川島範久と日本土地建物が、次世代の中規模賃事務所のプロトタイプを目指し完成させた、東京・港区のオフィスビル「REVZO虎ノ門」をレポート ファサード。 photo©architecturephoto
川島範久と日本土地建物が、次世代の中規模賃事務所のプロトタイプを目指し完成させた、東京・港区のオフィスビル「REVZO虎ノ門」をレポート 建物見上げ。緑があふれている。 photo©architecturephoto
川島範久と日本土地建物が、次世代の中規模賃事務所のプロトタイプを目指し完成させた、東京・港区のオフィスビル「REVZO虎ノ門」をレポート バルコニーの様子。 photo©architecturephoto
川島範久 と日本土地建物 が、次世代の中規模賃事務所のプロトタイプを目指し完成させた、東京・港区のオフィスビル「REVZO虎ノ門 」をレポートします。
まず、社会背景として東京の中規模賃貸事務所の老朽化が進み、建て替えの進むフェーズに入っているという事実。そして既に他の大手ディベロッパーもその状況に対し、ビルディングタイプの提案を加速させている状況があるそうだ。そのような状況の中、日本土地建物は一連のシリーズとして商品化できる中規模賃事務所のプロトタイプの開発を望んでいた。そして、その開発及びブランディング(差別化)を図るために、デザインパートナーとなる建築家を選定するクローズドなコンペが行われた。そこで選ばれたのが建築家の川島範久だ。
川島は、川島範久建築設計事務所を主宰し、日建設計在籍時代には「NBF大崎ビル(旧ソニーシティ大崎ビル)」を担当した経歴をもつ建築家。川島がこのコンペで選定された理由は、建物の特徴的な顔となっている端正なファサードのデザインだけではない。前例となる類似するビルディングタイプを丁寧に分析し、それをコンピューターシミュレーションなどを活用し裏付けを持って合理化を図ること、使われる素材に来歴の分かるストーリーのあるものを選定すること、などによって視覚的なデザインだけでなく、同様のビルディングタイプの常識を刷新することでこの「REVZO(レブゾ)」というブランドを確立する提案をしたのである。これは、建築が形のみで差別化できなくなった現代におけるアプローチの一例とも捉えられる。
ここでは、川島と日本土地建物による本建築の随所に散りばめられたアイデアと配慮、形骸化され現代の状況とかけ離れた慣習を、どのように改善しようとしたかの一端をレポートします。