的用途と都市空間が分離する状況に挑戦し、基部に誰もがアクセス可能な“屋外アトリウム”を配する構成を考案しました。そして、イベントやコミュニティ活動での交流を最大化します。


こちらはリリーステキストです(翻訳:アーキテクチャーフォト / 原文は末尾に掲載)

OMAの杭州プリズムが完成

OMA / クリス・ヴァン・ドゥインが設計した杭州プリズムが完成しました。新湖不動産グループにより未来科技城地区向けに委託されたプリズムは、OMAにとって杭州で初めて完成したプロジェクトです。

杭州プリズムは、ホテル、住宅ユニット、都市的なアメニティを備えたオフィス、そして公共広場を含む、43,000㎡の複合用途で構成されています。そのヴォリュームを貫く2つの斜めの切り込みによって特徴づけられたプリズムのシルエットは、スカイラインの中でもひと目で認識できます。これらの切り込みは、プリズムを、北西に位置する新しい高速鉄道駅と南東に位置する公園と視覚的に結び付けています。個別のテラスは各ロフト住戸にプライベートな屋外空間を提供し、杭州とその周辺の風景を一望する広がりのある眺望を備えています。

杭州の未来科技城の中心に位置するこのプロジェクトは、私的なプログラムと都市空間との分離に挑戦しています。プリズムは周辺の街路、運河、公園と結ばれており、その開かれた敷地へと一般の人々を誘います。建物の基部では、大きな屋外アトリウムが市民的な中心を形成しており、周辺の街路、運河、公園から誰でもアクセスすることができます。また、自発的なものから企画されたものまで、さまざまなイベントのための環境を提供しています。

このデザインは、多様なプログラムと利用者を受け入れています。私的な空間と共有空間は慎重にバランスが取られています。上部に配置されたロフト住戸は静けさと特別感を提供する一方で、庭園と共用空間は居住者、ホテル宿泊客、ワーカー、来訪者の交流を可能にしています。明確な頂点へと立ち上がるプリズムは、力強い視覚的存在感を生み出し、杭州の新たに形成されつつある中心業務地区におけるランドマークとしての役割を強化しています。

OMAパートナーのクリス・ヴァン・ドゥインは次のように述べています。「杭州プリズムは、中国で最も成功したイノベーションエリアの一つである杭州未来科技城開発の中核に位置しています。プリズムのデザインは、この革新への志向を共有しています。典型的な住宅タワーの集合体は、この単一の透過性を持つ構造体へと変換され、若いプロフェッショナルや来訪者のための立体的な村を創り出しました。それは、イベントやコミュニティ活動、そして楽しみのための機会を通じて、相乗効果と交流を最大化するデザインです」

佐久間徹設計事務所による、東京の「吉祥寺の書庫」。数万冊の書籍を収納する為の住宅。効率の良い収蔵と共に“過ごす時間が楽しくなる”場を求め、中庭を囲むように書棚と廊下を配置する構成を考案。幅に変化のある回廊は歩くたびに“本と緑との距離感”が変わる
佐久間徹設計事務所による、東京の「吉祥寺の書庫」。数万冊の書籍を収納する為の住宅。効率の良い収蔵と共に“過ごす時間が楽しくなる”場を求め、中庭を囲むように書棚と廊下を配置する構成を考案。幅に変化のある回廊は歩くたびに“本と緑との距離感”が変わる外観、南東側の道路より見る。 photo©西川公朗
佐久間徹設計事務所による、東京の「吉祥寺の書庫」。数万冊の書籍を収納する為の住宅。効率の良い収蔵と共に“過ごす時間が楽しくなる”場を求め、中庭を囲むように書棚と廊下を配置する構成を考案。幅に変化のある回廊は歩くたびに“本と緑との距離感”が変わる1階、中庭 photo©西川公朗
佐久間徹設計事務所による、東京の「吉祥寺の書庫」。数万冊の書籍を収納する為の住宅。効率の良い収蔵と共に“過ごす時間が楽しくなる”場を求め、中庭を囲むように書棚と廊下を配置する構成を考案。幅に変化のある回廊は歩くたびに“本と緑との距離感”が変わる1階、ライブラリー1 photo©西川公朗
佐久間徹設計事務所による、東京の「吉祥寺の書庫」。数万冊の書籍を収納する為の住宅。効率の良い収蔵と共に“過ごす時間が楽しくなる”場を求め、中庭を囲むように書棚と廊下を配置する構成を考案。幅に変化のある回廊は歩くたびに“本と緑との距離感”が変わる2階、ライブラリー2 photo©西川公朗

