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川嶋洋平建築設計事務所による、福岡市の店舗「RIM.ARK_fukuoka」。通路からの洋服の見え方を検討し、トラス的な“吊りラック”を角度を振り設置することで、洋服の正面を望めると共に店舗に複雑なシークエンスを生む
川嶋洋平建築設計事務所による、福岡市の店舗「RIM.ARK_fukuoka」。通路からの洋服の見え方を検討し、トラス的な“吊りラック”を角度を振り設置することで、洋服の正面を望めると共に店舗に複雑なシークエンスを生む photo©OMOTE Nobutada
川嶋洋平建築設計事務所による、福岡市の店舗「RIM.ARK_fukuoka」。通路からの洋服の見え方を検討し、トラス的な“吊りラック”を角度を振り設置することで、洋服の正面を望めると共に店舗に複雑なシークエンスを生む photo©OMOTE Nobutada
川嶋洋平建築設計事務所による、福岡市の店舗「RIM.ARK_fukuoka」。通路からの洋服の見え方を検討し、トラス的な“吊りラック”を角度を振り設置することで、洋服の正面を望めると共に店舗に複雑なシークエンスを生む photo©OMOTE Nobutada

川嶋洋平建築設計事務所による、福岡市の店舗「RIM.ARK_fukuoka」。通路からの洋服の見え方を検討し、トラス的な“吊りラック”を角度を振り設置することで、洋服の正面を望めると共に店舗に複雑なシークエンスを生みだす事が意図されました。店舗の公式サイトはこちら

あるファッションビルの1区画に位置するアパレルブランドの内装の計画です。広さは60m2程度で共用通路に沿った細長い形が特徴的な区画でした。

建築家によるテキストより

まず特徴的な細長い店舗区画に沿った共用通路からの洋服の見え方を検討しました。
ハンガーラックを通路と平行に設置するとハンガーラックに洋服が吊られた際に洋服の側面しか見えない状況になってしまいます。間口が広く細長い店舗でそのような単調な構成になるのを避けるため、ハンガーラックごとに設置角度を振って洋服の正面を望めるような吊られ方になるように計画しました。

建築家によるテキストより

シンプルな整形の店舗に別の角度のルールを持ち込むことで、洋服の見え方の解決と、シンプルな店舗構成に複雑なシークエンスが生まれます。

建築家によるテキストより
吉田豊建築設計事務所による、広島市の「己斐中の家」。市街地を囲む山裾のひな壇状造成地の不定形な敷地に、平面形状と断面の操作により豊かな内部空間と眺望をもつ、“崖の上にすっと力強く立つ塔のような建築”を構想
吉田豊建築設計事務所による、広島市の「己斐中の家」。市街地を囲む山裾のひな壇状造成地の不定形な敷地に、平面形状と断面の操作により豊かな内部空間と眺望をもつ、“崖の上にすっと力強く立つ塔のような建築”を構想 photo©坂下智広
吉田豊建築設計事務所による、広島市の「己斐中の家」。市街地を囲む山裾のひな壇状造成地の不定形な敷地に、平面形状と断面の操作により豊かな内部空間と眺望をもつ、“崖の上にすっと力強く立つ塔のような建築”を構想 photo©坂下智広
吉田豊建築設計事務所による、広島市の「己斐中の家」。市街地を囲む山裾のひな壇状造成地の不定形な敷地に、平面形状と断面の操作により豊かな内部空間と眺望をもつ、“崖の上にすっと力強く立つ塔のような建築”を構想 photo©坂下智広

吉田豊建築設計事務所が設計した、広島市の「己斐中の家」です。市街地を囲む山裾のひな壇状造成地の不定形な敷地に、平面形状と断面の操作により豊かな内部空間と眺望をもつ、“崖の上にすっと力強く立つ塔のような建築”を構想しました。

広島市街地を囲む山裾に点在するひな壇状の造成地の1つ、その端部に位置する敷地は、崖に面して3段の高低差をもち、不定形な平面形状であること、またその狭さのため、長らく駐車場として利用されていた。

この敷地に目を留めたクライアントは、眼下に広がる景色を臨む豊かな住まいを求めた。

建築家によるテキストより

最初に敷地訪れたときに、崖の上にすっと力強く立つ塔のような建築を強くイメージした。

車2台分の駐車スペースを確保しながら、道路レベルで重層する整形な平面形状を模索した。長方形に三角形を組み合わせた構成は、特異な敷地形状に対し、最大限に有効なフットプリントを求めたためである。

建築家によるテキストより

3層構成のうち、2階に主たる生活の場を、最上階に寝室、水廻りを配置した。
そして1・2階の長方形平面部には、天井の構造材を格子状に露しとし、外へと向かう方向性を与え、景色を切り取るような開口部を設けた。一方、三角形平面の空間は、フラットな天井として、生活を包み込むようなスリット状の小さな開口部を採用した。
これらの単純な組合せと、その間に挿入した階段と、異なる天井高さを与えることで、小さな住まいに空間の濃淡を生み出している。

建築家によるテキストより
【シリーズ・色彩にまつわる設計手法】第6回 芦沢啓治 インタビュー・前編「空間のクオリティを実現する、ニュアンスを持ったグレー塗装」
【シリーズ・色彩にまつわる設計手法】第6回 芦沢啓治 インタビュー・前編「空間のクオリティを実現する、ニュアンスを持ったグレー塗装」

本記事は学生国際コンペ「AYDA2021」を主催する「日本ペイント」と建築ウェブメディア「architecturephoto®」のコラボレーションによる特別連載企画です。今年の「AYDA」日本地区のテーマは「音色、空間、運動」。このテーマにちなみ、現在活躍中の建築家に作例を交えながら色彩と空間の関係について語ってもらうインタビューを行いました。昨年、全4回にわたり公開された色彩に関するエッセイに続き、本年は建築家の青木淳と芦沢啓治の色彩に関する思考に迫ります。作品を発表する度に新鮮な驚きを与えてくれる二人。その色彩に関する眼差しを読者と共有したいと思います。


