SHARE 2023年12月にアーキテクチャーフォトで注目を集めた記事トップ40
アーキテクチャーフォトで、2023年12月に注目を集めた記事をランキング形式でご紹介します。
- 鈴木理考建築都市事務所+座二郎+高橋みのり による、東京の、建蔽率50%の敷地を最大限活用する為に屋根のないリビングを計画した住宅「オープンスカイハウス」
- 相坂研介設計アトリエによる、東京・世田谷区の「代田の住宅」。間口が狭く隣地から見下ろされる敷地。明るさや広さの最大化を求め、反射光を呼込む“ライトコート”を含む“大小4つの外部空間”を援用する建築を考案。植栽や屋根の形状等で周囲の視線からプライバシーも守る
- 御手洗龍建築設計事務所による、埼玉・所沢市の複合ビル「Grove」。“無機質な高層化”が進む街中の細長い敷地。環境と動的な関係を紡ぐ“新たな積層建築”を求め、ひとつの規則に縛られない“筋書のない建築”を志向。雑木林の様な構造体を頼りに“アドホック”な設計を積み重ねる
- ヘザウィック・スタジオが低層部デザインを手掛けた、東京・港区の「麻布台ヒルズ」。都心の約2.4haの敷地に計画。東京の建物が密集する多様性を称賛し、施設を“立体的で探索可能”なランドスケープと組合せる設計を志向。エグゼクティブアーキテクトとして日本設計・日建設計・山下設計も参画
- 諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える
- 安藤忠雄による、オーストラリア・メルボルンの「MPavilion 10」。建築家が招聘されパヴィリオンを造る企画の10番目の作品。人々の記憶に永遠に残る存在を求め、古代からの秩序をもたらす手段“原初の幾何学形態”を用いた建築を考案。人間の想像の原点となる“余白”を生み出す
- 藤本壮介+東畑建築事務所+梓設計による、2025年大阪・関西万博の「大屋根(リング)」。外側高さ約20mで内径約615mの世界最大級の木造建築。会場の主動線として交通空間であると共に、雨風等を遮る快適な滞留空間としても機能。屋上には緑の丘が広がり瀬戸内海の景観を眺望
- ツバメアーキテクツによる、神奈川・相模原市の「虫村 第一期工事」。山間部の“移住をサポートする実験場”としての集落。移住にまつわる諸問題を解決する存在を目指し、母屋・三軒長屋・仕事場を中心とする場を構想。第1期の完成した母屋は多様な人々を迎えるホールをメインに構成
- 徳野由美子建築設計事務所による、福岡市の住戸改修「梅光園の家」。団地の正方形に近い形状の区画。外部環境の享受を求め、間口幅を活かしたバルコニーに面する“家族のくつろぎの空間”から光と風が住戸全体に行渡る構成を考案。明確なゾーニングは家族に必要な距離感の創出も意図
- 五十嵐理人 / IGArchitectsによる、埼玉の「市松の家」。住宅街の角地に計画。暮らしの変化に柔軟に応える存在を目指し、諸機能を収めた“大きな壁柱”を対角線上に配置してスラブを片持ちで支える建築を考案。柱と床を行き来して“思い思いの場で生活できる”空間を作る
- 稲山貴則建築設計事務所による、神奈川・逗子市の「緑道の家」。奥側で“緑道”に面する旗竿敷地に計画。豊かな環境を最大限に導入する空間を求め、床レベルと窓配置等の操作で歩行者の視線を意識せず“自然を眺められる”内外の関係性を構築。緑道と共に過ごす生活を提案する
- noizによる、京都市の宿泊施設「ABiz Hotel」。歴史的風情と現代の賑わいを併せ持つ地域に計画。新旧の性質の共存を求め、伝統建築の要素を抽象化して再構成したファサードを持つ建築を考案。縦格子等に“川面の揺らめき”を思い描いたデジタルパターンも用いる
- 佐藤陽+馬場亮平+和田彦丸 / OOOarchitectureによる、東京・北区の「CAT TOWN GREEN HOUSE」。“最低”高さ制限のある短冊敷地に建つ“二階建”住宅。与条件となった“気積”を主要素として、施主の望んだ“猫と植物が幸せに暮らせる”空間を志向。天井高の配分と開口部の配置で“光に満ちた空間”を作り出す