佐久間徹設計事務所が設計した、東京・武蔵野市の「吉祥寺の書庫」です。
数万冊の書籍を収納する為の住宅です。建築家は、効率の良い収蔵と共に“過ごす時間が楽しくなる”場を求め、中庭を囲むように書棚と廊下を配置する構成を考案しました。そして、幅に変化のある回廊は歩くたびに“本と緑との距離感”が変わります。

吉祥寺の住宅地に建つ、最大5万冊の本を収納することができる書庫である。


以前近くに設計した住宅の蔵書が溢れてしまったため、同じ建主から「本のための書庫」を作りたいと依頼された。

設計は、いかに本の数を効率よく確保するか、という検討から始まった。

建築家によるテキストより

廊下の両側が本棚なら一番効率が良い。その廊下を敷地の中でくねくねと折り返したり、渦巻みたいに巻き込んだり、立体的に重ねたり、たくさんの案をシミュレーションした。一方で、敷地の建蔽率を考えると、ぎっしり本を詰め込んでも、空地はできてしまう。
そもそも、どの案も必要とされている収蔵量をはるかに超えていた。だったら、ここで過ごす時間が楽しくなる方法を考えよう。そこで採用されたのが、この緑を囲む中庭案であった。




建築家によるテキストより

構造はシンプルで、1,200mmごとに並ぶ薄い柱(扁平柱)の間に本棚をはめ込んでいる。この本棚は家具であると同時に、柱の座屈を防ぐ構造体でもある。この柱の繰り返しが空間にリズムを作っている。


幅が狭い回廊から本を間近に眺める場所もあれば、ガラス越しに中庭の向こう側の本棚が遠くに見える場所もある。短い辺のほうは回廊の幅が少し広くなっていて、そこがちょっとした溜まり場になる。歩くたびに本と緑との距離感が変わる。


道路に向かった正面は全面ガラスにして、街に対して、本の集まりが奥へと連なって見えるようになっている。



建築家によるテキストより
トラフによる、京都市の「GODIVA Bakery ゴディパン 京都四条店」。錦市場に隣接する場所のベーカリーショップ。“街の延長としての店舗”を求め、歴史ある街並みと呼応しつつ“開かれた構え”のファサードを考案。丸みのある庇・木製建具・イラストで“人を引き寄せる表情”も意図
トラフによる、京都市の「GODIVA Bakery ゴディパン 京都四条店」。錦市場に隣接する場所のベーカリーショップ。“街の延長としての店舗”を求め、歴史ある街並みと呼応しつつ“開かれた構え”のファサードを考案。丸みのある庇・木製建具・イラストで“人を引き寄せる表情”も意図外観、東側の道路より見る。 photo©長谷川健太
トラフによる、京都市の「GODIVA Bakery ゴディパン 京都四条店」。錦市場に隣接する場所のベーカリーショップ。“街の延長としての店舗”を求め、歴史ある街並みと呼応しつつ“開かれた構え”のファサードを考案。丸みのある庇・木製建具・イラストで“人を引き寄せる表情”も意図外観、東側道路より開口部越しに内部を見る。 photo©長谷川健太
トラフによる、京都市の「GODIVA Bakery ゴディパン 京都四条店」。錦市場に隣接する場所のベーカリーショップ。“街の延長としての店舗”を求め、歴史ある街並みと呼応しつつ“開かれた構え”のファサードを考案。丸みのある庇・木製建具・イラストで“人を引き寄せる表情”も意図空間全体を見る。 photo©長谷川健太
トラフによる、京都市の「GODIVA Bakery ゴディパン 京都四条店」。錦市場に隣接する場所のベーカリーショップ。“街の延長としての店舗”を求め、歴史ある街並みと呼応しつつ“開かれた構え”のファサードを考案。丸みのある庇・木製建具・イラストで“人を引き寄せる表情”も意図エントランス側からカウンターを見る。 photo©長谷川健太