第6回・前編では、芦沢啓治が改修設計を手掛け2021年2月にオープンした「Karimoku Commons Tokyo」を題材に、ご自身の設計手法や色彩についての考え方を語ります。「Karimoku Commons Tokyo」は築37年の鉄骨造ビルをフルリノベーションした家具メーカー・カリモクのショールーム&ギャラリー。その室内は、塗装仕上げの内壁によって主役である展示物を魅力的に見せ、なおかつ心地よい緊張感をもたらす上質な空間となっています。はたして、いかなるプロセスで壁面の色を決めたのか。また、空間のデザインにおいて何を重視しているのか。建築設計やインテリアデザインを志す方々には必読の内容となっています。

※このインタビューは感染症予防の対策に配慮しながら実施・収録されました。


空間全体のハーモニー

【シリーズ・色彩にまつわる設計手法】第6回 芦沢啓治 インタビュー・前編「空間のクオリティを実現する、ニュアンスを持ったグレー塗装」建築家の芦沢啓治。 photo©︎渡部立也

――塗装といえば白を選ぶ建築家が多いと思うのですが、芦沢さんは幅広いグレー系統の色を場所ごとに巧みに使い分けている印象があります。なかでも2021年2月にオープンした「Karimoku Commons Tokyo(以下、Karimoku)」の内壁は、3フロアともグレー系統でありながら各階ごとに微妙に色を変えているのが印象的でした。フロアごとの色の違いはどのように決められたのでしょうか。

芦沢:まずフロアごとに床面を覆う素材が違い、さらに外光の入り方が異なるため、素材感や色味を微妙にコントロールする必要がありました。たとえば1階の床はコンクリート、2階はフローリング、3階はコンクリートとフローリングの両方を使っています。

その上で、2階は壁と天井をほぼ同じ色で塗り込んで全体的な空間として見せることを意図しました。それに対して3階は天井を少し暗めにして記憶に残らないような操作をしています。

以下の写真はクリックで拡大します

【シリーズ・色彩にまつわる設計手法】第6回 芦沢啓治 インタビュー・前編「空間のクオリティを実現する、ニュアンスを持ったグレー塗装」「Karimoku Commons Tokyo」(設計:芦沢啓治建築設計事務所、2020年)1階ギャラリー・イベントスペース、2020年2月オープン時の展示。床の既存コンクリートスラブや背後の木製収納、多目的な空間用途を考慮して、壁にはややトーンの落ちたグレーが塗られている。 photo©︎Daici Ano
【シリーズ・色彩にまつわる設計手法】第6回 芦沢啓治 インタビュー・前編「空間のクオリティを実現する、ニュアンスを持ったグレー塗装」2階展示スペース。空間全体の一体感を求めて、壁と天井はほぼ同じやわらかで明るめのグレーを塗っている。 photo©Tomoyuki Kusunose
【シリーズ・色彩にまつわる設計手法】第6回 芦沢啓治 インタビュー・前編「空間のクオリティを実現する、ニュアンスを持ったグレー塗装」3階展示スペース。天井は目立たないよう暗い色に。壁の塗装は、天井より明るめながら床のコンクリートにあわせて2階より落ち着いたトーンのグレーを塗っている。 photo©Daici Ano

――実際に足を運んで、空間の絶妙な色合いが、置かれている家具と見事に調和していることに驚きました。色が決まるまで相当な試行錯誤があると聞きましたが。

芦沢:材料や照明、色は、建築の質を最終的に決める大事なところですから、毎回トライ&エラーの連続で、「これ!」という判断がなかなかつきにくい。今でもストレスです。

たとえば色は午前中のできるだけ色味の偏りが少ない光で見て判断します。照明も、空間の雰囲気にどれが映えてくるのかを気にしながら、現場で決めることが多々あります。

――実際どのような判断基準で「これ!」と決めるのでしょうか。

芦沢:まず重要なのは、空間の中に家具を全部並べた時にハーモニーを奏でていることです。だから壁は、家具と真逆の色にはしません。

――3階の窓際で床が高い部分は壁が塗装ではなくモルタルの掻き落としになっています。それはどのような判断で決められたのでしょう。

芦沢:その部分は外光がさんさんと入り、まるでバルコニーのようだったので、外部的なイメージで1階ファサードに使った掻き落としを持ち込みました。左官材も色をコントロールできるので、天井の色に合わせてモルタルに少しだけ黒を混ぜています。

玉井洋一による連載コラム “建築 みる・よむ・とく” 第2回「道と2階をつなぐ窓」
玉井洋一による連載コラム “建築 みる・よむ・とく” 第2回「道と2階をつなぐ窓」

建築家でありアトリエ・ワンのパートナーを務める玉井洋一は、日常の中にひっそりと存在する建築物に注目しSNSに投稿してきた。それは、誰に頼まれたわけでもなく、半ばライフワーク的に続けられてきた。一見すると写真と短い文章が掲載される何気ない投稿であるが、そこには、観察し、解釈し、文章化し他者に伝える、という建築家に求められる技術が凝縮されている。本連載ではそのアーカイブの中から、アーキテクチャーフォトがセレクトした投稿を玉井がリライトしたものを掲載する。何気ない風景から気づきを引き出し意味づける玉井の姿勢は、建築に関わる誰にとっても学びとなるはずだ。
(アーキテクチャーフォト編集部)


道と2階をつなぐ窓

玉井洋一による連載コラム “建築 みる・よむ・とく” 第2回「道と2階をつなぐ窓」
text:玉井洋一

 
 
巣鴨地蔵通商店街にあったオペラグラスのようなテントを纏った窓。

視界の上半分はテントで遮られ、下半分は階下にある道へと誘導される。
言わば、道と2階をつなぐ窓である。

各面に囲碁サロンと書かれた特徴的なテントは、窓際に置かれた囲碁の盤面に達する直射日光や外部からの視線を抑えて棋士の集中力を高め、時には道を往来する人々を棋士にそれとなく見せて気分転換する機会を与えてくれるだろう。

また視界を下方だけに限定した窓と言えば、日本に古くからある地窓や雪見障子の系譜に位置付けられそうだ。それは敢えて行為を制限することで、より豊かな経験を引き出そうとする形式である。

