



MVRDVによる、台湾・嘉義の「ウッデン・ワンダーズ」です。
かつて木材産業で知られた市の創設記念行事の為に計画されました。建築家は、地域の自然林の賞賛と現代木造の可能性の提示を目指し、残存する木造建築の調査から開始しました。そして、著名な木造遺産を参照した“屋根ライン”を特徴とする建築を考案しました。2025年12月28日までの公開とのこと。
こちらはリリーステキストです(翻訳:アーキテクチャーフォト / 原文は末尾に掲載)
ウッデン・ワンダーズ:MVRDVによる木造パヴィリオンと展示が、嘉義における木工技術の過去・現在・未来を称える
台湾・嘉義市の創設321周年記念祝賀行事のために、MVRDVは、木材の製造・工芸・建設に関する展示を収容した仮設の木造パヴィリオンを完成させました。嘉義市庁舎の向かいに位置する、ウッデン・ワンダーズ・パヴィリオンは、正方形の中庭を囲む構成となっており、その外周構造の形状は、同市の木造建築の遺産に関する綿密な調査に基づいています。本プロジェクトは、12月12日から28日(※2025年)までの嘉義の記念祝賀行事を通して公開され、市民が集い、都市の遺産について学び、嘉義の「木の未来」について語り合う場を提供します。
台湾の山岳地帯の中核に広がる密林の近くに位置していたことから、木材産業は嘉義の歴史的発展にとって極めて重要であり、同市では玩具や家具から建築物に至るまで、幅広い木製品が生産されてきました。現在では、かつてこの産業を支えていた森林は保護されており、この文化を生み出した知識や技術は、多くの住民は忘れられています。それでもなお、市内には6,000棟を超える木造建築が現存しており、これは近年、市政府が認識し、保護し、修復に取り組み始めている遺産です。
嘉義の記念祝賀行事の一環として、市当局はMVRDVにパヴィリオンと展示の企画を依頼しました。これは、地域の自然林を称えることから現代の木造建設の可能性を紹介することまで、都市と木との関係を探るものです。多くの人々が木材を評価や信頼性の低い建設材料と見なしており、また耐震規制によって既存建築の転用がまれである台湾という文脈において、このパヴィリオンが持続可能性と遺産保存に焦点を当てていることは、大胆な姿勢です。
「嘉義における木造建築の歩みは、木材に対する考え方が世界的にどのように変化してきたかをはっきりと映し出しています」と、MVRDVの創設パートナーであるヤコブ・ファン・ライスは述べています。「かつては実用的で広く利用可能な建設材料であった木材は、コンクリートや鋼鉄といった材料がより安価で効率的になるにつれて、『時代遅れ』のものとなりました。しかし今日では、気候危機が私たちに別の視点から見ることを迫っています。木材は炭素を蓄える一方で、コンクリートや鋼鉄は大量の炭素を大気中に放出します。また、数十年にわたる研究と技術革新により、エンジニアード・ティンバーの技術を用いた現代建築は、ますます実用的なものとなっています。今こそ、木材について改めて語るのに最適な時です」