トラフ建築設計事務所が設計した、京都市の「GODIVA Bakery ゴディパン 京都四条店」です。
錦市場に隣接する場所のベーカリーショップです。建築家は、“街の延長としての店舗”を求め、歴史ある街並みと呼応しつつ“開かれた構え”のファサードを考案しました。また、丸みのある庇・木製建具・イラストで“人を引き寄せる表情”も意図されました。店舗の場所はこちら(Google Map)。

ベルギー発のチョコレートブランド、ゴディバが展開するベーカリーショップ「GODIVA Bakery ゴディパン 京都四条店」の内外装計画。

東京·有楽町にある「GODIVA Bakery ゴディパン 本店」で構築した空間コンセプトをベースに、その考え方を継承しながら、京都という街の文脈に合わせて再構成している。ブランドが掲げる「町のパン屋さん meets ゴディバ」というコンセプトを軸に、日常の中でゴディバを楽しむ場のあり方を探った。

建築家によるテキストより

計画地は、京都でも特に賑わいのある錦市場に隣接する場所に位置する。観光客と地元の人々が混ざり合い、絶えず人の流れが生まれる場所だ。歴史ある街並みに連なる建物のファサードに呼応しながらも、通りに対して開かれた構えとすることで、街の延長としての店舗を目指している。

建築家によるテキストより

外観には、親しみのある丸みを帯びたテントの庇を設え、木製建具やイラストと組み合わせることで、やわらかく人を引き寄せる表情をつくった。大きな開口部からは店内の様子やパンの並ぶ風景が自然に見通せる。

空間の中心には、常温·冷蔵商品とレジ機能を一体化したカウンターを据え、来店客の動きに沿った動線としている。チョココロネを想起させる柔らかな曲線をカウンターや天井形状に取り込み、空間にやわらかな表情を与えた。赤みを帯びた色調は、外観の重厚なレンガと呼応しながら温かみを生み、通りからの視線をやわらかく受け止める。

奥には製造の気配を感じられる開口を設け、パンやチョコレートづくりのプロセスが垣間見える構成とした。クラフトの存在を空間の奥行きとして表している。

建築家によるテキストより
石上純也の「徳島文化芸術ホール」をテーマとした展覧会が、開催中止に。主催者のJIA 四国支部 徳島地域会と石上純也建築設計事務所がコメントを公開
石上純也の「徳島文化芸術ホール」をテーマとした展覧会が、開催中止に。主催者のJIA 四国支部 徳島地域会と石上純也建築設計事務所がコメントを公開徳島県文化芸術ホールのパース image courtesy of 石上純也建築設計事務所

石上純也の「徳島文化芸術ホール」をテーマとした展覧会が、開催中止になりました。主催者のJIA 四国支部 徳島地域会と石上純也建築設計事務所がコメントを公開しています。

本展覧会は、徳島市の「第一倉庫」を会場として、2026年6月1日の開催に向けて準備が進められていました。アーキテクチャーフォトでは、この展示の概要を記事として掲載していました。中止に伴い、2026年6月1日19時に、石上純也が登壇する記者会見が行われます。