中村拓志&NAP建築設計事務所の客室監修、大林組の全体改修設計、全日本コンサルタントの構造改修設計による、京都市の「佳水園 ウェスティン都ホテル京都」。村野藤吾設計の名作を、村野数寄の精神に立ち返り設計することで、“未来につながる数寄屋建築”を目指す
中村拓志&NAP建築設計事務所の客室監修、大林組の全体改修設計、全日本コンサルタントの構造改修設計による、京都市の「佳水園 ウェスティン都ホテル京都」。村野藤吾設計の名作を、村野数寄の精神に立ち返り設計することで、“未来につながる数寄屋建築”を目指す photo©Koji Fujii / TOREAL
中村拓志&NAP建築設計事務所の客室監修、大林組の全体改修設計、全日本コンサルタントの構造改修設計による、京都市の「佳水園 ウェスティン都ホテル京都」。村野藤吾設計の名作を、村野数寄の精神に立ち返り設計することで、“未来につながる数寄屋建築”を目指す photo©Koji Fujii / TOREAL
中村拓志&NAP建築設計事務所の客室監修、大林組の全体改修設計、全日本コンサルタントの構造改修設計による、京都市の「佳水園 ウェスティン都ホテル京都」。村野藤吾設計の名作を、村野数寄の精神に立ち返り設計することで、“未来につながる数寄屋建築”を目指す photo©Koji Fujii / TOREAL
中村拓志&NAP建築設計事務所の客室監修、大林組の全体改修設計、全日本コンサルタントの構造改修設計による、京都市の「佳水園 ウェスティン都ホテル京都」。村野藤吾設計の名作を、村野数寄の精神に立ち返り設計することで、“未来につながる数寄屋建築”を目指す photo©Koji Fujii / TOREAL

中村拓志&NAP建築設計事務所の客室監修、大林組の全体改修設計、全日本コンサルタントの構造改修設計による、京都市の「佳水園 ウェスティン都ホテル京都」です。佳水園は1959年に村野藤吾が完成させた宿泊施設。本設計では、村野藤吾設計の名作を、村野数寄の精神に立ち返り設計することで、“未来につながる数寄屋建築”が目指されました。施設の公式サイトはこちら

ウェスティン都ホテル京都は、琵琶湖疎水が京都に流れ込む蹴上の地に位置し、その開通に合わせて開かれた「吉水園」を起源に持つ市内有数の高級ホテルである。佳水園はその敷地内に建つ和風別館であり、建築家・村野藤吾が作り上げた数寄屋建築の傑作である。

入母屋妻面の屋根が棟部分から頭(こうべ)を垂れるような、低く薄い幾重もの屋根が印象的な外観は、築60年を経て今なおその美しさを伝えるが、老朽化が激しく耐震改修を迫られていた。既存の客室は小割で質素なつくりとなっており、昨今のニーズに応えるべく改修することになった。

建築家によるテキストより

庭と外観、共用部に関しては、ホテル側としても設計当時の意匠の維持・復元が大前提であった。しかし、客室内に関しては本館改修計画と同様、耐震改修を施した上で2室を1室に統合し、充実したバス空間をもつベッドスタイルへと拡充することが求められた。そうなるともはや残し得るのは一部の柱や床の間、欄間の意匠、障子だけであった。一部の柱は切り落として継ぎ、既存の聚楽壁は不陸調整のためすべて塗り直す必要があった。また、天井も火打梁の施工や、空調機を天井内に設置しブリーズラインを設けるために全落としとなった。

建築家によるテキストより

文化的価値の高い建築の改修は、保存と再生箇所を明確にわかるように区分することが流儀とされている。しかし上述したように、客室に関しては、それが極めて難しい状況であった。そこで、「月7」のみ間取りを維持し、それ以外の客室は全面的な変更を行った。和式宴会需要の減少から使われなくなった二階の大広間は、南館の減築により眺望を得たこともあり、二室の客室へと改修し、眺めの良いテラスのような雰囲気となるように、瓦風タイル敷きのリビングとした。また、ロビー近くの、倉庫として利用されていた部屋は、村野の書籍や資料を中心としたライブラリーとした。

建築家によるテキストより

われわれは村野が白楊から引き継いだ文人的世界観を継承しながらも、そして「村野が生きていたら、どんな素材や新しい技術で改修するか」を自問しながら設計を行った。なぜなら、佳水園の蓑甲の薄い屋根が木造に鉄骨をハイブリッドさせたことで実現されているように、ここで展開されている「村野数寄」とは、伝統的な数寄屋を工業技術によって、より繊細で流麗な空間に昇華したものであると考えたからだ。

建築家によるテキストより
藤原慎太郎+室喜夫 / 藤原・室 建築設計事務所による、大阪の住宅「阿倍野の家」。2つの道路に挟まれた敷地において、建物内部に両者を結ぶ“路地空間”をつくることで、外からの視線を抑えながら各部屋が外部とつながるような開放感を生み出す
藤原慎太郎+室喜夫 / 藤原・室 建築設計事務所による、大阪の住宅「阿倍野の家」。2つの道路に挟まれた敷地において、建物内部に両者を結ぶ“路地空間”をつくることで、外からの視線を抑えながら各部屋が外部とつながるような開放感を生み出す photo©平桂弥(studioREM)
藤原慎太郎+室喜夫 / 藤原・室 建築設計事務所による、大阪の住宅「阿倍野の家」。2つの道路に挟まれた敷地において、建物内部に両者を結ぶ“路地空間”をつくることで、外からの視線を抑えながら各部屋が外部とつながるような開放感を生み出す photo©平桂弥(studioREM)
藤原慎太郎+室喜夫 / 藤原・室 建築設計事務所による、大阪の住宅「阿倍野の家」。2つの道路に挟まれた敷地において、建物内部に両者を結ぶ“路地空間”をつくることで、外からの視線を抑えながら各部屋が外部とつながるような開放感を生み出す photo©平桂弥(studioREM)

藤原慎太郎+室喜夫 / 藤原・室 建築設計事務所が設計した、大阪の住宅「阿倍野の家」です。2つの道路に挟まれた敷地において、建物内部に両者を結ぶ“路地空間”をつくることで、外からの視線を抑えながら各部屋が外部とつながるような開放感を生み出すことが意図されました。

場所は大阪市内の街中の住宅地、交通の利便性の良いところです。

建築家によるテキストより

計画地は広い道路と狭い道路の2つの道に挟まれた敷地で、どちらの道も利用できるという特徴がありました。その2つの道路を結ぶ路地空間というものを家の中につくり、家を通り抜けて2つの道を行き来できる流れを作り、動きに自由さのあるプランを考えました。

