中山英之への、会場構成した展示「モネ―光のなか」の技術的側面と設計意図について聞いているインタビューが、美術展ナビに掲載されています。アーキテクチャーフォトでは展覧会公式の会場写真と中山による解説を特集記事として掲載しています。展覧会は箱根のポーラ美術館で2021年3月30日まで開催中。
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Atelier Tsuyoshi Tane Architectsが設計した、フランス・パリの「レストラン・メゾン」です。店舗の公式サイトはこちら。
パリ11区の古くからあるワインカーヴをレストランに改装するプロジェクト。フランスのガストロノミー界に衝撃を与えた「クラウン・バー」でシェフを務めた渥美壮太氏が腕を振るう店の名前は「メゾン」。フランス語で<家>を意味し、訪れたゲストを家に招いたような温かい雰囲気で出迎えるというコンセプトが込められている。
1階へ入るとまず、大きなソファが置かれたゆったりと寛げるラウンジがあり、まるで家で過ごすかのように、ゆっくりとした時間を楽しめる。階段を上がると、オリジナルのガラス屋根から差し込む自然光に照らされたオープンキッチン。そのほど近くにはカウンターだけでなく、20人でシェアできる長さ8mのターブルドットを配し、自宅の食卓を囲むような温かい空間が広がる。
レストラン全体を印象付ける温かい土色は、メゾンがフランスの大地から生まれた食材を使った料理でゲストをもてなすことを意味し、それは床や壁のマテリアルを選ぶ際にテラコッタを採用することにも繋がった。南仏、ボルドー、フォンテンブローなどフランス各地から集められたリサイクルされたテラコッタは床と壁合わせて22,000枚、赤みの強いものや茶色のものとひとつひとつがそれぞれ豊かな表情や歴史を持つ、濃淡も色調も様々だ。
ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の「How will we live together?」をキュレーションしたハーシム・サルキースへのインタビュー動画です。タイトルは「Architecture Is A Medium That Can Make A Difference(建築は変化をもたらす媒体である)」です。企画展の様子はアーキテクチャーフォトでも特集記事として紹介しています。
アーティストのオラファー・エリアソンによる、スイス・バーゼルのバイエラー財団での展覧会「LIFE」の夜間公開の様子を紹介する動画です。制作はVernissageTVです。会期は2021年7月まで(詳細な日程は決まっていないようです)。
以下に、展覧会の画像と、オラファーによるテキストの翻訳を掲載します。より多くの写真やテキストは、アーキテクチャーフォトの特集ページに掲載しています。
ここ数年、生命を人間中心の視点ではなく、広く生物中心の視点で考える取り組みに興味を持つようになりました。展覧会を見ていると、名詞を動詞に変えたり、人間がきちんと想像できる範囲を超えた視点に気づくために、例えば、「to tree」にしてみたりしています。想像してみてください。
人間の生命は、他の哺乳類と同様に、吸って吐いて、酸素に依存しています。人類学者のナターシャ・マイヤーズやティモシー・チョイの言葉を借りれば、人生とは「共謀すること」でもあると言えます。私たちは、木と、人と、そして地球と共謀しています。
私たちの生活は、周囲の環境や、ローカルなコンテクストをはるかに超えた構造やシステムと密接に絡み合っていることを認識すると、私たちは誰もが脆弱であり、完全にコントロールできるわけではないということを学ぶのではないでしょうか。私たちは、不確実で結果がはっきりしない状況の中で行動し、交流しています。
人類学者のアンナ・L・ツェンの言葉です。
「かつては、災難は恵まれない人の運命のように思われていました。今では、私たちの生活は、たとえ今のところポケットの中が潤っていても、すべて不安定であるように思えます。」私の作品「ライフ」、そしてバイエラー財団は、周囲の公園や都市の景観、そして地球と絡み合っており、そこで出会うすべてのものや人々を通して命を吹き込まれています。
隈研吾建築都市設計事務所のウェブサイトに、東京・調布市の「桐朋学園宗次ホール」の写真が10枚掲載されています。
日本を代表する音楽大学、桐朋学園音楽部門キャンパスに建つ「木」の音楽ホール。
ヒノキと杉のハイブリットのCLTパネルによる折板構造の木造建築であり、そのCLTがそのままホールの内装材、反射板としても用いられている。
すなわち、建物全体が巨大な木の楽器として設計することに挑戦し、桐朋学園にふさわしい最高の音環境が実現した。
外観は楽器の弦に着想を得た木製ルーバーでリズミカルに覆い、楽器そのもののような、響く建築を創造した。