また、本建築に関する正式なクレジットは、熊谷・石上純也・IAO竹田・アクト環境・ピーエス三菱・野村建設JVです。

以下に、両者のコメントを掲載します。

kurosawa kawara-tenによる、千葉・大多喜町の「SさんAさんのための家」。プライベートを大切にする家族の為の二世帯住宅。道のある南側に水廻りを配して視線を遮り、北側に“木の塊”の様な居住空間を配置する構成を考案。カーテンウォールは採光に加えて世帯間の緩衝地帯としても機能
kurosawa kawara-tenによる、千葉・大多喜町の「SさんAさんのための家」。プライベートを大切にする家族の為の二世帯住宅。道のある南側に水廻りを配して視線を遮り、北側に“木の塊”の様な居住空間を配置する構成を考案。カーテンウォールは採光に加えて世帯間の緩衝地帯としても機能俯瞰、左:母屋、右:倉庫 photo©千葉正人
kurosawa kawara-tenによる、千葉・大多喜町の「SさんAさんのための家」。プライベートを大切にする家族の為の二世帯住宅。道のある南側に水廻りを配して視線を遮り、北側に“木の塊”の様な居住空間を配置する構成を考案。カーテンウォールは採光に加えて世帯間の緩衝地帯としても機能外観、母屋、敷地内の南東側より見る。 photo©千葉正人
kurosawa kawara-tenによる、千葉・大多喜町の「SさんAさんのための家」。プライベートを大切にする家族の為の二世帯住宅。道のある南側に水廻りを配して視線を遮り、北側に“木の塊”の様な居住空間を配置する構成を考案。カーテンウォールは採光に加えて世帯間の緩衝地帯としても機能母屋、2階、子世帯、ユーティリティ photo©千葉正人
kurosawa kawara-tenによる、千葉・大多喜町の「SさんAさんのための家」。プライベートを大切にする家族の為の二世帯住宅。道のある南側に水廻りを配して視線を遮り、北側に“木の塊”の様な居住空間を配置する構成を考案。カーテンウォールは採光に加えて世帯間の緩衝地帯としても機能母屋、2階、子世帯、左:ダイニング、右:キッチン photo©千葉正人

小林和史+西山依里 / kurosawa kawara-tenが設計した、千葉・大多喜町の「SさんAさんのための家」です。
プライベートを大切にする家族の為の二世帯住宅の計画です。建築家は、道のある南側に水廻りを配して視線を遮り、北側に“木の塊”の様な居住空間を配置する構成を考案しました。また、カーテンウォールは採光に加えて世帯間の緩衝地帯としても機能します。

こだわりをもった養蜂をし、クリエイティブにみえるご夫婦からの依頼に、初めは大家族で家族団らんの交流スペース、眺望を活かし開放的でオープンな地続きの2世帯住宅を思い描いたが、打合せを重ねていくうちに、プライベートではできるだけセキュアでこもれる環境を求めていることが分かってきた。
一方の親世帯もまた、昔から家で家族が集まって過ごす時間は少なかったようで、共有スペースよりも寝室や書斎などのプライベートスペースや水回りの充実に重点が置かれ、仲は良いが相互に距離感を保ちたい2世帯の関係性が徐々に明らかになった。

アンビバレントな二面性をもった家族、クールな外見とセキュアな巣、親世帯と子世帯、住まいと倉庫、そして内部と外部との関係を調停する住宅として、対比的に並置する空間構成をもつ形式が少しずつ導かれた。

建築家によるテキストより

住宅は1階を親世帯、2階を子世帯の住居とし、南側に寄せて大きくカーテンウォールを設けた外光を取り入れる水廻りスペースと、北側に開けた眺望を取り入れつつ開口を絞った居住スペースで構成される。
普通であれば北側に寄せて配置される浴室や洗面、トイレなどの水廻りを南側に配置することで、外光に満ちた明るく気持ちよい水廻り空間を作りつつ、この敷地唯一のアプローチとなる南側道路からの視線(とはいっても、集落の最奥に位置し、この家を尋ねる人か田んぼの面倒をみる農家くらいしか人の出入りはないのだが)を遮り、セキュアな居住スペースとの間の、そして上下階で明確に切り分けた2世帯相互の緩衝空間となることを意図した。

建築家によるテキストより

対比的な構成は、ディテールにも反映されている。水廻りスペースは造作のスチール方立と単柱によるカーテンウォールで大開口を実現。
薄く見せる軒先や、スチール造作の階段など全体に線の細い意匠の空間となっていて、グレーを基調とした素材選択でクールな印象の建物の顔となる設えとした。