建築家によるテキストより

大阪の街中は外部からの視線を抑え込みながら、どうやって外部と繋がり感のある開放性を作るかが難しいところです。
阿倍野の家は、路地空間を設けることによって、外のようでもある内部空間を配置して、各用途の部屋が外部とつながっているような感じを作り出し、開放感を得ようと計画しました。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 国際色豊かな実務経験を積んだ3人が主宰する「ULTRA STUDIO」が、業務拡大に伴い設計スタッフ(経験者・新卒)を募集中
【ap job更新】 国際色豊かな実務経験を積んだ3人が主宰する「ULTRA STUDIO」が、業務拡大に伴い設計スタッフ(経験者・新卒)を募集中
【ap job更新】 国際色豊かな実務経験を積んだ3人が主宰する「ULTRA STUDIO」が、業務拡大に伴い設計スタッフ(経験者・新卒)を募集中The Drowned World Anchor ©Kenryou Gu

国際色豊かな実務経験を積んだ3人が主宰する「ULTRA STUDIO」の、業務拡大に伴い設計スタッフ(経験者・新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

ULTRA STUDIOは業務拡大に伴い設計スタッフを募集します。現在、新築住宅、住宅内装、オフィス内装、舞台デザイン、その他多くのプロジェクトが進行中です。

私たちは建築の言語と空間のつながりを大切にしています。
単なる機能的もしくは美的な空間とは異なる、多用な解釈を呼び込む象徴的な空間を、建築、インテイリア、家具舞台美術など、様々な機会を通して目指しています。

私たちは立ち上げて間もない事務所ですが、だからこそ、一緒に事務所を大きくしていこうという熱意を持った方を募集します。

■ULTRA STUDIOについて
向山裕二、上野有里紗、笹田侑志からなる建築コレクティブ。2013年に結成。日本とヨーロッパで経験を積み、2018年より東京をベースに設計活動を開始。都市文化を批評的にとらえなおしつつ、建築的介入を創り出す活動を行っている。
プロフィール詳細:http://ultrastudio.jp/about/

【ap job更新】 著名建築家とも協業し リゾート物件を企画から手掛ける不動産会社「Crystal Resort 株式会社」が、設計スタッフを複数名募集中
【ap job更新】 著名建築家とも協業し リゾート物件を企画から手掛ける不動産会社「Crystal Resort 株式会社」が、設計スタッフを複数名募集中
【ap job更新】 著名建築家とも協業し リゾート物件を企画から手掛ける不動産会社「Crystal Resort 株式会社」が、設計スタッフを複数名募集中キャリッジビラ

著名建築家とも協業し リゾート物件を企画から手掛ける不動産会社「Crystal Resort 株式会社」の、設計スタッフ複数名募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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弊社はリゾート物件の企画・開発・分譲をしている不動産会社です。

開発エリアを申し上げると、ニセコ・湯河原・箱根・山中湖・熱海・沖縄本島・石垣島・宮古島等にてホテル・ヴィラ・コンドミニアム等の開発や会員制グランピング施設の開発を行っています。

募集に至った背景として、現在、伊香保、山中湖、湯河原、箱根、熱海にて開発用地を取得済みです。
また、熱海では既存ホテルを取得済みです。

その他、別荘・ヴィラ用地も複数取得済みなので、外部の設計事務所に依頼していた部分を少しでも社内で完結させることにより、事業スピードを加速させて行きたいと考えて今回募集に至りました。

今回の募集人数は4名を考えておりますが、上回る可能性も視野に入れております。
勤務地は六本木一丁目駅にある駅直結の住友不動産六本木グランドタワーです。
じっくり、仕事に取り組める環境を整えました。

あなたにお任せするのは、リゾート施設の設計業務(ホテル・別荘・ヴィラ・グランピング施設)です。
自社開発するホテル・別荘・ヴィラ・グランピング施設、弊社から土地をご購入いただいたお客様の別荘など多岐に渡る設計業務をお任せしたいと思っています。
また、外部の設計事務所とも連携をしていただきます。

参考までに本社の設計は隈研吾建築都市設計事務所様に依頼しました。
現在、進行中の伊香保のプロジェクトは小川晋一都市建築設計様にて進めております。

この様な著名な設計事務所とも様々なエリアで一緒に商品開発をしておりますので、外部の設計事務所の考え方・デザインも取り入れながら、あなたのアイデアが活きた設計プランを社内やお客様に提案して下さい。

その他、飲食店の経営・プロデュース事業も行っており、店舗デザイン・設計にも取り組んでいただきたいです。

大野友資 / DOMINO ARCHITECTSによる、東京・浅草の、クリエイティブスタジオのオフィス兼ギャラリー「nomena I」。施主が組み替え可能な空間の柔軟性の要求に、既存壁にアルミフレームを流し必要に応じ後から部材を取り付け可能にすることで、自発的なカスタマイズを促す
大野友資 / DOMINO ARCHITECTSによる、東京・浅草の、クリエイティブスタジオのオフィス兼ギャラリー「nomena I」。施主が組み替え可能な空間の柔軟性の要求に、既存壁にアルミフレームを流し必要に応じ後から部材を取り付け可能にすることで、自発的なカスタマイズを促す“Untitled (The Phenomena of Asakusa #0901)” , 2021 © Gottingham Image courtesy of Domino Architects, Nomena and Studio Xxingham photo©Gottingham
大野友資 / DOMINO ARCHITECTSによる、東京・浅草の、クリエイティブスタジオのオフィス兼ギャラリー「nomena I」。施主が組み替え可能な空間の柔軟性の要求に、既存壁にアルミフレームを流し必要に応じ後から部材を取り付け可能にすることで、自発的なカスタマイズを促す“Untitled (The Phenomena of Asakusa #0784)” , 2021 © Gottingham Image courtesy of Domino Architects, Nomena and Studio Xxingham photo©Gottingham
大野友資 / DOMINO ARCHITECTSによる、東京・浅草の、クリエイティブスタジオのオフィス兼ギャラリー「nomena I」。施主が組み替え可能な空間の柔軟性の要求に、既存壁にアルミフレームを流し必要に応じ後から部材を取り付け可能にすることで、自発的なカスタマイズを促す“Untitled (The Phenomena of Asakusa #0063)” , 2021 © Gottingham Image courtesy of Domino Architects, Nomena and Studio Xxingham photo©Gottingham