SHARE ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の企画展「How will we live together?」の会場写真。世界の46カ国から112名が参加
- 日程
- 2021年5月22日(土)–11月21日(日)



ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の企画展「How will we live together?」の会場写真です。日本からは建築家の海法圭が出展しています。出典作家のリストはこちらで閲覧できます。現時点で写真が公開されていない作品もあり、全てを網羅出来ていないことをご了承ください。
こちらはキュレーターのハーシム・サルキース(Hashim Sarkis)によるステートメントの翻訳
どうやって一緒に暮らすか?(How will we live together?)
2021年ビエンナーレ建築展のテーマ
私たちは新しい空間的な接触(spatial contract)を必要としています。政治的な隔たりが広がり、経済的な不平等が拡大している中で、私たちが寛大に共に生きることができる空間を建築家に求めます。
・個人化が進んでいるにもかかわらず、デジタルとリアルの空間を超えて、お互いに、そして他の種とつながりたいと願っている人間としての「共に」。
・より多様で尊厳のある居住空間を求める新しい世帯としての「共に」
・エクイティ、インクルージョン、空間的アイデンティティーを求める新興コミュニティとしての「共に」
・政治的な境界線を越えて、新しい関係の地理を想像する「共に」
・危機に直面している地球は、私たち全員が生き続けるためにグローバルな行動を必要としており、その為に「共に」
第17回ヴィエンナーレ国際建築展の参加者は、アーティスト、建築家、エンジニア、職人だけでなく、政治家、ジャーナリスト、社会科学者、一般市民など、他の職業や構成員と協力しています。つまり、2021年の建築展は、建築家が空間的な接触の友好的な締結者であり、管理者であるという重要な役割を主張しているのです。
それと並行して、本展では、建築はその物質的、空間的、文化的な特異性において、私たちが共に生きる方法にインスピレーションを与えるものであると主張します。その意味で、参加者の皆様には、メインテーマの中で、建築的にユニークな側面を強調していただきたいと思います。
こちらはリリーステキストの一部の翻訳
この国際展覧会には、46カ国から112名の参加者があり、アフリカ、ラテンアメリカ、アジアからの参加者が増えており、女性の参加者も多くなっています。展覧会は5つのスケールで構成されており、3つはアルセナーレに、2つは中央パビリオンに展示されています。それらは「多様な生物の中で」「新しい家庭として」「新たなコミュニティとして」「国境を越えて」「ひとつの地球として」とテーマづけられています。
この展覧会の一部は「How will we play together? 」と題され、子供の遊びに特化したプロジェクトを設計した5人の国際的な参加建築家による作品が、フォルテ・マルゲーラに展示され、一般公開されています。
また、今回はコンペ以外の参加作品もあります。
Station + Co-Habitatsは、世界中の大学の研究者(AAスクール、ベイルート・アメリカン大学、バートレット、コロンビア大学、クーパーユニオン、スイス連邦工科大学チューリッヒ校、エチオピア建築工科大、ハーバード大学、香港大学、ベニスのIuav大学、KITカールスルーエ、KUルーベン、ライス大学、MITの研究グループのコンソーシアムであるベニスラボ)によって開発された相対的なケーススタディによる5つのスケールの研究です。イスラエル人アーティスト、ミハエル・ロブナーの中央パビリオンへの特別参加、スタジオ・アザー・スペース(オラファー・エリアソンとセバスチャン・ベーマンが代表)による、参加者全員が参加する「Future Assembly」の展示、スポーツをテーマにしたジャルディーニの屋外インスタレーション「How will we play sport together?」また、ヴスラット財団によるスペシャルイベントでは、アルセナーレでジュゼッペ・ペノーネのインスタレーションが展示されます。

SHARE ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真。合計350枚以上の豊富な写真で紹介(パート4)
- 日程
- 2021年5月22日(土)–11月21日(日)



ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真を、350枚以上の豊富な写真で紹介紹介します。こちらの記事は「パート4」となります。
※現時点で写真が公開されていないパヴィリオンについては、テーマのみの紹介となっています。公開され次第、追掲載する予定です。
- 各国パヴィリオンのテーマと会場写真(パート1)
- 各国パヴィリオンのテーマと会場写真(パート2)
- 各国パヴィリオンのテーマと会場写真(パート3)
- 各国パヴィリオンのテーマと会場写真(パート4)