- 原山大+村上芙美子 / HaMAoによる、広島・尾道市の二世帯住宅「向島の家」。本土から島へ移住する家族の住まい。近隣との関係性の構築を主題とし、新たな建築を“既に存在する周囲の多様な状況”と繋ぎ合わせる設計を志向。庇や外壁等の様々な要素が敷地境界を越えて周りと関わるように作る
- 阿部悠子設計アトリエによる、熊本市の二世帯住宅「本山の自邸」。住宅等が建て込む地域に計画。近隣との距離の確保を求め、“閉じた家型のヴォリューム”の中に設けた“細長い中庭”を中心に生活が展開する構成を考案。環境との繋がり方を操作した中庭で雑多な状況も美しく見せる
- 小松隼人建築設計事務所による、広島・呉市の「Oshigome Base」。事務所と住宅に加え“会所”機能を持つ建築。地域に貢献する存在を求め、庭と一体となる“かつての民家の庭先”の様な“セミパブリックな性質”の空間を考案。外観を特徴づける“草屋根”は周辺環境との連続も意図
- 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
- 武保学 / きりんによる、三重・伊賀市の住宅「森の中の浮き床」。山あいの広大な敷地に計画。周囲の木々の植生の変化に着目し、環境を“ここにしかない”風景として実感できる建築を志向。外まで伸びる“十字壁”で空間を分割し其々の領域と風景を関係づけるように開口部を設計
- 井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studioによる、神奈川・鎌倉市の「木洞窟の住居」。日照が懸念される“谷”の様な敷地に計画。与件の下に“明るい空間”を求め、建面を限度まで使ったヴォリュームの上階に3つの吹抜を設けて採光する構成を考案。大きな気積で家族間の“心地よい距離感”も生み出す
- 村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、東京の住戸改修「足立小台のアパートメント」。一階の庭のある区画での計画。限られた面積で“豊かな住空間”を作る為、暮らしの原点に立ち返る対話を行い“特定の寝室を持たない”生活に着到。個室の無い“曖昧な平面”とし床の高低差や素材の切替で空間を構築
- 山田優+小阿瀬直+大嶋励 / SNARK Inc.による、東京・渋谷区のギャラリー「NANZUKA UNDERGROUND」。実験的な姿勢のアートギャラリーの為に新築で計画。法規制と要望から形態を導き出し、所属作家が外壁ペイント等を施して“それ自体がアートピース”となる建築を具現化。屋外部分も展示可能なように素材等を選択
- 小山光+KEY OPERATIONによる、東京・豊島区の「池袋テラスビル」。駅前の間口の狭い敷地に建つ商業ビル。隣接建物の後退に着目し、角部に積層させたテラスが“大きな袖看板”の様に賑わいを周知する建築を考案。軒裏を第二のファサードと捉えて意識的な素材選択と照明計画も行う
- 倉俣史朗の椅子「ミス・ブランチ」が、サザビーズのオークションのデザイン製品として、史上最高額で落札
- 建築家の千葉学と西澤徹夫の対談「穴が開くほど見る―建築写真から読み解く暮らしとその先 第9回」の動画がLIXILのサイトで期間限定で無料配信。其々が選んだ、アルド・ファン・アイク、吉村順三、OMA、香山アトリエ/環境造形研究所の作品の写真を題材に、建築と写真の関係性や可能性を議論
- 小田真平建築設計事務所とランディ・マリエ・ジェンセンによる、大阪市の住戸改修「弁天の住居」。施主の日本滞在用の住まい。自身が考える日本の“伝統的空間”の導入を目指し、和紙で仕上げた“透過性”の異なる二つの面を用いて“その先を連想させる”空間を構築。既存を活かし最小限の解体と追加で完成させる
- BIGによる、ブータン・ゲレフーの、マスタープラン「マインドフルネス・シティ」。1000km2を超えるエリアに新たな経済拠点を作る計画。国の文化や精神性に基づいた建築を目指し、地域の建材や様式を参照する建築を志向。国際空港・水力発電ダム・人が住める橋などが構想される