大野友資 / DOMINO ARCHITECTSが設計した、東京・浅草の、クリエイティブスタジオのオフィス兼ギャラリー「nomena I」です。施主が組み替え可能な空間の柔軟性の要求に、既存壁にアルミフレームを流し必要に応じ後から部材を取り付け可能にすることで、自発的なカスタマイズを促す建築となっています。クライアントの公式サイトはこちら

東京浅草に、数多くのアーティストやデザイナーの作品の設計・制作・施工を手掛けるクリエイティブスタジオnomenaのオフィス/ギャラリーを設計した。

建築家によるテキストより

極小の機構から巨大なインスタレーションまで、さまざまなスケールの制作が行われる中で、空間はプロジェクト毎にその都度自分たちで組み替えられる柔軟性が要求された。そこで、スタジオの躯体壁に等間隔の高さでアルミフレームを水平に流して、使い方をすることを提案している。

建築家によるテキストより

罫線のアルミフレームには必要に応じて後から部材を付け足して棚や机にしたり、オプションパーツを組み合わせてものを取り付けたり引っ掛けたりできる。そのままでは使いづらいRCの壁に対して、造作以下の設えを用意することで、触媒としてその後の自発的なカスタマイズを促していく役割を担わせた。

建築家によるテキストより
MVRDVによる、オランダ・ロッテルダムでの建築展「MVRDVHNI: The Living Archive」の会場写真。ファームの30年の歴史を“human” “green” “dream”の視点で表し、1993年に設立されたデジタル生まれの企業として、デジタルアーカイブを探索できるソフトウエアも開発
MVRDVによる、オランダ・ロッテルダムでの建築展「MVRDVHNI: The Living Archive」の会場写真。ファームの30年の歴史を“human” “green” “dream”の視点で表し、1993年に設立されたデジタル生まれの企業として、デジタルアーカイブを探索できるソフトウエアも開発 photo©Aad Hoogendoorn
MVRDVによる、オランダ・ロッテルダムでの建築展「MVRDVHNI: The Living Archive」の会場写真。ファームの30年の歴史を“human” “green” “dream”の視点で表し、1993年に設立されたデジタル生まれの企業として、デジタルアーカイブを探索できるソフトウエアも開発 photo©Aad Hoogendoorn
MVRDVによる、オランダ・ロッテルダムでの建築展「MVRDVHNI: The Living Archive」の会場写真。ファームの30年の歴史を“human” “green” “dream”の視点で表し、1993年に設立されたデジタル生まれの企業として、デジタルアーカイブを探索できるソフトウエアも開発 photo©Florine van Rees

MVRDVによる、オランダ・ロッテルダムのHet Nieuwe Instituutでの建築展「MVRDVHNI: The Living Archive」の会場写真。ファームの30年の歴史を“human” “green” “dream”の視点で表し、1993年に設立されたデジタル生まれの企業として、デジタルアーカイブを探索できるソフトウエアも開発されました。会期は2022年9月4日までとのこと。

以下は、リリーステキストの翻訳です

「MVRDVHNI: The Living Archive」では、MVRDVのヒューマンでグリーンな夢の創造の舞台裏を見ることができます。

現在、Het Nieuwe Instituutで開催中の「MVRDVHNI: The Living Archive」展では、MVRDVのデザイン哲学のルーツに迫ります。HNIの最上階で行われており、隣にあるMVRDVの最新作である「デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲン」を圧倒的な眺望で見ることができます。「The Living Archive」展は、30年間の仕事を多層的に検証するものです。この展覧会では、MVRDVのプロジェクトとその背後にある進化したアイデアを紹介するとともに、作品の背後にあるデザインプロセスや、そうしたマテリアルを後世に残すための課題についても洞察しています。

展示されているプロジェクトは、ダーウィニズムの進化の年表に沿って並び、3つのテーマに分かれています。MVRDVの社会的な意識や人間を中心としたデザインを表す「human」、持続可能な目標を表す「green」、ユーザーに驚きを与えるような大胆で注目すべきプロジェクトを目指すMVRDVの野心を表す「dream」です。

「MVRDVHNI」の展覧会は、アーカイブを公開することを目的としているため、完成したデザインそのものだけでなく、デザインプロセスを示す資料にも焦点が当てられています。模型や写真だけでなく、スケッチや図面、素材のサンプル、クライアントに渡すプレゼンテーション用の冊子、エンジニアやコントラクターとのやりとりまで、さまざまな資料が展示されています。アナログカメラで撮影された写真は印刷されてテーブルの上に置かれ、デジタル写真は会場内に設置された多くのコンピュータ画面で見ることができるなど、可能な限りオリジナルのフォーマットで展示されています。

今回の展覧会では、まさにこのアナログとデジタルの境界線を意識した展示が行われています。MVRDVは1993年に設立された「デジタル生まれ」の企業で、ほとんどがデジタルのアーカイブを作成した最初の世代の企業のひとつです。2015年にアーカイブの最初の400プロジェクトをHet Nieuwe Instituutに寄贈したとき、この規模のデジタルアーカイブは同機関が取得した初めてのものでした。この膨大なファイルのコレクションにアクセスできるようにする従来の方法は失敗したため、アーカイブをさらに明らかにするための革新的なツールが作られました。MVRDV NEXTスタジオが特別に開発したデジタルソフトウェア「ProjectScape」は、訪問者が自分の調査ラインに沿ってプロジェクトを探索することを可能にします。Namelok社のソフトウェアは、MVRDVが撮影した画像に写っている人物を分析し、Giacomo Nanni & Francesca Morini社の検索エンジンは、MVRDVが送受信した何十万通ものメールの中から「サステイナビリティ」という言葉がいつ出てきたのかを確認することができます。

【ap job更新】 株式会社IKAWAYA建築設計が、業務拡大のため 設計スタッフ(正社員)・アルバイトを更に追加募集中
【ap job更新】 株式会社IKAWAYA建築設計が、業務拡大のため 設計スタッフ(正社員)・アルバイトを更に追加募集中
【ap job更新】 株式会社IKAWAYA建築設計が、業務拡大のため 設計スタッフ(正社員)・アルバイトを更に追加募集中Concrete Shell House / 2020