一方の居住スペースは、内外全てを杉羽目板でくるみ、木の塊に開口を穿つマッスで彫りの深い意匠とした。
外部に面した壁には、外張り断熱工法独特の大きな壁厚から生まれる奥行きのある開口と、本来はデットスペースとなる壁内空間を活用した収納やデスクスペースを設えることで、空間を有効に活用しつつ、外部環境からより距離をとることによるセキュアな居住空間を実現している。
素材の選択にあたっては、地元の杉材を製材した羽目板を内外の仕上材として活用し、まさに養蜂箱に暮らすような住居が実現した。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2026/5/25-5/31]
最も注目を集めたトピックス[期間:2026/5/25-5/31]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2026/5/25-5/31)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。(弊サイトでは、作品記事についてSNS広告を活用した再発信を行う場合がありますが、その流入はランキングに影響しないよう設定しています)


  1. 服部信康+古賀将太による、愛知・豊橋市の住宅「馬小屋と橙の納屋」。様々な規模や機能の建物が混在する地域に計画。“家族が同じ気配を共有する暮らし”を求め、大屋根の下に“馬小屋の様に潔い一室空間”を配する構成を考案。“納屋状”の離れで主屋との間に“中間的な環境”も創出
  2. 石上純也の「徳島文化芸術ホール」をテーマとした展覧会が、2026年6月1日に開幕。開催場所は、徳島市万代町の“第一倉庫”。約2,000枚の実施設計が完了している建築の模型やドローイングを展示
  3. 青木淳と品川雅俊の建築設計事務所「AS」のウェブサイトがリニューアル。建築作品の写真に加えて、詳細図やドローイングなども多数掲載
  4. OHMURA NAKAMURA ATELIERによる、埼玉・日高市の「横手の家」。南から北に地盤レベルが段々と下がる造成地での計画。南の隣家から影が落ちる環境に対し、片寄棟屋根の2つの量塊をずらして重ね合わせる建築を考案。ズレから生まれる“スリット窓”から光を導くと共に眺望も確保
  5. 佐野健太建築設計事務所による、豊島区の「東京のバレエハウス」。ご近所付き合いが今も残る古い住宅街での計画。“公に対し閉じがち”な用途に向合い、都市・住宅・スタジオの関係性を主題として“調停”する設計を志向。都市を劇場の客席に見立てたスタジオを備えた建築を考案
  6. 建築家の青木淳と美術家のリチャード・タトルによる展覧会「ほぼ、空」が、東京オペラシティ アートギャラリーで開催。入場チケットをプレゼント。建築家が美術家の展示の会場構成を行うのではなく、二人のコラボレーションで展開。会場内で青木選定の収蔵品展も行われる
  7. CHArによる、東京・杉並区の「merry attic un」。様々な中高生が安心して“自分の時間”を過ごす為の施設。子どもが“無理なく存在できる”環境を求め、“安心感”や“さりげない見守り”を主題とした空間を志向。ライブラリーでは4つの什器を用いて距離感を調整
  8. 石上純也の「徳島文化芸術ホール」をテーマとした展覧会が開催予定。約2,000枚の実施設計が完了している建築の模型やドローイングを展示。ホール計画が混迷を極める中で様々な可能性を考える機会を提供。関連シンポジウムの企画も進行中
  9. 藤田時彦 / atelier umiによる、兵庫・尼崎市の美容室「OUD」。公園に面するビルの地上階での計画。木々の借景化とイベント時の使用を考慮し、細フレームの“ガラス引戸”として内外を繋げられるファサードを考案。内部では時間を経て“味わい”を得た躯体を活かす設計を意識
  10. MADによる、中国の「海南サイエンスミュージアム」。ロケット発射場のある地域での計画。“市民インフラ”としての施設を目指し、人々が集える“街の広場”のようなアトリウムを備えた建築を考案。リング状の展示空間は“螺旋状のひとつの動線”で接続される
  11. 長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す
  12. 内藤廣建築設計事務所による、東京・世田谷区の「多摩美術大学 上野毛キャンパス新棟」。講義室・ギャラリー・講堂などを内包する施設。“雨露を凌ぐ清朗な覆い”となる大屋根があり、“競い合い、絆を結ぶ”ための交流テラスを備えた建築を考案。講堂は目に止まるように“お椀を伏せた”様な形態とする
  13. 鎌倉市の新庁舎等基本設計プロポーザルで、日建設計が最優秀者に選定。コンセプトは「ひとつながりの未来の庁舎『鎌倉ONE』」。提案のイメージも公開
  14. 中本尋之 / FATHOMによる、広島市のヘアーサロン「neute by maitre」
  15. 加藤直樹 / N.A.Oによる、神奈川・秦野市の「加藤小屋増築工事」。“未完”を掲げた設計者の自邸の増築。子の成長などを背景として、外断熱や防火構造認定材の使用で壁や天井を張らない“未完の箱”としての居住空間を構築。変化に応じたカスタマイズを前提としてローコストで実現
  16. フォスター+パートナーズによる、中国・上海のギャラリー「Jia Art」。同事務所が手掛ける都市計画の中心に位置する施設。開発を象徴する存在として、地域の花に着想を得て“四枚の花びら”を模した形態の建築を考案。光を反射するガラスリブで“動きと表情のある外観”も生み出す
  17. IT’SとOMAが主導するチームによる「ローマ・コンティヌア」。今後25年に渡るローマの新ヴィジョンの提案。都市の特質を活かしつつ再創造を目指し、ウェルビーイング、美、知識、改革と拡張を中核原則とする計画を考案。拡張主導型の成長から再調整のモデルへの転換を促す
  18. OMA / 重松象平が空間デザインを手掛けた、東京・墨田区の、江戸東京博物館のリニューアル。菊竹清訓設計の博物館の改修。公共体験の向上を目指し、“アイデンティティの明確化”や“再訪動機の創出”を実現する計画を志向。伝統的な文様や版画に加えて都市の情景などの映像を投影するピロティ空間を考案
  19. 【ap Masterpiece】OMAによる、フランスの「ボルドーの家」(1998年)
  20. 塚田裕之建築設計事務所による、東京都渋谷区の美容室「andbeautiful」