- 畝森泰行による、プリズミックギャラリーでの建築展「ゆっくり庭をつくるように」。進行中の中学校のプロジェクトをメインに据えた展示。建築の“不確かで曖昧な”側面に着目し、それを“庭”と呼んで展覧会のテーマにも設定。他作品のドローイングや模型も並置して“関係性や時間の流れ”も見せる
- 伊庭野大輔と藤井亮介による、大阪・箕面市の「スプラインの住宅」。住宅地の端で森に隣接する敷地。緑との“豊かな関係性”構築を目指し、曲面で囲まれたテラスで“立体的な回遊性”と内部からの“多様な風景”を生成。木造の制約を意識させない“自由な建築”も意図
- ヘルツォーグ&ド・ムーロンによる、サンフランシスコの20世紀初頭に完成した発電所を改修した複合施設「Power Station」。約12万㎡の湾岸地域の再開発計画の一部として計画
- OMA / デイヴィッド・ジャーノッテンによる、オランダのオフィスビル「アポロラーン171」。近代的なビルと歴史的な住宅が混在する緑豊かな大通り沿いの敷地。近隣との結びつきを求め、ファサードに“ガラス”と“レンガ”を用いた二面性を備えた建築を考案。既存建物の基礎を活用し廃棄量を最小限に抑える
- 二俣公一 / ケース・リアルによる、佐賀・唐津市の「Whale Brewing」。空家増加の課題を抱える町の古民家を改修した醸造所。地域の活気への貢献を求め、内側が“通りに滲み出る”ように二層吹抜のガラスファサードの建築を考案。既存空間の強さと新機能を掛け合わせランドマークを作る
- スキーマ建築計画の長坂常へのインタビュー「予算から自由になるための創意」。“デザイン手法”から“事務所の運営”までも語る内容。聞き手をCHArの連勇太朗が勤める
- 清正崇建築設計スタジオと若井和典による、北海道・余市郡の住宅「Niki-K」。施主が営む葡萄畑とワイナリーに隣接する敷地。周囲との関係性の構築と内部からの眺望を考慮し、コールテン鋼を用いた外観と畑を俯瞰するリビングを備えた建築を考案。自然と建築が“お互い高め合う”風景を作る
- ザハ・ハディド事務所による、中国・珠海市の「珠海金湾市民芸術センター」。舞台芸術・科学・美術の三施設を内包する建築。現代の創造拠点として、公共広場を中心に諸機能を配置し“渡り鳥の飛行パターン”を参照した形の屋根で覆う構成を考案。特徴的な屋根は施工性や機能性も考慮して設計
- MVRDVによる、ドイツ・ベルリンの「Atelier Gardens Haus 1」。映画スタジオの再開発の一環として施設の入口近くの既存ビルを改修。キャンパスの象徴を目指し、鮮やかな黄色と屋上まで続く外部階段を特徴とする建築を考案。持続可能性を考慮した建材と設備で建物の寿命も伸ばす
- ザハ・ハディド事務所による、チェコ・プラハの複合ビル「マサリチカ」。歴史的な駅と一体化し公共広場も提供する建築。旧市街の建築や都市と呼応するファサードを備えると共に、ホームや駅周辺の様々な場所への交通路を再編。上層のオフィスでは各フロアから屋外テラスへの出入りも可能
- 小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる
- 早坂直貴+斧田裕太 / 邸宅巣箱による、神奈川・葉山町の住宅「ポジティブ・イミテーション」。海沿いの別荘地に計画。イミテーション肯定での“豊かな建築体験”の創出を意識し、眺望確保の為の“仮想の崖”の上に“大開口の平家”を載せる構成を考案。模造品を“現代技術の結晶”として捉え“美点”を見出す
- トラフ建築設計事務所による、京都・下京区の、店舗「Aesop 京都髙島屋店」。百貨店内のモノトーンの共用部に面する区画。店がオープンする秋の京都の景色に着想を得て、イチョウを想起させる“黄金色のカーペット”を敷詰めた空間を考案。商品棚には“幹”を思わせる濃い色調の合板を用いる
- 萬代基介による、東京・港区の「WALL_alternative」。古いビルの一室を改修した“オルタナティブスペース”。積み重なった塗装の剥離から計画を始め、壁や柱の研磨等で“自然が持つ不均質さ”をまとった空間を創出。既存の段差を削り出して岩の様な質感の“崖”も作る