株式会社IKAWAYA建築設計の、設計スタッフ(正社員)・アルバイト募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

※これまで、複数名の採用に至りましたが、更に追加で募集したく掲載しております。

株式会社IKAWAYA建築設計では、「設計スタッフ(正社員)」、「アルバイト」を募集しております。

代表の井川充司は、中村拓志&NAP建築設計事務所にて設計室長を務め「Optical Glass House」をはじめ多数のプロジェクトを担当した後独立。
現在は、「庭から考える」をデザインテーマとし、プロダクトから、マテリアル、家具、インテリア、建築、庭、ランドスケープに至るまで、横断的な設計活動をしています。

そこで私達は、業務拡大に伴い、デザイン力、コミュニケーション力があり、明るく前向きに仕事に取り組める方を複数名募集いたします。

オフィスは世田谷区池尻にある「IID世田谷ものづくり学校」内にあり、多種多様なクリエーターが集まる活気のある環境です。

■主な受賞歴
2020. The International Design Awards Silver
2019. GOOD DESIGN AWARD
2019. 東京建築賞 戸建住宅部門 優秀賞
2019. The International Design Awards Honorable Mention
2018. GOOD DESIGN AWARD
2018. モダンリビング大賞 ベスト6賞
2018. JID AWARD インテリアスペース部門賞(2作品受賞)
2018. The Architecture MasterPrize Winner
2018. A+Award Finalist
2017. GOOD DESIGN AWARD Best100
2017. JCD DESIGN AWARD 金賞

白井晟一が1959年に完成させた世田谷の住宅「アトリエNo.7(旧増田夫妻のアトリエ)」をレポート。白井の孫で建築家の白井原太の修復・改修によって、原形を保ったまま現代の居住性も獲得した建築は、新しい住まい手を待つ
白井晟一が1959年に完成させた世田谷の住宅「アトリエNo.7(旧増田夫妻のアトリエ)」をレポート。白井の孫で建築家の白井原太の修復・改修によって、原形を保ったまま現代の居住性も獲得した建築は、新しい住まい手を待つ南西より見る。 photo©architecturephoto
白井晟一が1959年に完成させた世田谷の住宅「アトリエNo.7(旧増田夫妻のアトリエ)」をレポート。白井の孫で建築家の白井原太の修復・改修によって、原形を保ったまま現代の居住性も獲得した建築は、新しい住まい手を待つ2階の和室(寝室)と吹き抜けは障子の開閉でつながる。 photo©architecturephoto
白井晟一が1959年に完成させた世田谷の住宅「アトリエNo.7(旧増田夫妻のアトリエ)」をレポート。白井の孫で建築家の白井原太の修復・改修によって、原形を保ったまま現代の居住性も獲得した建築は、新しい住まい手を待つ和室内観。障子の開閉で吹き抜け空間と繋がる。 photo©architecturephoto

白井晟一が1959年に完成させた世田谷の住宅「増田夫妻のアトリエ」が現存しており、また保存修復がなされた状態であると聞き、様々なご縁の中で実際に伺うことが叶った。
本記事では、実際に訪れた建築の様子や印象と、実際に保存修復と改修を手掛けた建築家の白井原太が目指したものを紹介する。また本建築は、新たな住み手を待っており、その情報も末尾に掲載する。加えて、改修にあたり本建築は「アトリエNo.7」と名称を新たにしている。それは、白井が手掛けた7番目のアトリエ兼住宅であることに起因するとのこと。本レポートでも「アトリエNo.7(旧増田夫妻のアトリエ)」の名称で紹介する。


白井晟一と言えば、「ノアビル」(1974年)や「親和銀行本店第3期 電算事務センター」(1975年)、「石水館」(1981年)などの、規模が大きく特徴的な素材づかいの建築を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。事実、筆者もその一人であった。特に「石水館」は、地元に建つ建築という事もあり、建築を学び始めた学生時代より何度も通った経験があった。特に印象的だったのは石という素材をふんだんに使われていることと、また単純に合理性で計り知れない、思考や思想が背景にあることを想起させるデザインである。デザインが社会的なものであり、問題解決を目指すものと考えていた当時の筆者にとっては、白井の建築は得体のしれない奥深さを感じさせるものであった。

以下の写真はクリックで拡大します

白井晟一が1959年に完成させた世田谷の住宅「アトリエNo.7(旧増田夫妻のアトリエ)」をレポート。白井の孫で建築家の白井原太の修復・改修によって、原形を保ったまま現代の居住性も獲得した建築は、新しい住まい手を待つ南西より見る。 photo©architecturephoto
白井晟一が1959年に完成させた世田谷の住宅「アトリエNo.7(旧増田夫妻のアトリエ)」をレポート。白井の孫で建築家の白井原太の修復・改修によって、原形を保ったまま現代の居住性も獲得した建築は、新しい住まい手を待つ北側の外観。 photo©architecturephoto
白井晟一が1959年に完成させた世田谷の住宅「アトリエNo.7(旧増田夫妻のアトリエ)」をレポート。白井の孫で建築家の白井原太の修復・改修によって、原形を保ったまま現代の居住性も獲得した建築は、新しい住まい手を待つ南側外観。
白井晟一が1959年に完成させた世田谷の住宅「アトリエNo.7(旧増田夫妻のアトリエ)」をレポート。白井の孫で建築家の白井原太の修復・改修によって、原形を保ったまま現代の居住性も獲得した建築は、新しい住まい手を待つ南東外観。外構は、未来の住み手の要望に合わせて決められるとの事。 photo©architecturephoto

今回訪問する機会を得た「アトリエNo.7(旧増田夫妻のアトリエ)」は、1959年に完成した木造住宅である。案内をしてくれた白井原太によれば、白井建築の歴史を、初期・中期・後期に分けるとすれば、中期に属する作品なのだそうだ。つまり、白井がコンクリートを使用しより規模の大きな建築も手掛けだす時代につくられた木造住宅ということである。
確かに、その外観を眺めてみると、以前の白井晟一が手掛けてきた住宅とは趣が異なる。木の柱が外観でも象徴的に使われていることから、一目で木造建築であると分かるが、和の要素が極力排除されているように感じる。太い柱は横架材や、破風・鼻隠しと共にフレームをつくっている。それは抽象的な建築表現を目指しているようにも見える(余談だが、このフレームの色彩は当時撮影された8mmフィルムを見つけ出し、オリジナルの色が判明したそうだ)。