アン・ホルトロップによる講演の動画。コロンビア大学で2026年2月に行われたもの

アン・ホルトロップ(Anne Holtrop)による講演の動画です。コロンビア大学で2026年2月に行われたもの。ホルトロップは、バーレーンを拠点とする建築家で、スイスのメンドリジオ建築アカデミーで教鞭も執っています。

デイヴィッド・チッパーフィールドによる講演の動画。マサチューセッツ工科大学で2026年5月に行われたもの 【ap job更新】 ラブアーキテクチャー / 浅利幸男が、設計スタッフ(経験者・既卒・2026年新卒)を募集中
【ap job更新】 ラブアーキテクチャー / 浅利幸男が、設計スタッフ(経験者・既卒・2026年新卒)を募集中
【ap job更新】 ラブアーキテクチャー / 浅利幸男が、設計スタッフ(経験者・既卒・2026年新卒)を募集中麻布の別邸 モダンリビング 2021.2 / ELLE DECO JAPAN 2021.6 / Wallpaper誌(イギリス)/ Archilovers(イタリア)/ designboom(イタリア)/ ArchiDaily(チリ)他多数掲載

ラブアーキテクチャー / 浅利幸男の、設計スタッフ(経験者・既卒・2026年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

ラブアーキテクチャーは2001年創業以来、新築戸建、リノベーション、集合住宅、寺院、商業施設、ランドスケープ等、幅広いジャンルで約70棟のプロジェクトを手掛け、様々なメディアで取り上げられて参りました。

ランドスケープからインテリアコーディネート、概念構築からマテリアル・ディテールまで、トータルに取り組むことを特徴にしています。

現在も、戸建住宅、集合住宅、寺院、ランドスケープ、レストランが同時進行中です。実務未経験の方でも、先輩スタッフの丁寧な指導を受けながら、プロジェクトの中心メンバーとして活動できます。

Subscribe and Follow

公式アカウントをフォローして、
見逃せない建築情報を受け取ろう。

「建築と社会の関係を視覚化する」メディア、アーキテクチャーフォトの公式アカウントです。
様々な切り口による複眼的視点で建築に関する情報を最速でお届けします。

  • 情報募集建築・デザイン・アートの情報を随時募集しています。
  • メールマガジン メールマガジンで最新の情報を配信しています。