SHARE ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真。合計350枚以上の豊富な写真で紹介(パート3)
- 日程
- 2021年5月22日(土)–11月21日(日)



ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真を、350枚以上の豊富な写真で紹介紹介します。こちらの記事は「パート3」となります。
※現時点で写真が公開されていないパヴィリオンについては、テーマのみの紹介となっています。公開され次第、追掲載する予定です。
- 各国パヴィリオンのテーマと会場写真(パート1)
- 各国パヴィリオンのテーマと会場写真(パート2)
- 各国パヴィリオンのテーマと会場写真(パート3)
- 各国パヴィリオンのテーマと会場写真(パート4)

SHARE ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真。合計350枚以上の豊富な写真で紹介(パート2)
- 日程
- 2021年5月22日(土)–11月21日(日)



ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真を、350枚以上の豊富な写真で紹介紹介します。こちらの記事は「パート2」となります。
※現時点で写真が公開されていないパヴィリオンについては、テーマのみの紹介となっています。公開され次第、追掲載する予定です。
- 各国パヴィリオンのテーマと会場写真(パート1)
- 各国パヴィリオンのテーマと会場写真(パート2)
- 各国パヴィリオンのテーマと会場写真(パート3)
- 各国パヴィリオンのテーマと会場写真(パート4)

SHARE ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真。合計350枚以上の豊富な写真で紹介(パート1)
- 日程
- 2021年5月22日(土)–11月21日(日)



ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真を、合計350枚以上の豊富な写真で紹介紹介します。こちらの記事は「パート1」となります。
※現時点で写真が公開されていないパヴィリオンについては、テーマのみの紹介となっています。公開され次第、追掲載する予定です。
- 各国パヴィリオンのテーマと会場写真(パート1)
- 各国パヴィリオンのテーマと会場写真(パート2)
- 各国パヴィリオンのテーマと会場写真(パート3)
- 各国パヴィリオンのテーマと会場写真(パート4)
フリーダ・エスコベドが2020年に完成させた、メキシコの住宅「Casa Julia」の写真が5枚公開されています。2018年のサーペンタイン・パヴィリオンの設計者にも選ばれている女性建築家。



ODS / 鬼木孝一郎による、東京・千代田区の店舗「SHIRO ルミネ有楽町店」です。店舗の公式サイトはこちら。
特注成形した左官タイルで空間に奥行きを与える
自然の素材にこだわった製品を提案するコスメブランド「SHIRO」のショップデザイン。
有楽町駅に隣接したショッピングモール内の小さな区画となっている。
壁面の上部は天然素材をベースとした左官材を現場でコテを使って塗り込み、下部の腰壁部分は同じ左官材を使ってタイル状に特注成形したものを仕上げとした。同じ素材を使い、二つの異なる方法で仕上げることにより、この小さな区画に一体感をもたせながら、奥行きのある空間を作り出した。
一枚一枚手作業で作られたタイルは、自然の素材を丁寧な仕事で製品に活かすSHIROのものづくりへの想いを表現するものとなっている。



遠藤克彦建築研究所が設計した、東京・大田区の住宅「系の家(つなぐのいえ)」です。意匠・構造・設備を統合による、‟新しく建てること”の先にある‟持続と更新”を意識し計画された建築です。
敷地は都内でも比較的子育て世代や高齢者にとって住みやすい、最寄りの駅から徒歩5分の良好な環境の住宅地にある。
この建物で試みたのは、「新しく建てること」の先にある「持続と更新」を意識した計画である。ライフスタイルの変化に対応する「ブルータルな表現を持つコンクリートの躯体」と「視認できる設備機能」によってその可能性を実装している。基本構成として1階2階ともに一室空間にて設え、無機質な工業用収納棚とワイヤー吊りの反射素材カーテンにて、必要な時に必要なだけを間仕切る仕様としている。
建物は柱250角を基本に壁厚180mmの耐震壁付ラーメン構造を採用し、柱と梁を一体化させている。そのRC壁の外側には、壁で75mm、屋根で100mmの打込み断熱材を施し、さらにその外側に通気層を据え、ガルバリウム鋼板で全体を包み込んだ外断熱構法とした。開口部サッシも躯体へは直接取り付けせず、徹底的な断熱効果を図っている。
空調計画としては、床下に施された水蓄熱システムにより、コンクリートスラブ躯体へは直接蓄熱され、また室内で温められた空気は壁躯体や屋根コンクリート躯体へ蓄熱することによって、年間を通して緩やかな温熱環境の維持を叶えている。この水蓄熱システムは常時5トンの水を蓄えており、自然災害等の発災時には近隣へ生活水を提供できるという社会的貢献性も備えている。