Buttondesign / 村上譲・菊田康平による、東京・北千住の、旧街道に建つ築80年の古民家を改修・増築した飲食店「板垣・辻・場」。“街の風景を残したい”と物件を取得したオーナーの決断に応え、分離発注で地元職人の協力によって進められた、“街と人との結びつきの復興”をも目指す建築
Buttondesign / 村上譲・菊田康平による、東京・北千住の、旧街道に建つ築80年の古民家を改修・増築した飲食店「板垣・辻・場」。“街の風景を残したい”と物件を取得したオーナーの決断に応え、分離発注で地元職人の協力によって進められた、“街と人との結びつきの復興”をも目指す建築 photo©西川公朗
Buttondesign / 村上譲・菊田康平による、東京・北千住の、旧街道に建つ築80年の古民家を改修・増築した飲食店「板垣・辻・場」。“街の風景を残したい”と物件を取得したオーナーの決断に応え、分離発注で地元職人の協力によって進められた、“街と人との結びつきの復興”をも目指す建築 photo©西川公朗
Buttondesign / 村上譲・菊田康平による、東京・北千住の、旧街道に建つ築80年の古民家を改修・増築した飲食店「板垣・辻・場」。“街の風景を残したい”と物件を取得したオーナーの決断に応え、分離発注で地元職人の協力によって進められた、“街と人との結びつきの復興”をも目指す建築 photo©西川公朗

Buttondesign / 村上譲・菊田康平が設計した、東京・北千住の、旧街道に建つ築80年の古民家を改修・増築した飲食店「板垣・辻・場」です。“街の風景を残したい”と物件を取得したオーナーの決断に応え、分離発注で地元職人の協力によって進められた、“街と人との結びつきの復興”をも目指す建築です。店舗の公式サイトはこちら

2020年11月足立区北千住に「和食板垣」がオープンした。

建築家によるテキストより

この昭和13年築の古民家再生プロジェクトが始まったのは、まだ新型コロナウイルスによる世間の混乱が始まる前の2019年夏、旧板垣邸の目の前で生まれ育ち、江戸時代から現在までこの地で商売をしている葬儀社の社長でもある現オーナーの耳に「旧板垣邸がマンションに変わってしまうのではないか」という噂が入った。そこで『生まれ育った街の風景を残したい』という想いで古民家を飲食店として維持してゆく決断をし、物件の取得から店の構想まで設計、不動産、運営のチームで議論を重ねた後、7ヶ月の施工期間を経てオープンまで漕ぎ着けた。

建築家によるテキストより

施工は分離発注方式を取り、殆どは地元北千住の職人の協力により進められ、街並みを残していくという想いを地域として高めていった。現オーナーはこのタイミングで飲食店として新たな事業を始めて良いのかどうか、葛藤と向き合いながら進めて来たのは言うまでもない。しかし対話し続ける中で見えて来たのは旧板垣邸を残したいという風景への眼差しだけでなく、『人が寄り合える場所をなくしたくない』という街と人との結びつきの復興を願う強い想いだった。


建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス [期間:2021/11/1-11/7]
最も注目を集めたトピックス [期間:2021/11/1-11/7]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2021/11/1-11/7)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 妹島和世による、2021年の東京大学入学式での祝辞の全文
  2. 若林秀典建築設計事務所による、滋賀・米原市の、伊吹山の麓に建つ「米原の家Ⅱ」。冬の寒さ厳しい豪雪地域に、夏は開放的で冬は寒さから守られた住環境を、南北の対比的な開口部の設計で実現
  3. 藤本壮介建築設計事務所が進めている、岐阜の「飛騨高山大学(仮称)本校キャンパス」。飛騨の街と地勢を参照し、“その先”へと開かれた場所というコンセプトを、中央に開かれた丘の配置によって構想したキャンパス計画
  4. 【シリーズ・色彩にまつわる設計手法】第5回 青木淳 インタビュー・後編「色彩の変わり続ける意味合いと面白さ」
  5. 八木佐千子 / NASCA+partnersによる、大阪・寝屋川市の、既存校舎を繋ぐ「同志社香里中学校・高等学校 メディアセンター 繋真館」。既存樹木を生かすことで中庭と共生し、実空間だからこその直接の出会いを尊重した、将来の変化にも対応できる“知の拠点”としてのワンボックス空間
  6. 西下太一建築設計室による、愛媛・松山市の、設計者の自邸「星岡の家」。向かい合う川と山を背景に、建築主体ではなく風景としての美しさを理想とした、多様な時間軸の中で豊かに変容していく建築を構想
  7. 【シリーズ・建築思索360°】第2回 川島範久が語る“REVZO虎ノ門”・“GOOD CYCLE BUILDING 001”と“建築思索”
  8. 東京藝大青木淳研究室による「テンポラリーなリノベーションとしての展覧会②『鳥は泳ぎつづける』」が開催。常に工事が行われる渋谷のビル1階を会場に、展覧会の行為と時間に注目し問い直すことで、空間を変容させると共に都市空間へもアプローチ
  9. MVRDVによる、ロッテルダムの芸術収蔵庫「デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲン」が開館へ。世界初の一般公開された美術品保管施設で、サイズと気候区分で作品を分類し、数多の美術品等の保管・維持管理の裏にある世界を公開
  10. 塩入勇生+矢崎亮大 / アーキディヴィジョンによる、東京・南青山の、住戸を改変したオフィス「INTERIOR」。賃貸で解体等ができない条件下で、デスクの設計を希望した施主の深層にある想いを読みとき、鉄の構造体による“強いインテリア”を実現
  11. 田根剛がデザインアーキテクトを務め、帝国ホテルが2031年から本館の建替えを開始することを発表。考古学的リサーチにより、“東洋の宝石”をコンセプトにした完成予想のパースも公開
  12. 【シリーズ・色彩にまつわる設計手法】 第5回 青木淳 インタビュー・前編「場所の記憶を表現した“水の柱”」
  13. 中本尋之 / FATHOMによる、広島市のヘアーサロン「siki」。回転するモノリスのような鏡が空間を変容させ、店名の“siki=四季”の変化を楽しむように、何気ない景色に変化が生まれる豊かさを楽しむ空間を構想
  14. 澤田航+橋村雄一 / Sawada Hashimuraによる、恵比寿の、CAGE GALLERYでのインスタレーション「Every man is a liar.」。街路に面した窓2つが展示空間というギャラリーで、それぞれの空間を写し合う“立体と平面の両義性を持つオブジェクト”が、曖昧さを孕む“無限の循環参照状態”をうみだす
  15. 宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築
  16. ザハ・ハディドの展覧会「ZAHA HADID DESIGN 展」が、東京・港区のKarimoku Commons Tokyoで開催。ザハのデザイン作品に注目し過去のアーカイブから紹介すると共に、建築モデルも紹介される
  17. 青柳創+青柳綾夏 / アオヤギデザインによる、東京の、設計者の自邸「善福寺の家」
  18. ファラによる、進行中のプロジェクトのドローイングと現場写真を組み合わせた「”ongoing”, by fala」。“視覚的な実験”と位置付け、10のプロジェクトのドローイングと現場写真の組み合わせで構成され、篠原一男の言葉を引用して説明
  19. 古谷誠章+NASCAによる、徳島・板野郡の、幹線道路沿いの医療施設「こうのINRクリニック」
  20. 妹島和世+西沢立衛 / SANAAによる、TOTOギャラリー・間での建築展「環境と建築」のレポート。進行中のプロジェクト模型中心に構成され、展示物の組み合わせや配置を現場で徹底的に検証調整することで、会場構成による体験自体も建築として捉えられるような展覧会

