



MVRDVによる、シンガポールの集合住宅「アーウェル・ヒル・レジデンス」です。
同国で普及する“プレハブ型モジュール建築”をアップデートする計画です。建築家は、繰り返しで単調になりがちなファサードを変える為に、各ユニットを“1つのピクセル”として扱って金属フレームで凹凸をつくるデザインを考案しました。ベースとしているプレハブ建築は、ADDPアーキテクツによるものです。
こちらはリリーステキストです(翻訳:アーキテクチャーフォト / 原文は末尾に掲載)
MVRDVのピクセル状ファサードデザインが、シンガポールのプレハブ型モジュールタワーに多様性と個性をもたらす
シンガポールのアーウェル・バンク・ロードにおいて、MVRDVによって提供された活気あるピクセル状のファサードデザインを備えた36階建ての住宅タワー2棟が完成しました。シンガポールを拠点とするADDPアーキテクツによる高効率なプレハブ型モジュール建築デザインを基にして、MVRDVの多様なファサードは建物の外観に活気を与え、24番目のフロアと屋上にある緑豊かな共用スペースを際立たせています。このデザインは、効率性とコスト効果が個性や独自性と喜んで共存できることを示すための、MVRDVの作品群における最新作です。
シンガポール証券取引所に上場する大手不動産会社シティ・ディベロップメンツ・リミテッド(CDL)によって開発されたアーウェル・ヒル・レジデンスは、MVRDVがシンガポールの都市中心部にある建物に初めて協働したことを示すものです。この開発は、シンガポールを拠点とする建築事務所ADDPアーキテクツによって設計され、PPVC(プレハブ化された仕上げ済み立体構造)という工法が用いられました。これは、仕上げ済みの内装や外装を含む部屋全体を工場で建設し、現場で積み重ねるタイプの建設方法です。PPVCは、シンガポールで広く採用されている建設技術です。この工法は、現場での施工作業の負担、必要な建設作業員の数、および工期を削減します。これらはすべて、高密度な都市環境における混乱を軽減するための有効な手段です。また、この工法は、輸送・重機の使用・現場作業を最小限に抑えることで、廃棄物を削減し、建設に関連する二酸化炭素排出量を低減します。これらの利点を踏まえ、シンガポール建築建設庁(BCA)は、生産性を向上させる建設手法において業界の能力を高めるため、特定の規制、枠組み、認証制度を導入しています。
しかし、PPVCは建物の外観が繰り返し的で単調になりがちであるため、デザイン上の工夫を加えるためにMVRDVがプロジェクトに参加し、繰り返しのあるフロアプランの中に変化があるような錯覚を生み出しながら、タワーに個性と視覚的魅力の両方を与えました。MVRDVのデザインは、PPVCシステムの特性を活かして「ピクセル状」のファサードを生み出しており、各プレハブユニットが1つのピクセルを構成しています。ユニットは金属フレームを用いて引っ込められたり突き出されたりしており、さまざまな形状のバルコニーを生み出すことで、建物の外観に深さと興味を与えています。この凹凸は、ゴールドとダークブラウンの配色と組み合わさり、つる植物の有機的な形状に着想を得た抽象的なパターンを建物全体のファサードに形作っています。