津野建築設計室の、【募集職種】募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
現在津野建築設計室は、正規スタッフを募集しております。
代表の津野は古谷誠章さん主宰のナスカで、「詩とメルヘン絵本館」やご自邸である「ZIG HOUSE ZAG HOUSE」などの初期プロジェクトを担当し、独立しました。そこで、敷地や要望に丁寧に向き合いつつ、本質的な空間のあり方を考えることで、小さな規模のプロジェクトでも、大きな意義のある建築を作ることができることを学び、独立以後もそのことを常に意識して建築に向き合っています。
また、AIやBIMなどの技術の発達が著しい時代ですが、建築の基本である三次元を二次元化し、機能・法規・周辺環境・デザインなどの諸条件を落とし込んだ図面を、書いたり読んだりするスキルを、プロジェクトをコントロールする人間が身につけていることは重要だと考えています。
小さな規模のプロジェクトが多い事務所ですが、その分入社したら担当作品を持ち、プロジェクトの初期から現場に入ってからの詳細図まで全て関わることで、建築が立ち上がっていく成り立ちをつぶさに習得することが可能です。将来独立して住宅設計を手がけていきたいとお考えの方が、スキルを身につけるには適した事務所です。
住宅設計や家具デザインに興味があり、熱意のある方、ご応募お待ちしております。



伊達翔+後藤周平が設計した、兵庫・神戸市の住宅「公園に暮らす家」です。
1170年の歴史を持つ弓弦羽神社の参道入口にもなっている、地域住民に親しまれた公園に面する住宅。公園の外周には大木が配され、四季の移ろいが感じられる花々が美しく咲き誇る。この公園と共に暮らす生活をイメージした。
敷地は公園前から道路を挟んだ南側に位置する、間口5m奥行17mという鰻の寝床形状。
この細長い敷地の最奥まで、どのように公園の風景を取り込むかが課題となった。そこで水平方向では、狭い間口をあえて縦長に分割し、西側に水回りや階段を集約。東側に公園から奥庭まで抜けるオープンな筒状の床を3層確保した。
さらに分割したボリュームを南北にずらし、そこで生まれた余白を公園から距離を置いたアプローチとL型に囲まれたベランダとした。ベランダは浴室やキッチン、サニタリー、奥庭に面したプライベートな場となり、また南側からの日照や通風を確保する役割を果たしている。
構造は、公園の連続する樹木の幹と呼応する軽やかな木造在来工法を選択。公園から続く筒状の空間の中に柱、梁、筋交いの架構を連続的に見せることで、公園の木々が室内にまで入り込むように意識した。さらに公園の大木が最も美しく見えるレベルをアイレベルに合わせることで、緑が直接視界に飛び込んでくる。



村上智也 / BENDSが設計した、大阪市の「いづる保育園 うつぼ」です。
公園に向かってガラスルーバーで構成されたモダン建築の1F2F部分に新しく開園するいづる保育園うつぼ。
6Mの吹き抜けと大きなガラス窓を持つスペースから得ることができる陽の光とどのように関係性に注力したプロジェクトです。
四季によって入射角の変わる陽の光を一年中空間にとどめたいと考え、公園側に少し傾けたカーブした黒谷和紙の天井を吹き抜け上部に設け、柔らかく光を空間にリフレクトさせています。
手すきの和紙はもともと一枚一枚表情が異なるのですが、今回はハタノさんからの提案で更に3種類の楮の量が異なった和紙を使用しています。
子供達に無邪気に全力で光と戯れて欲しいと願い、シンプルな平面構成にすることでワンルーム化し可動の建具で仕切れ、細部には衝突時の配慮としてR加工した部材、カーブした垂直面を用い、手すりなどなるべく突起する部分を減らすなど考慮しています。
シンプルな構成を実現するために設備計画や法的調整に多く時間を費やし、陽の光を直接に感じられるポイントを各所に散りばめ、そこにできる陰影も遊びに取り込んで欲しいと考えました。