ファラによる、進行中のプロジェクトのドローイングと現場写真を組み合わせた「”ongoing”, by fala」。“視覚的な実験”と位置付け、10のプロジェクトのドローイングと現場写真の組み合わせで構成され、篠原一男の言葉を引用して説明
ファラによる、進行中のプロジェクトのドローイングと現場写真を組み合わせた「”ongoing”, by fala」。“視覚的な実験”と位置付け、10のプロジェクトのドローイングと現場写真の組み合わせで構成され、篠原一男の言葉を引用して説明125。※ファラは各作品をナンバリングしている。 image©fala
ファラによる、進行中のプロジェクトのドローイングと現場写真を組み合わせた「”ongoing”, by fala」。“視覚的な実験”と位置付け、10のプロジェクトのドローイングと現場写真の組み合わせで構成され、篠原一男の言葉を引用して説明125。 photo©fala
ファラによる、進行中のプロジェクトのドローイングと現場写真を組み合わせた「”ongoing”, by fala」。“視覚的な実験”と位置付け、10のプロジェクトのドローイングと現場写真の組み合わせで構成され、篠原一男の言葉を引用して説明102。 image©fala
ファラによる、進行中のプロジェクトのドローイングと現場写真を組み合わせた「”ongoing”, by fala」。“視覚的な実験”と位置付け、10のプロジェクトのドローイングと現場写真の組み合わせで構成され、篠原一男の言葉を引用して説明102。 photo©fala

ファラによる、進行中のプロジェクトのドローイングと現場写真を組み合わせた「”ongoing”, by fala」。“視覚的な実験”と位置付け、10のプロジェクトのドローイングと現場写真の組み合わせで構成され、篠原一男の言葉を引用して説明しています。

ファラは、フィリップ・マガリャインシュ(filipe magalhães)、アナ・ルイサ・ソアレス(ana luisa soares)、アーメッド・ベルホジャ(ahmed belkhodja)の3人が主宰する建築設計事務所で2013年に設立されました。それぞれ、SANAA、伊東豊雄、アトリエ・ワンという日本の設計事務所に勤務やインターンした経験をもつことも特徴です。またフィリップとアナは、日本滞在中は中銀カプセルタワーに居住していました。

こちらは、建築家によるテキストの翻訳

篠原一男は、かつて、建築とは50%の建設と50%の写真である、と言っています。しかし、コインには実は3つの顔があり、縁の部分が最も美しいことが多いのです。

藤本壮介建築設計事務所が進めている、岐阜の「飛騨高山大学(仮称)本校キャンパス」。飛騨の街と地勢を参照し、“その先”へと開かれた場所というコンセプトを、中央に開かれた丘の配置によって構想したキャンパス計画
藤本壮介建築設計事務所が進めている、岐阜の「飛騨高山大学(仮称)本校キャンパス」。飛騨の街と地勢を参照し、“その先”へと開かれた場所というコンセプトを、中央に開かれた丘の配置によって構想したキャンパス計画
藤本壮介建築設計事務所が進めている、岐阜の「飛騨高山大学(仮称)本校キャンパス」。飛騨の街と地勢を参照し、“その先”へと開かれた場所というコンセプトを、中央に開かれた丘の配置によって構想したキャンパス計画
藤本壮介建築設計事務所が進めている、岐阜の「飛騨高山大学(仮称)本校キャンパス」。飛騨の街と地勢を参照し、“その先”へと開かれた場所というコンセプトを、中央に開かれた丘の配置によって構想したキャンパス計画

藤本壮介建築設計事務所が設計を進めている、岐阜の「飛騨高山大学(仮称)本校キャンパス」です。飛騨の街と地勢を参照し、“その先”へと開かれた場所というコンセプトを、中央に開かれた丘の配置によって構想したキャンパス計画となっています。

コンセプト:「その先」へと開かれた場所

美しい山並みに囲まれたこの飛騨の街全体が、人々が集い語らう一つの大きな学びの広場です。
同時にこの山々は「その先」へと意識を開いてくれます。包まれているからこそ、集い、その先へと思いが開いていく。

地域に根差しながら同時に世界へと繋がっていく。
飛騨高山大学(仮称)のビジョンそのものが、すでにこの飛騨の街と地勢に現れています。

キャンパス計画でも、そんな「包まれていること」「その先へと開いていること」を体感できるように、中央に開かれた丘を配置しました。学生や教員、地域の方々が、自由に交流し、その先の世界へと意識が繋がるようなキャンパスをつくりたいと思います。

リリーステキストより

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